マスコミが取り上げない増山・岸口会見の詳細

(1)ニュースソースを直接見に行くことの重要性

兵庫県知事選挙問題の面白いところは,ネットメディアがありとあらゆる会見や報道をノーカットで提供しているので,ニュースソースを調べればオールドメディアが何をカットし,何を取り上げたかというのが,確実な証拠をもって調べられるということです.百条委員会も基本的に動画を公開しているため,各メディアの編集の検証が外部からでも可能となっており,結果として「証拠に基づいたメディア不信」を増幅させる結果となっています.

そしてオールドメディアがこぞってカットしたところを見つけ出し,「偏向報道」と評価する切り抜き動画が大量に挙げられているのも興味深い.実はオールドメディアとて,100%確実なニュースソースを常に持っているわけではなく,真偽が明らかになっていないグレー情報については自社の推測や意見を前提として報道しています.しかし,ネットメディアはそういった白黒つかないグレー情報に対して異なった見方があることを指摘しており,同じ物事を取り上げても捉え方が異なれば解釈も180度異なるという点で,視聴者に今まで気づかなかった新たな視点を提供してくれます.彼らの視点を知れば知るほど,分断の先の人々にいる人がどのように考えているか,なぜ分断に至ったのか納得感を持って理解することができるようになります.真相真実は誰にもわからないが,オールドメディアの見方が必ずしも唯一の正解ではないのだということが,公開されている各種ニュースソースに直接アクセスすることで分かります.

また世論誘導を行うコメンテータという人々の多くが,自分で深く背景情報や情報ソースをきちっと調べずに,メディアが用意した筋書きやVTRを見て表面的なことや建前論を喋っているということも今回の件では明らかになりました.実際に橋下徹は最近対談で立花孝志に会って,「報道で見るイメージとは全く違う.極めて合理的な話をする人だ」と評価しています.それは彼の公式動画を見ていれば皆が知っていることですが(一方で短絡的で情緒的なところもあることも),関西で生活しながら最近まで知らなかったことが逆に驚きでした.

まとめると,ニュースソースに直接アクセスし,証拠を持ってメディアの情報を検証できるようになった結果,多くの人のオールドメディアに対する見方が根本から変わったのが今回の兵庫県知事選挙とその後の騒動ということになるでしょう.これは維新の県議が辞任しようと斎藤知事が失職しようと変わりはありません.一度深い疑念を持ったものは盲目的に信頼することはないのが人間です.もちろんオールドメディア側も信頼と収益源が失われると困るので,自分たちの見方が正しいのだと,ありとあらゆる手段で印象操作を行ってくるでしょうし,実際にその兆候はすでに見られます.なにせ彼らもボランティアではなく「飯の種」として報道をしていますからね.だからこそ,これからはますますオールドメディアを「一つの営利企業として」盲目的に信頼せず,潜在的なCOIを常に想定し,証拠に基づいてニュースソースを自ら検証していくということが個人のリテラシーとして必要となっていく時代なのです.以前よりも増して情報の受容者として盲目的に信頼しないことが求められていくでしょう.

そして可能であればその結果を検索可能な文字媒体として残していくことも重要です.動画は発信しやすく見やすいのですが,検索として引っかかってこなければオールドメディアのほうが有利なのです.

(2)増山・岸口会見をソースに基づいて検証してみる

1) オールドメディアはどのように報じた?

さてそういう点で増山・岸口会見はどうだったのでしょうか?
オールドメディアの報道事実は概ね以下の通りです.

  • 維新県議3人は立花孝志とコンタクトを取り,情報を伝えたことを認めた

  • 百条委員会のルールに違反することであり,その責任を取る方針であることを明らかにした

  • 増山県議は立花が話したことは必ずしもデマではないとした

では実際に増山岸口会見(ReHac生配信より)はどういったやり取りがあったのでしょうか.まず,上記の3点については概ね正しいことは確認できました.その点でオールドメディアの報道内容に虚偽はありません.

2) オールドメディアが報道しなかった項目とは?

ひとまずリンクを張った動画で40分まで見たものを以下に記録します(今後追記予定)

【岸口県議について】(7:30前後~)
●岸口(百条委員会副委員長)は立花に仲介役として渡した真偽不明文書について,当日初めて見たものであること,黒幕とされる県議自民や県民連合)の氏名について,百条委員会に関わった色んな場面で出てきた噂話と矛盾しない内容であったことを示唆した.
●産経新聞記者と竹内との関係については初耳だった
●県民局長の不倫については噂としては聞いていた
●丸尾の捏造可能な私的アンケートについては当初は知らなかったが,その後12月の百条委員会でそのような事実が明らかになった

【増山県議について】(10:30前後~)
●秘密会の録音データを流出させたのは事実
●片山証言の中で(1)公用PCにクーデター関連文書があること(2)パレード担当課長と知事のパワハラに一切関係がないこと,の2点が公益に資する情報だと思ったので,選挙前に秘密会の録音を流した
●(オールドメディアの)めざましエイトのコメンテータ立岩がパワハラで2人が自殺したとコメントしたことが事実と異なっており,そのことを県民が知るべきだと思った
●一緒に送った備忘録文書(あまり出回ってない?)については立花からほしいと要求が会った
●維新の党にはリハックで話す内容は言わずに出演した
●オールドメディアが偏った報道をする中で,立花はメディアの一つとして捉えていた
●今も県民局長の不同意性交罪について信頼ができる情報源から可能性はあると思っている(25:30前後).複数名の女性との関係とまでは情報を得ている(29:50前後).不同意性交についても情報提供があった一方で,否定するような情報までは得ていない (30:10前後).この件について公益通報すべきかと迷ったことがある(37:00前後)
●立花のデマで竹内がなくなったという因果関係があるとは確信していない
●立花のデマについては訂正されている内容はそのとおりだと思うが,だからといって全ての情報がデマとは判断していない(27:40前後)

【白川県議について】(15:15前後~)
●白川県議が認識していた噂レベルの情報と立花が街頭演説で流していた情報に概ね齟齬はなく,問題はない内容と認識していた
●立花動画で出ていたA4の紙の内容は県議会議員の中で広がっていた内容と同一であった

【その他】

●増山と尾形記者とのやり取りについて.
「悪魔の証明(ないことの証明)ができるのか?」という論点を示していた.また記者たちがオフレコにも関わらずプライベート情報を話そうとした片山副知事を静止する環境のなかで,じゃあ生配信記者会見で逆にどのように複数人不倫の証拠を提示するのかという,オールドメディア記者たちのダブルスタンダードに対して疑問を投げかけていた

今後追記していきます.

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