はじめての西洋美術 後期印象派02
こんにちは!
今回は後期印象派の画家紹介、第二弾ということで、セザンヌについて紹介していこうと思います。
セザンヌは、絵画の新たな道を切り開いた「現代美術の父」とも言われるほど、革新的な表現を切り開いた気鋭の巨匠です。
なぜセザンヌがそのように呼ばれるようになったのか。セザンヌ作品の特徴から解説していきます。
1.形態の表現
まず、セザンヌ作品で最も特徴的なのが形態の表現です。
セザンヌは、それまでの西洋美術で重視されてきた写実性(現実をあるがままに表現すること)を取り払い、モチーフを単純な形に置き換えて書いていました。セザンヌは「自然を、円筒、球、円錐によって扱う」と話しています。
例えば、果物は丸、山は三角など、私たち現代人にとって当たり前のようにモチーフを簡素化して書いていますよね。
これを初めて作品として描き始めたのがなんと、セザンヌなのです。
この形態の捉え方はピカソたちが突き詰めた、のちのキュビスムにも影響しています。
2.色の表現
セザンヌの色彩の表現では、その物体のもつ最も特徴的な色が強調されて描かれています。
「りんごは赤い」という認識を強調した書き方です。
本来はたくさんの色によって構成されているなかから、一色のみを抽出する手法は、ゴーガンやフォーヴィスムにも通じています。
3.空間把握の表現
遠近法を排した平面的な画面というもの、セザンヌの特徴の一つです。
セザンヌの作品には、緊張感をはらんだ歪み(デフォルマシオン)というものが現れています。
この『果物籠のある静物』では、砂糖壺が傾いていたり、壺が上から覗き込んでいるように描かれているのに対し、果物籠が横から見たように描かれているなど、複数の視点が混在していたり、テーブルの左右の稜線が食い違っていたりという、多くのデフォルマシオンが生じています。
このようにあえて歪んでみせることで、物の圧倒的な存在感を見る人に与えています。
こうした独特の造形は、同時代の人々からは激しく非難されたが、これもまた後のキュビスムによって評価されることになります。
これら3点が、20世紀のあらゆる絵画運動に繋がっていき、「現代美術の父」といわれているのも納得ですね。
しかし、これらの偉業はあまりにも新しすぎたために生前は世間からなかなか評価されることはありませんでした。
そのため、なんと50代まで親からの仕送りに頼って生活していたそうです。
そこまで、新しい表現に自分の生涯をかけられるなんて、すごい。。
今回は以上です。ではまた〜☺︎