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月影は伽藍を眠らせ子龍を眠らす~大阪・四天王寺~めりくりすましておめでとうございます(ほんで戦メリ♪)/一部修正


してんのじさんの絵
月影は伽藍を眠らせ子龍を眠らす
月描零 2024

四天王寺。
大阪上町台地の一角を占める大きなお寺さん。
聖徳太子ゆかりのお寺としても知られています。
むかしから世の平穏を願う場として人々に開放されてきました。
ありがたいことです(合掌)
いろいろあった今年ですが、あと少し。
どうか穏やかでありますよう。

南の山門から見ると、
中門(仁王門)ー五重塔ー金堂ー講堂が一直線に並び建ち、
中門両翼の回廊がこれらを取り囲む。
いわゆる四天王寺式伽藍配置、景色も独特。
この絵で見えているのは中門と五重塔です。
1,400年余りの歴史あるお寺。
戦争や災害で何度も潰れ、そして再建しの繰り返し。
今の塔は八代目だといいます。
鉄とコンクリートでできていますが、飛鳥時代の様式を再現。
屋根勾配が緩く、軽やかに見える。
その時代の特徴でしょう。

緩勾配で軽やかな塔の屋根について。
少し時代が下りますが奈良時代初期の築という奈良・薬師寺の東塔。
やはりこちらも江戸時代などに建てられた塔よりも屋根勾配は緩い。
そして現代(昭和)に再建された新しい西塔の屋根は
創建当初の遺構である東塔のそれよりもさらに勾配が緩く見えます。
これは創建当初の姿を意識して勾配を緩くしたのだろうと思います。
東塔は長い歳月を経て勾配が(垂れて)多少きつくなっているはずです。
いつかは西塔の屋根も東塔に近付く。
それは私たちの子や孫の時代か、もっと先か。

大体、歴史が下るにつれ江戸時代などに再建や大修築を経た塔は
屋根勾配がきつくなる(急勾配になる)傾向があると思います。
ありゃスキーで滑ったらこわいがな、という急な屋根勾配の塔は
おそらくめちゃくちゃに大雑把に言えば鎌倉時代より後の普請による、
という感じでしょうか(私見です)

この絵は当初2020年12月に描きました。
もう4年前ですね。
線で描かずにいきなり色をのせて描きました。
そのせいかバランスがうまくいかず、仕上がりもラフ。
今回は4年ぶりにPCで仕上げ作業に取り組みました。
気付けばひと月半ほど?仕事終わりに少しづつ描きました。
一枚の絵にこれほどかかったのはめずらしいです。
毎日のように短くともこの絵に向き合った時間は、
いろいろある現実の中でも無心になれて、
ある種祈りの時間でもあった気がします。
月は描いていませんが、月影、月のほのかなあかりを意識しています。
一度は描きたいと思っていたてんのじさん。
きりがないので今回はここで作業を終えます。

すこし早いですがクリスマスの時期ですね。
FMから坂本龍一さんの「merry christmas mr.lawrence」が流れてきました。
(戦メリ♪です)
私はピアノだけのバージョンがすきです(特にイントロ)
新聞奨学生だったころにやはりFMで聞いたのが始まりでした。
(「めぞん一刻」みたいな木造アパートの一室で)
これにヴァイオリンかなにかが加わったバージョンでは
デヴィッド・シルビアンさんが歌った「forbidden colours」のメロディが
さりげに加わっている気がします。
たしかデビシル以前の戦メリにはなかった旋律だと思うのですが。
音楽家もお互いのよいところを採り入れ合って
楽曲をよりよいものにしようとしていたのかもしれません。
(私は音楽素人です。勝手に言ってます、恐縮です)
ちなみに初めて「forbidden colours」聞いた時はびっくりしました。
そして歌は映画に出ていたデヴィッド・ボウイさんなのかなとも思った。
(シルビアンさんごめんなさい)
なぜかいいなと思う外国のミュージシャンは英国出身なんですよね。
自分に英国人の血が流れているせいだろうか(嘘です)

さて歳末にほらを吹いたところでひと息つきます。
ここまでお付き合いありがとうございました。
いろいろ流行っているようです、どうぞお元気で。
それでは、また

めりくりすましておめでとうございます♪

令和六年十二月吉日 つきがきれい


*屋根勾配の緩急の話、ここでは寺院の塔についてお話しています。
 (特に最上層の屋根)
 本堂の大屋根などはまた話が違います。
 投稿当初、このあたりが曖昧だったように思い、加筆修正しました。
 2024.12.23.

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