タフティングで表現された日本画の世界〜南雲伸平 「花鳥敷物展」
こんにちは。
24日からSPACE BANKSIA HARAJUKU で開催されている南雲伸平さんの初個展となる「花鳥敷物展」。麗しき敷物たちに会いに行ってきました。
ギャラリーに入ると、鳥と植物たちが出迎えてくれました。
服飾専門学校に通いながら古着の通販サイトを立ち上げ、独立されたという南雲さん。現在は古着の卸売業を営んでいるそうです。
何気なく見ていたインスタに流れてきた若冲の「鳥獣花木図屏風」。
「えーこれラグなの?なんて素晴らしい感覚(センス)!」と、速攻で取材を申し込みました。
若冲好きはたまらない。私の楽園。(記事「『ひと月限りの、この世の楽園』若冲展〜若冲に酔う②」)
服飾専門学校に行ったのも服を作りたかったから、と南雲さん。閉塞感のあった時期、手を動かして何か作りたい、と思いついたのが敷物だったそうです。
タフティングという手法で作られるラグ。
木枠にタフティング用の布を張って、タフティングガンというマシンで
布に糸を打ち付けていきます。高速で動く1.4kgほどあるタフティングガン…慣れるまで大変そう。でもやりたい!!!!!
細かいところはスピードに持っていかれないようにコントロールするのね。うーむ、これはますますやりたい。やりたい図柄がどんどん浮かぶ!
素晴らしかったのはその色彩と図柄の切り取り。そして妙な抜け感。
リアルで、
でも下手ウマのように絶妙に花器が歪んでいたり。
わざとらしくないこの感じはバランス感覚が優れているからなんだろうな。
鳥も花も生き生きと楽しそうでした。目が優しかった。
インターメディアテクでもデロールでも剥製を見ると思う。作り手の意識が目に宿っているんですよね。それと同じ感覚を覚えました。(記事「パリの麗しき標本屋DEYROLLE ( デロール)/ パリの驚異の部屋②〜パリ旅行記⑶」)
日本画や浮世絵からの切り取り方も素敵ですし、
そしてそれらを自由に組み合わせても美しく楽しい世界が展開される。
感動させてくれたものを「纏いたい」と思っている私が選んだのはこのコ。
だってインターメディアテクにいた、こんな色のコート着たい!と思ってたあのコなのよん。(記事「インターメディアテク開館十周年記念特別展示『極楽鳥』」)
若冲はキチンと6枚のパーツを組み合わせて屏風に。
「鳥獣花木図屏風」が忠実に再現されています。獏も
ハクもちゃんといました。ハクは、馬のような白い体に黒い尾、頭に大きな角が一本ある中国の霊獣。
なぜ日本画?と伺ったら「なんとなく好きなんですよね。作りたかったんですよね」と。
この「なんとなく」ってとても大切。脳であれこれ考える前に湧いてくるものだから。理屈や理由なんてすっ飛ばして魂に従う(=直感)と、その人の特性が最大限に生かされ麗しいものが生まれる。
ということでダイナミックな日本画の敷物。是非この機会に体感してみてください。
SHINPEI NAGUMO「花鳥敷物展」
SPACE BANKSIA HARAJUKU
2.24(fri) – 2.26(sun)
12:00-22:00