変わらないこと
臆病なままでも世界に触れる
怖がりな冬を眠ってすごしたくなる
時折訪れる春の陽気に
少しだけ誘われてもみる
一日一日が四季
一時一時が季節
心が揺れ動くままに雨が降り
夜より昏い夕立が降る
抜け殻より軽い中身の身体が
風に飛ばされても
石より重い心が
陽射しに安らげなくても
一日一日が四季
一時一時が季節
心が揺れ動くままに夜を思い
月の光だけがやさしさになる
燈火でありたい
何を見失っても傷ついたとしても
燈火でありたい
そう願って生きてきた
これからも生きてゆくだろう
一日一日が四季
一時一時が季節
「ありたい」と願うこの願いだけは
それでも消えはしない
「こうありたい」と願うこと
それが何より燈火となると信じている
日々変わりゆく季節の中で
変わらない願いを見つけられたら
祈りの狭間に 願わくは
響くものがありますように
©2016 緋月 燈