【毎週ショートショートnote】スネーク満床

転校生スネークが来る。

毒蛇のような男との噂だ。
一度目をつけられたら終わり。
丸呑みにされる。

だが、来たのは自信のなさそうな小さい男だった。

すぐに彼はいじめの標的になった。

１月６日

彼は自殺未遂で救急搬送された。
一命は取り留めた。

入院中、彼は「学校にこだわらない」と決意した。

そう目的地を定めた彼の心はもはや逃げ回ってなどいなかった。
「追い求める存在」となったのだ。

牡丹雪が彼を応援するかのように優しく降っていた。

🐍

スネークには気に入らない奴がいた。
俺と同じあだ名の奴。

奴はあるステルスゲームのように逃げ回ることから主人公の名前を取って「スネーク」と呼ばれ、いじめられていた。

存在が腹立たしい。
徹底的にいじめて転校させた。

＊

俺はこの小さな町で一番下っ端だ。
先輩達にいじめられる日々。
圧倒的力の差に逃げ回るしかない。

１月６日

俺は先輩達に半殺しにされた。
通行人が救急車を呼んだがどこも満床だった。

重たい牡丹雪が降る日のことだった。

(410文字)

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