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【徹底解説】高齢者の選べる施設:それぞれの特徴と選び方

病気で入院したけど今後は自宅での生活が難しい高齢者のために、適切な施設選びが重要です.この記事では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、さまざまな施設の特徴をわかりやすく解説します.高齢者に最適な環境を見つけるためのポイントを学びましょう.


1. 高齢者が退院する際の選択肢


高齢者が病院を退院する際、家庭での介護が難しい場合は適切な施設選びが重要です.以下の施設は、退院後の生活を支えるための主な選択肢です.高齢者の体調や介護の必要性に応じて、最適な施設を選ぶことがポイントです.

2. 代表的な施設の種類


高齢者向け施設を探したい方のための特別冊子|ベネッセスタイルケア

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★特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは、日常生活全般に介護が必要な高齢者が長期間入所できる施設です.自宅での介護が難しい場合に利用され、基本的な生活支援(食事、入浴、排泄)を24時間受けられます.医療的ケアが少ないため、比較的健康状態が安定している高齢者が対象となります.

利用対象:要介護度が高く、自宅での介護が難しい人

提供されるサービス:24時間の介護、食事、入浴、排泄などのサポート

★介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は、退院後、もう少しリハビリが必要な高齢者のための施設です.ここでは理学療法士や作業療法士がリハビリをサポートし、自宅での生活に戻る準備をします.介護を必要とする状態でも、リハビリを通じて自立を目指すことができます.

利用対象:退院後、自宅での生活がすぐには難しいが、リハビリで生活能力を回復する見込みがある人

提供されるサービス:リハビリ、看護、医療ケア、介護サービス

★介護療養型医療施設(介護療養院)

介護療養型医療施設(介護療養院)は、長期的な医療管理が必要な高齢者が入所する施設です.慢性疾患を抱え、医療的ケアを常に必要とする場合に利用されます.医療スタッフが24時間体制で対応し、点滴や人工呼吸器などの医療機器を使ったケアが可能です.

利用対象:医療ケアが必要な状態で、長期の入院が難しい人

提供されるサービス:医療的ケア、看護、介護サービス

★軽費老人ホーム(ケアハウス)

軽費老人ホーム(ケアハウス)は、基本的には自立している高齢者が対象ですが、一定の介護や生活支援が受けられます.比較的費用が抑えられており、経済的な負担が少ないため、住居の確保が難しい高齢者に適しています.介護度が低い高齢者が日常生活を送るための支援を受けながら生活できる施設です.

利用対象:自立しているが、軽度の介護や支援が必要な高齢者

提供されるサービス:食事、掃除、日常生活のサポート

★グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームは、認知症を抱える高齢者が少人数の家庭的な環境で生活し、日常的な支援を受けられる施設です.認知症の進行を抑えるためのケアが提供され、生活リズムを整えながら安心して過ごせるようにサポートされます.専門スタッフが24時間常駐し、個々の状態に合わせた対応が行われます.

利用対象:軽度から中等度の認知症を持つ高齢者

提供されるサービス:日常生活の介護、認知症ケア、家庭的な支援

★有料老人ホーム

有料老人ホームには、介護が必要な高齢者向けの施設や、比較的自立している高齢者が生活できる施設があります.「介護付き」と「住宅型」が主な形態です.

・介護付き有料老人ホーム
24時間介護スタッフが常駐し、介護度が高い方でも安心して生活できる環境が提供されます.

・住宅型有料老人ホーム
比較的自立している高齢者が対象で、外部の介護サービスを利用して生活します.

利用対象:介護が必要な方から、自立している方まで幅広い

提供されるサービス:介護、生活支援、食事、レクリエーションなど

★サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が自立して生活しつつ、必要な支援を受けられる住宅施設です.24時間緊急時の対応が行える体制が整っており、必要に応じて外部の介護サービスを利用することができます.自分のペースで暮らしながら、安全で安心な環境が提供されます.

利用対象:自立して生活できるが、サポートがあると安心な高齢者

提供されるサービス:生活支援、安否確認、緊急時対応、介護サービス(必要に応じて)

3. 施設を選ぶ際のポイント


施設を選ぶ際には、高齢者本人の状態や希望に合わせた選択が重要です.家族やケアマネジャーと相談しながら、以下のポイントを考慮しましょう.

・費用の確認

施設ごとに費用は異なり、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では高額な費用が発生することがあります.介護保険が適用される範囲や自己負担額をしっかり確認しましょう.

・施設の設備や雰囲気

施設の雰囲気やスタッフの対応も重要なポイントです.見学してみて、実際の環境が高齢者に合うかどうか確認しましょう.介護施設では、24時間対応できるか、どのような介護やリハビリが行われているかを確認することが必要です.

・提供されるサービス内容

リハビリ重視なのか、生活支援が中心なのか、または医療的ケアが必要なのか、提供されるサービスの内容を確認し、高齢者のニーズに合った施設を選びましょう.

まとめ


高齢者が退院後に選べる施設は、医療ケアが必要か、リハビリが必要か、日常生活の支援が必要かなど、状況に応じて多岐にわたります.特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養院など、それぞれの施設の特徴をよく理解し、高齢者の状況に合った施設を選びましょう.家族や専門家と相談しながら、安心して生活できる環境を整えることが大切です.

今回は、高齢者が病院から退院される際に、どうしても自宅での療養が困難になってしまった場合に生じる問題点にフォーカスしました😊.これを読んでいただいている人達の大半は「今は関係ないかなぁ」って考えていると思いますが、決断しなければいけない日は突然やってきます!

自身や御家族内であらかじめ「こうなったらこうしよう」とか事前に相談されている家庭は、施設入居の決断を余儀なくされる場合も円満に進んでいきます.しかし突然に現実を突きつけられ、想定外のことに悲観ばかりされている家庭は、不満をかかえたまま理想とはかけ離れた施設へ退院されていく人もいます….

自身がそうならないためにも、まずは「健康」であることが重要なのですが、万が一に備えて事前に家族内で話し合ってみませんか? 自身の想いや家族の想い、意外と気づかない愛情がそこにはあるかもしれませんよ🐈️

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No.28@呼吸器内科医
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