見出し画像

パリの異邦人たち


生活者として
パリの街を歩くようになると

街で見かける
住人として住んでいる人々、
とくに印象的だった
黒人の人たちの多くは、

皆とてもお洒落で
品がよくて、
洗練された人たちに見えた。

それまで 
主にアメリカの
ニュースやドキュメンタリー、
映画などで見る黒人の人たちとは
雰囲気のまるで違う 
黒人さんが多かった。

 
物腰とか
こちらへ目線を向けるときの表情、
服装、話し方、
話す声のトーン…

そういったもののすべてが
いかにもパリジャン、
パリジェンヌといった感じの

白人のフランスの人たちと同じように

ちょっと気取っていて、
エレガントに と 
自ら心がけている姿勢が見えて、
実際に
〈洗練された都会人〉といった風情ふぜい

「自分は この街の市民として
ここで生活している人間だ」
という自信と、落ち着きのある人々。

他の人種の人たち、
たとえばベトナムやアルジェリアなど
フランスを旧宗主国とする国出身の人とか、
マダガスカル出身の人とか、

他のヨーロッパ諸国や
それ以外の国からも、
たくさんの外国人がそれぞれ 
自由意思でもって 
当時のパリに住んでいたのだろうけど

私がパリに住んでいた 
ほんの数ヵ月のなかで感じたのは

そういう
他の国から来て
ここに集っている人たちは 皆

パリの住民 すなわち
パリジャン、パリジェンヌとしての 
身の持ち方や態度を崩さないよう、
それを自分に課して
生活しているんじゃないだろうか?
ということだった。

自分の国での
それまでの生活習慣ではなく、
〈パリの生活習慣〉のほうに 
自分を合わせている印象。

パリに憧れて、
彼らが自発的にそうしたくて、
そうしているのかも知れない。

パリという街そのものが
人にそうさせる力を、
なにか持っているのかも知れない。

その時の私は 
フランス語なんか殆ど分からなかったから、
パリに住む人々と直接話ができたのは
私の片言かたことの ヘタクソなフランス語か、 
英語での会話に応じてくれる
ごく限られた人たちだけだったし、

滞在期間も
観光客に毛が生えた程度の
短いものだったから、

この印象も 単に上辺うわべだけ見た、
的外まとはずれなものなのかも知れない。

それでも その時の私が見たのは

たとえ文化的バックグラウンドがどこであれ、
「この街に住む以上は
この街のルールに従って、
この街の雰囲気を作り上げる一要素に 
自分自身もなる」

そのことを自ら納得し、許容きょようし、
協力しようとする人たち。

もしかしたら、それが
〈パリジャンたち〉なのでは と
私に思わせた人々だった。

1998年の春先だったから、
今とは違うパリを 私は見てる。

けれど 移民問題を考えるとき、
今でも私は、
あのときパリで見た
異邦人のパリジャンたちを想う。

あれが理想ではないかと。

その街の雰囲気とルールを壊さないよう、
移民である人たちが
その街の市民としての生活習慣に合わせる。

外国出身の住民が 自発的に
そうしたい
そうしよう
と思わせる魅力を、
『その街自身』が持っているかどうか。

その〈街の魅力〉が薄れたことが、
今のフランスやEU諸国での
混乱の原因なのだろうか…

判らない。

けれどもし 今後、
日本が外国からの移民を
更に多く受け入れることになるのなら、
あの頃のパリのような街ばかりに
なってほしいと願う。

希望はあると思う。

外国出身の人たちが ここでの生活に憧れ、
「こんな街に住みたい」
と願ってやって来るのが、
今の日本であるなら

彼ら自身が その街の現状を、
今の雰囲気やバランスを、
壊したいとは 考えないはずだから。

道にごみを捨てず、
公共のものを壊さず、
地域のルールに従い、
他の人を思いやり、尊重して、
静かに暮らす。

そういう住民たちがいるからこそ
治安がよく 清潔で 
効率的な生活環境 というものが生まれる。

そんな街で
快適に生活することの恩恵を受けたいのなら、
その街の これまでの歴史と文化を尊重し、
いまの住民がおこなっているルールに従い、
それを守り、
コミュニティの一員として
同じように振る舞うこと。

移民側に都合の良い習慣を押し付けたり、
差別という言葉を作為的さくいてきに利用して、
この国の伝統や習慣を
壊そうとしないこと。

この国に住みたいのなら
移民の人たちには
その決意が必要不可欠。

(私自身も
ヨーロッパに住んでいる間はずっと、
それを心がけて生活していた)

迎える立場の私たちが 彼らに
どうすれば良いのかを、
教える必要があるかもしれない。

もし どうすれば良いのか分からないなら。
彼らに学ぶ姿勢があるなら。
否 仮に無くても
一度は教えてあげなくてはならない。
ご近所さんとして。

教えるってことは 
関わり、コミュニケーションする
ということだから

外人さんだからといって 
見て見ぬフリや 
大目に見たり 甘やかしたりせず、

日本人と同じルールを守ることを
きちんと要求するような、
〈日本人側の意識や態度の変革〉も
求められると思うけど

謙虚に学び 真面目に暮らしている
多国籍の 市民や町民、
東京都民 (東京人?) たちが 
お客さまではなく隣人として、
日本人ともコミュニケーションをとって
お互いが一緒に生活していくなかで、

もし新参の外国籍の住民が
なにか不適切な行動をしたら、

日本人の発想だけでは対応策が産み出せない時には
外国籍の住民たちが、
そういった迷惑な行動をする
外国籍の人達の生活態度を改めさせるために、
相談したら なにか良い知恵を
提供してくれるようになるんじゃないかな。
自分たちの住む街の静けさや、
治安を守るために。

そんな簡単に上手くいくわけない、
そんなのはただの理想なんじゃないか、 
と言いたい人たちが居ることも分かっているけど、
無策状態や絶望からは
何も始められないじゃない?

それに既にもう、移民は始まっているもの。 
最近じゃない、戦後からずっと
日本は移民大国。

近年は もっと多様な国からも
移民たちが来るようになった関係で、
迷惑な犯罪を犯す人種と
問題を起こさない人種も
記録データとして
国籍別、実例別に 
着々と蓄積されて来ているけど

今後も 移民の数そのものは増えていくはず。
国の政策というよりは
地球全体の流れがそういう時代だから、今は。
日本だけの現象じゃないよ。

世界規模の民族大移動…

いまの日本が 
外国人たちに対して持っている
『街の力』『街の魅力』を、
(街 ≒ 国)
移民たちの『数』と『怠惰性』よりも強く保ち、
それを弱めないために 出来ることは?

あるいは、別の方法でも良い。

移民が増えることによって
日本の社会や文化の調和が壊されない方法なら、
何でも。

「この調和を保ちたい」
と望む全ての住民が、
協力し合って出来ることなら、何でも…

私たちがいま早急に、
真剣に考えなければいけないことは
それなんじゃないかと、
最近は思ってる。


一般的な日本人が苦手としている
〈当事者意識を持って自発的に考えること〉や、
〈意思表示の大切さ〉と共に。

 


🌟
もしリアルで 身近に
迷惑をかける外国人がいて 困っているなら

他人を尊重しない人間は、
法も尊重していない可能性があるから

こういう事も 情報として
知っておいた方がいいと思う。

https://www.moj.go.jp/isa/consultation/report/index.html

https://goandup-japan.com/report-of-illegal-stay/#:~:text=不法滞在の通報は匿名でも可能&text=自身の身分を明かす,漏洩する心配はありません%E3%80%82


いいなと思ったら応援しよう!

Luriha
書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡