【中国古典に学ぶ】部下にナメられる上司・社長の特徴3選
最近、パワハラにならないよう、部下に気を遣いすぎる上司や社長が増えています。
その結果、部下にナメられてしまうケースが発生しています。
今回は、私が好きな中国古典と、公務員をしていた私の経験から、部下にナメられる上司・社長の特徴をご紹介します。
どう行動すべきかまで具体的に記載するので、仕事で役立てていただければと思います。
権威を失っている(孫子)
これはつまり、部下との距離が近すぎるということです。
パワハラの防止や円滑なコミュニケーションのために、部下と仲良くなろうとする上司が増えています。
しかし、部下と仲良くなりすぎると、上司の威厳は無くなり、友達のようになってしまいます。
結果として、部下からナメられるということです。
具体的には、以下の行動はやめた方が良いです。
①自分の好き嫌いをさらけ出してしまう
リーダーの心を読まれ、部下は緊張感を失うだけでなく、うまく取り入って、上司を利用する可能性があります。
ある程度心は開いたとしても、「何を考えているのかよく分からない」部分を残しておくべきです。
②仕事時間以外も一緒に行動してしまう
一緒にランチをしたり、飲み屋に連れて行って奢ることは、なるべく控えましょう。
ランチをともにするのは、レベルが同じ証拠です。
食べるという行動は、人間の本能です。本能をさらけ出すことで、一緒にいてリラックスできる相手だと認識されてしまいます。
公務員の職場でも、権威が無い若手は群がってランチをする一方、権威がある管理職は、1人でランチをしています。
また、夜の居酒屋で奢るのもやめましょう。
奢ったところで、部下は慣れてしまい、いずれ感謝しなくなります。一方、奢った側は部下に多少の我慢を強要するようになります。
夜の奢りは、部下にナメられるだけでなく、人間関係も悪化させます。
③プライベートな話をしすぎる
職場は仕事をする場であり、家族ではありません。
よく、「うちの会社はアットホームだ」と謳っている中小企業がありますが、これはやめた方が良いです。
プライベートな話ばかりするような家族ごっこをしていると、まるで上司が兄弟や親のように見られ、部下から尊敬されなくなります。
賞罰の権限が無い(韓非子)
リーダーが部下を統率できるのは、なぜでしょうか。
それは、リーダーが部下に、賞罰を与える権限があるからです。
成果を残せば、給料面でのリターンがあるからこそ、部下はリーダーに従って行動します。
逆に、不正をはたらけば、減給や失職を科される可能性があるから、こうした行動は控えるようになります。
逆に、賞罰の権限が無いリーダーは、ただの飾り物です。
そんなリーダーがあれこれ部下に命令しても、リーダーの指示に従うメリットが無いため、本気で行動しません。
中国の思想家であった韓非子は、こんなリーダーのことを、「牙や爪が無い虎」と称しています。
中小企業の場合、このような恩賞・罰則があり、権限がリーダーにあることを明文化して社員に配布すると良いでしょう。
また、賞罰の権限や基準がすでに存在する組織では、リーダーがそれを行使する・しようとする姿勢を見せることが重要です。
規律を徹底していない(孫子)
せっかく賞罰の規律を作り、権限をリーダーが保有しても、それが機能しない場合があります。
それは、リーダーがその規律どおり賞罰の権限を行使できない時です。
例えば、自分の気に入る部下が不正をはたらいたら見逃す一方、自分の気に入らない部下が成果を残しても恩賞を与えないことです。
これでは、リーダーは部下からの信用を失い、統率力が失墜します。
私の知人の会社でも、横領をはたらいた部下がいたにも関わらず、人手不足を理由に、リーダーがその部下を処分しませんでした。
それでは部下からナメられるのはもちろん、処分しないという前例を作ってしまい、今後にも悪影響です。
三国志に登場する有名な軍師、諸葛孔明も、軍の規律を徹底するため、愛弟子だった馬謖を罰しています。
「泣いて馬謖を斬る」の語源が、このエピソードです。
規律を徹底するには、最初に戻りますが、部下との距離を一定に保ち、部下に感情移入しすぎないことが重要でしょう。
これに関連した、アフター5の付き合い方や、安易に奢ることのデメリットについて、以下の記事で深堀して解説しています。
ぜひお読みください!
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