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響
嫌われる事が多かったけど。誰よりも何よりも。私を嫌うのは私だった。その事に気付けたのは。私がずっと大人になってから。
「さよなら」が言えないお別ればかり。「ごめん」も「ありがとう」も足りない。足りないよ。
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私の写真は孤独と結び付いてるから、「写真はコミュニケーション」って言ったあなたとは、交わる事はない。遠くから見てた。あなたを。
自分の背中に翅がある事を知らない。呼吸の仕方も解らない。ドクドクと脈打つ心臓だけ響く。
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時計のチクタクを聴きながら、静かに涙を流す。カーテンの隙間から星が見える。小さな星。
あの鳥がまた来ないか待ってる。自由に飛んで。好きな時に歌って。私の所に気まぐれに来てくれた。あの鳥。
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診察室でニコニコ話したけど、思い出した。19歳の頃も先生とニコニコ話してた。私は辛い時に笑う。よく笑う。
暗い顔して歩いてた。誰かが振り返ってくれないか期待してた。独りでいるのが当たり前だった。いつもベンチに座ってお弁当食べてた。大切に出来なくてごめん。守ってあげられなくてごめん。
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その人の感性は奪えない。のたうち回って自分の声を聴け。