ザ•メニュー を観た
トレーラーを観た時点で、「こりゃグルメ映画じゃなく、サスペンスかホラーかな」と一目で解るものだったが、一体どんなホラーなのかが判別できなかった。
もしかして、客がメニューになってしまうとか?
そう思ってたけど、そうではなかった。
少々ついて行けない
閉鎖空間で出されるメニューは、奇妙な演出の中でただ単に美味なだけではなく、パンは出さずにジャムだけだしてみたりと、かなり挑戦的だったりする。
それに客は戸惑い、時には横柄に批判したりと様々な反応を見せる。
観賞している私も一体何の意図があるのか?と思ってたみていたが、途中からあからさまに客の負の個人情報が演出に混ざり始める。
何やら不穏な空気が増大したところで、ついに死亡者が出たところでこの映画がついに本性を現す。
それでも、正直言ってこのシェフが異常に根に持つタイプで、上から目線で人を裁こうとするサイコパスにしか見えず共感はできないまま物語は進んでいく。
食べること、食べて貰うことの喜び
この映画は、まさに食べること、食べて貰うことの喜びを忘れないで欲しい!
そんな想いが詰まっている映画だったのかもしれない。
客の中には、「味は分かんねぇけど高い料金の料理を食べとかなきゃな」という理由で食べに来てたり、「このスープ、分離してるところがあるわ」とすぐに批判したりと、純粋に料理を楽しむ人がいない。
主人公が唯一、まともに食を楽しむことを知っている人だったからこそ、あの結末なんだろう。
少しいまのネット社会の縮図のように感じることができるのも面白い。
特に制裁しようとするシェフは、勝手な正義感を振りかざして炎上させる人たちにも見えるところとか…
あっと驚く種明かしがあるかと言えば特にないし、凄い展開を期待してしまうとガッカリするかもしれないけど、そんなのはないよって解っていたらキチンと楽しめる作品です。
食べたら作ってくれた人に感謝しよう。
たとえお金を払ってたとしても。