るなの学び2020年6月~骨軟部編(脊椎多め)~

こんにちは、画像診断医/放射線科医のるなです。私は放射線診断専門医であり、核医学専門医、マンモグラフィ読影認定医も持っております。IVRは苦手ですが、読影は下手ですが好きです^^


日々の臨床の気付きを、4月上旬から備忘録及びアウトプット目的でtwitterに呟いていたのですが、思ったより反響があり、色々な先生からもたくさん勉強させていただきました。

これをtwitterのタイムラインに埋没させるのは非常に勿体ないと感じましたので、諸先生方からの貴重な返信も含めて、まとめさせていただきました。

量が膨大なので、まずは6月の学びをまとめたいと思います^^足関節が多かった先月、今月は脊椎が多めです^^ 

最初はすべてひとつの記事にしようと思ったのですが、意外と量が多く・・今回は”骨盤&骨軟部編です^^

よろしくお願いいたします!!

まで日常的な勉強の備忘録をまとめたものです。

*誤訳、誤った解釈をしている場合がありますがご了解ください。
*non-evidence based , experience basedな内容を一部含みます。ご了解ください。
*あくまで個人の意見です。所属するいかなる団体の立場を表するものではありません。ご了承いただきたく存じます。

以下の記事もよろしくお願いいたします^^


~脊椎~

よく見ますよね~。感覚的にVacuum現象の友達なのかな~と思ってましたけど、Vertebral pneumatocystという名前があったのは知りませんでした^^;

私の尊敬できる先生が複数"椎間板"ではなく"線維輪"と名言してレポートを書いているので、不安になり調べました。変性が起こっている状況では、基本的に内部構造の分離は難しそうです!

椎間板ヘルニアの造影効果について。造影効果のあるものは自然退縮しやすいということです。たしかに、たまに手術していないのに、よくなるヘルニアありますよね!造影はなかなか見ないですが。


これもいつも迷うやつですね。頸髄の異常信号域の存在自体は重傷度に関連しないという論文もありますが、このように画像所見をgrade分類するとある程度傾向はあるといえそうです。あとは術後改善率が変わるようですね。改めて変形性脊椎症は臨床に依存する要素が多い分野だな~と思っています。

これもいつも迷うやつですね。頸椎と腰椎の脊柱管狭窄は定義が異なります。正確にいうと頸椎は上記のような基準がありますが、腰椎は確固とした定義はなく、あくまで臨床症状ありきですね。頸椎ももちろん、その限りでは無いと思います。

これも頸髄症関連ですね。T2WIで所見をとるか迷ったとき、一瞬T1WIを見て、黒抜けしていたら取るという方法もあるかもしれませんが、you先生の論文の分類的との対比も気になりますね。今後、注意してみたいと思います。

お次は、腰椎。定義がないといっても、検討している人たちはいらっしゃいます。私が好きなもの2つご紹介します。1つめは人によって結構"正常と思われる硬膜嚢の広さ"の感覚に、自身がもてないので、馬尾を利用した2の間接的評価の方が自分は安心ですかね。

忘れた頃に出てくる頸肋。見分け方は胸骨に付着しているかしていないか、結構単純ですが、頸肋があると胎児・小児癌発生率があがるというのは知らなかったです・・・!

spineではないですが、頸肋関連で改めて肋骨の定義を確認しました。”真肋はRKT(肋骨)12の神7”"top10圏外(11-12肋骨)は付録(浮肋)"というゴロで覚えましたよ^^ ゴロ、大好きです♡

ちょっと芸風を変えてみました(笑)、これからも1issueのときはこいうかんじの絵にしてみようかな~と思ってます(笑)。これほんと多いんですよね、整形外科でもたまに横突起骨折ってかいてるし、放射線科の90割は横突起と書いている気がします・・・。意味はわかるんですけど、むずがゆくなりますよね~^^;

頸椎の椎間孔狭窄の程度評価にSWIという論文!確かにわかりやすいが・・・かなり技師さんのパラメータ調整力にも依存しそうなかんじがします・・。今後、技師さんと相談してみようかしら。

恥ずかしながら・・・椎弓切除術・椎弓形成術の違いを理解してませんでした。。。これからは意識して行きたいと思います!

椎間板ヘルニアが造影されることがあります。腫瘍など間違えてしまわないように、知っておく必要があります。椎間板ヘルニアが造影されると、吸収される率が高いと言うことです。

脊柱管狭窄の診断基準ですね。この分野はあくまで臨床症状が基礎で、画像診断はあくまで補助の意味合いが多い分野ですね。画像診断の基準のゴールデンスタンダードはないですが、以下に示す基準が提唱されています。

腰部脊柱管狭窄は上記のような診断法が提唱されています。個人的には2が好きですね^^ 

馬尾弛緩ってよくレポートで見ますけど、なんかよくわかってなかったので、調べ直しました。意外と教科書にのってなくて、探すのに苦労しました~^^;

ここらへんからは、varitationのつぶやき多めです。腰椎の椎弓根弓。椎弓根弓内に上行腰静脈が走行することがあります!術前CTでは是非指摘したいですね~!

第1肋軟骨移行部の石灰化があると、ときに胸骨が大きく見え、SAPHOのような病態に見えてしまうこともありますが、SAPHOは背景に付着部炎があるので、関節の肥厚や硬化性変化が強かったり、胸骨体部のサイズ自体が大きくなります。

今月後半は移行椎の勉強に費やしました。なかなか難しい分野ですよね。ただ、臨床的には移行椎を指摘することは非常に臨床的に患者さんの利があります。なかなか難しいですが、せめて脊椎術前CTでは、評価したほがいいな~と思います。

移行椎の指摘は特に、上から数えられない胸~腰椎移行部、腰椎~仙椎移行部にて重要になってきます。その中でいくつかのメルクマールを知るのが重要ですね。そのひとつが最下位胸椎の後結節です。

腸腰靱帯も有名なメルクマールですね。ただし、絶対ではありません。後結節や肋骨などとの総合的な判断が必要ですね。画像診断は持てる武器が多い方が強いと感じますね!

腰肋、肋骨、短肋骨の定義があります。安易に肋骨を最下位胸椎とすると、ときにpitfallに陥りかねません。

腰仙椎移行部の診断は移行椎の診断の他に、腰痛の原因となりうるので、指摘すべきですね。ただ、冠状断以外ではなかなか、判断が難しく、冠状断が撮像されてないことも多いので、やはり3方向からの観察が大事だな~と思い知らされます。

移行椎と肋骨のvariantは合併しやすいというお話です。ということで、やっぱり、上下から数える、メルクマールを確認するという作業は大事ですね。

最後に個人的に移行椎について大事だと思ったことをまとめます。

隅角解離と鑑別を要するvariantですね!病歴や皮質がある点などの鑑別でしょうか?




画像診断を中心とした医学系の記事を投稿したいと思っています。よろしくお願いします