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石破のほうがどう考えてもおかしい
2馬力選挙は色々な議論があると思いますが,安易に公選法を改正して制限しようとする石破のほうがどう考えてもおかしいのであって,旧来型選挙しか頭にない視野の狭い政治家はそろそろ退場してほしいとすら思います.
まず2馬力選挙についてどうやって定義づけますか?
「特定の他候補者の当選を目的とした」はどうやったら立証できるでしょうか?少なくとも「●●さんに投票してください」といえば,現状でも運動員以外の運動ということで公選法違反となる可能性があるし,立花もそれは今回選挙期間中は明らかには言ってないわけです.
では「●●さんは悪くない」「●●さんはそんな事していない」は2馬力と言えるのでしょうか?確かに●●さんは悪くないかもしれないけど,もっとよい政策の◯◯さんに投票する人は少なくないわけで,最終的に投票先を決めるのは有権者です.実際に立花が「自分には入れないでください」といっても,「真実を暴いた立花が知事になるべきだ」と言って,立花に入れた人が少なからずいたわけで,その主張は政策と同様の一種の政治的主張でしかありません.
今回のように●●さんは2馬力を意図していなかったにも関わらず,勝手に相手が2馬力を仕掛けてきた場合,どうすればいいのでしょうか?相手の選挙運動や政治主張を妨害することは自由妨害にあたります.それ自体が犯罪行為になるため,候補者の●●さんには相手候補を止める手段はありません.最悪,相手候補に2馬力批判を巻き起こすためにわざと2馬力選挙を起こそうとする人だっているかもしれません.●●さんにしてみたら,そんな迷惑な話はないわけです.
落選運動についてはどうでしょうか?現状で落選運動は政治活動として認められていて,活動家の郷原弁護士は法の範囲内で落選運動をしていると公言しています.しかし相手候補が1人しかいなかったり,複数候補がいるとして2人以外は完全な泡沫候補だったとした時,落選運動は2馬力選挙と何ら変わりはないでしょう.落選運動も制限しますか?
選挙管理委員会が選挙期間中に2馬力選挙に対して警告するとしましょう.しかし,本人はこれは「●●さんの当選を意図していない」と言い張って裁判まで争った時,選挙結果を無効とする決定はできるでしょうか?せいぜいできて候補者に何らかの罰を与えることしかできず,連座制のように●●さん当選の選挙無効とすることはできず,石破曰く「どう考えてもおかしい」結果は次の選挙まで続く可能性が高いわけです.
こうやって考えると兵庫県選管が安易に批判した2馬力選挙の制限要求はその定義から,取締の仕方から,規制の効果から何から何までグレーだらけであることに気づきます.当然表現の自由との兼ね合いも問題になります.現行でも「他候補に投票してください」と呼びかけることは違法である以上,「2馬力」は規制されているわけで,さらに法改正して定義が困難なものを規制することに何の意味があるのか甚だ疑問です.
他にもSNS制限とかグレーなものが自民党論点整理には並んでいますが,仮に「偽情報」なるものが,実は外交などに関連する特定秘密情報で政府が真実であっても真実であるとは言えない場合,「偽情報」を流した無実の人を裁けるのでしょうか?激しい政治的対立を伴うような特定秘密事項を巡って外形立証で裁判沙汰にできるのでしょうか?
今回の兵庫県知事選挙についても,一度本当と思われことが嘘だと言われ,しばらくしたらやっぱり本当だったというような情報が次々出てくる中で,そもそも「偽情報」と断定することが可能な情報はあるのでしょうか?
石破を含め自民党はちゃんと反証可能性を踏まえて考えたんですかね?結論ありきで話を進めているようにしか見えません.考えれば考えるほど規制は現実的に難しいことは自明のように思われます.