Photo by the_good_coach 文学フリマ 福色物語の抜粋 12 関西なんでもダンディ 2024年8月11日 17:46 鮎沢はディフェンスとキーパーの狭い隙間にシュートを放つも、ディフェンダーが足を伸ばしてボールを止めた。俺は転がったボールに駆け寄り、短いドリブルでキーパーの手前に持ち込む。キーパーが取ろうとして前に出てくる。シュートを打つと見せかけてキーパーの横に回り込み、スペースができた。俺は冷静だった。つま先でチョンとボールを突いた。無人のゴールにボールは転がった。 ピ、ピ、ピー。「やった。やったぞ。決まったー!」『福色物語』「ねえ、教えてくれよ。どこへ行くの?」 雪乃がじれたように訊ねてくる。「行けばわかるさ」 俺は雪乃の頬を指で押した。白い頬はぷにゅりと柔らかくめり込んだ。「こら。僕の体で遊ぶなって」 雪乃がうるさいので、体のあちこちを指で押したり、触れたり、腰を揉んだりした。「小学生かよ。ブンタは」「それに近いな。これでも食らえ」 俺は、雪乃の脇腹を容赦なくくすぐった。「あっ。ダメ、ダメ。くすぐったい」 雪乃は身をよじり、悶えた。本当に小学生レベルの悪ふざけだ。「何か、二人ともやらしいよ。触って、触られてさ。ダメ、ダメって。大人の関係?」「知らないよ。ブンタが勝手に僕の体に触れてくるんだ」「私のお姉ちゃんをいじめないでよ。ホシノも触ってよ」「こら。電車の中でそんなに騒ぐな。よその客に見られてるぞ」 鮎沢は三人に注意する。『福色物語』いかがでしょうか?少しでも中身を知り、手に取りたい、買いたくなった、そんな方は文月の蔵(フミヅキノクラ)までお越しをお待ちしておりますブース番号は、【え-28】です、さ、急げ💨 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する この記事が参加している募集 #文学フリマ 16,160件 #文学フリマ #ボール #シュート #雪乃 12