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新しい栄養学(2)日本人の腸内フローラ

腸内常在菌は国毎に大きな特徴があることが分かってきました。

日本人には、日本人特有の腸内常在菌がいます。特に、オナカの中で短鎖脂肪酸や、抗酸化作用のある水素を生み出してくれる細菌たちは、他にも有益な栄養を生み出してくれています。下図は、日本人と欧・米・中国等の11カ国外国人の腸内細菌叢のメタゲノム解析(細菌叢の遺伝子解析)を比較*(1)したものです。

日本人の腸内常在菌は、炭水化物に含まれる難消化性食品成分を摂取することで、水素や酢酸など腸内環境の細菌バランス維持やバリア機能などに有益な有機酸を産生しやすい。

日本人には炭水化物が必要

特に、日本人の腸内には、炭水化物代謝機能をもつ常在菌が最も多いことが分かります。小腸で消化吸収されずに大腸まで届いた「難消化性炭水化物成分」。つまり、人間の栄養として摂取されなかった炭水化物の残りの成分を食べる常在菌が多いということです。

11カ国との比較において日本人腸内細菌に優位に多い、または少ない機能

食文化と腸内常在菌とは密接に関係

国毎に、それぞれの長い歴史のある食文化、その国土で収穫される食物と常在菌の構成、常在菌の機能性と関連しているのではないかと、推測されます。
海外で提唱される「健康的な食物」や、「近代になってから食べられ始めた食物」より、「長い歴史のある日本の食文化に根ざした食物」に、日本人と腸内常在菌とが上手く共生できるヒントが隠されていると言えるでしょう。

出典
*(1)“The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness“DNA Research, Volume 23, Issue 2, April 2016,

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