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白い休日 ~ 冬の夜に
冬の休日は 夏に比べると
寒さのせいもあるのだろうけど、
外に出掛けたり
活動的に何かする というよりも
家でゆっくりと寛ぐことの方が多い気がする。
冬は 景色がなんとなく
全体的に 白色がかって見える。
樹々も 地面も 空気も
どこか冷気をまとって、ひんやりと、白く。
だからなのか
冬の休日 というと
『白い休日』という言葉(イメージ?)が
浮かんでくる。
(雪の降るところでは文字通り、かな?)
イタリア というか
ヨーロッパでは
冬は オペラシーズン。
それを知っていたわけでもないのだけど
私は昔から
秋冬の季節になると
古い音楽 ー クラシックやシャンソンなどの ー
を聴きたくなる方で
家で よくCDを聴いたり、
その音楽の演奏会があったりすると
足を運んだりもしていた。
(外国でだけでなく、日本でも)
それで 新年最初の記事は
この白い休日を彩るものとして
素敵なオペラ歌曲たちを
おすすめしてみようかな🌟
と思いました。
私が 普段から好きでよく聴いている
オペラ歌曲たちの中でも、
一般的にはあまりよく知られていないのでは?
と思われる曲たち。
クラシック音楽を聴く醍醐味のひとつは
基本的に 同じ楽譜によって演奏される
〈同じ曲〉が、
指揮者や
演奏家たち (ソリスト&オーケストラ) によって
どれほど印象が変わるか、
どれほど違う魅力を表現し、見せてくれるか…
を 聴かせて貰い、楽しめる事にあると思う。
たとえばポップスの歌曲だとよく
「この歌手ならこの曲」といったように、
多くのアーティストたちは
いつも同じ
定番の人気曲ばかりを歌うことを
求められがちになるけど、
クラシックは それとは逆で
同じ楽譜で演奏される
数の限られた 同じ曲を
多くのさまざまな、
別々のアーティスト(&オーケストラ)達が
それぞれの才能や 魅力を用いて
表現して、聴かせてくれるのを
鑑賞し
感嘆し
賞賛する というのが
楽しみ方の違うところ。
でも近年は ポップスでも
昔の名曲や、他のアーティストさんの曲を
Coverして歌う人たちも、時々いるよね。
もしかしたら 日本では特に
著作権の問題等がうるさいのかもしれないけど
(別にどことは言いませんが…)
名曲と呼ばれ、
多くの人々に愛される 素晴らしい音楽に関しては
才能ある 若い世代の音楽家や
他の多くの 音楽を愛する人たちにも
その曲の演奏の機会を 寛容に与えたりして、
〈優れた音楽〉そのものが
後世に残り、伝わっていくようにして欲しいなあ…
なんて、個人的には願う。
というわけで今回の記事では
クラシック音楽らしく、
ひとつの曲にひとつの演奏家 ではなくて、
複数のアーティストのものを
同時にお届けします。
聴き比べると
同じ曲でも 印象が変わることに気がつくでしょう?
そして いずれも
それぞれがとても個性的で、魅力に溢れていることにも
感動しませんか?
芸術家たちが
神や 天から与えられた才能、
その才能を的確に表現するための技術の習得、
その表現力を更に高め、磨くための孤独な努力、
〈 芸術 〉そのものが
それに触れる人間たちの心や 精神に与える影響……
〈 芸術 〉とカテゴライズされる分野のものには
やはり なにかがあるように
私は感じる。
たとえばポップスのような
大衆娯楽とカテゴライズされる作品も、
「古い」と敬遠する人もいるクラシック音楽も、
両方とも 私は大好きだし、
それぞれを同じくらい 毎日のように頻繁に、
精神的な栄養源として
目に 耳に 心に
絶えず摂り入れ続けているけれど
それら各々の作品群の中には
単に 目や耳を楽しませるだけの
一過性に終わるものと、
もっと
心や精神の 奥深い部分に語りかけてきて
自分の内にある
なにかを変えたり、目覚めさせたり、
ずっと記憶に残り続けたりする
力強く、強烈なもの…
の両方がある。
自分と共鳴する何かがそこに存在するかどうかにも依るのだろうけど
それとはまた別に
摂り入れたあと 自分のなかで
〈血肉〉になっていく部分が違うのだろうか?
とも、なんとなく思える。
でも、まぁ、どんな作品を鑑賞したとしても
その影響はきっと
その人次第ではあるのでしょうけどね…
ちなみに昔、芸術に関して
思うところを書いたことがあります。↓
もし何か惹かれるものを感じた方はどうぞ♡
*****
ご紹介する音楽たちは 二つのオペラ作品から。
偶然にも二つとも
フランス人作曲家によって作られ、
フランス語で歌われる
フランス・オペラ。
ひとつめ:
『Samson et Dalila』 Camille Saint-Saëns
この3曲は まだ日本に住んでいた時に
マリア・カラスのCDで 初めて聴いたときから
忘れられないほど大好きになって、
イタリア留学に発つ時も そのCDを持って行った。
精神的に疲れたり 気持ちが落ちてしまって
エネルギーが足りない時などに
この3曲を聴くと
彼女の美しい歌声、
声に宿る生命力や 力強さに鼓舞されて、
元気をもらえた。
というか、今でも貰ってる。
私にとっては ビタミン剤(?)みたいな音楽。
そのため
いずれも先ずは マリア・カラスの歌声を
どうしてもご紹介したくて
全てに入れてしまいましたが…
私の独断とイタリアへの(偏)愛が出がちで選んだ
他の歌い手さんたちも、
とても美しくて 魅力的な歌声です。
①〈Printemps qui commence〉
Maria Callas
Giulietta Simionato
②〈Samson, recherchant ma présence… Amour viens aider ma faiblesse〉
Maria Callas
Elena Cernei
③〈Mon cœur s’ouvre à ta voix〉
Maria Callas
Elīna Garanča
ふたつめ:
『Les Pêcheurs de Perles』 Georges Bizet
この曲は フィレンツェで同じ家に住んでいた
フィレンツェ人の女の子から教えてもらった。
「ずっと探していた曲を、やっと見つけたの!」と
ある日の夕方 嬉しそうに
その日手に入れたばかりのCDを見せてくれながら、
この曲を聴かせてくれた。
ちょうど帰宅した 他のフラットメイトの子たちも
皆一緒になって聴いた。
「すてきな曲でしょう?」と その子に聞かれて
「ほんとうに…」と
私もみんなも うっとりと聴き惚れながら答えた。
そのとき聴いたのが 誰の歌声だったのかは
残念ながら覚えていない。
その後 私も
このオペラのCDを探してみたけど
本当に なかなか無くて、
やっと見つけて 買い求めて、
もちろん帰国時も
イタリアから日本に持ち帰って来た。
今はインターネットも YouTubeもあるから
探しものも見つけやすいけど
それ等がなかった時代の
『出会い』や
『再会』というものが
どれほど心を 強く 激しく 震わせるものだったか…
そういう感覚を 肌で知っていて、覚えている人たちは
なんだか
それ等をより深く 大切に感じ
それ等により深く 感謝出来るのではないだろうか
という気がする。
まぁこれも、人によるとは思うケドね😉
〈Je crois entendre encore〉
Nicolai Gedda
Roberto Alagna
Giuseppe di Stefano
こちらだけ、イタリア語ヴァージョンです。
冬の夜に すてきな音楽たち…
楽しんでいただけたでしょうか?
新年あけましておめでとうございます🎍
みなさまにとって、良い年になりますように✨✨✨
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