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学校で怒鳴る父親の心理

児童同士のトラブルがあった際、放課後、学校に来て怒鳴る父親がいます。
怒りの矛先は、「相手児童の保護者」です。
それなのに、学級担任に対して怒鳴るのです。
こうした父親の思考と心理を分析してみます。


1)自分が正義ならば、怒鳴ってもよいと考えている。
怒鳴るのは暴力ですから、本当はいくら正しくても怒鳴ってはいけないのです。
ですが、百万歩譲って、「正しかったら怒鳴ってもいい」として、
でも学級担任に怒鳴るのはちがうでしょう。
それなのに怒鳴るのです。
ただ「怒鳴りたい」んですね。
つまり、
2)怒鳴るしか、自分のマイナス感情をおさめる方法を知らない
方なのでしょう。


3)自分と自分の子どもが100%絶対に正しく、今後も自分と自分の子どもが失敗や過ちを犯すことは100%ないと思っている。

そんなことあるわけないのですが、そう信じているのです。
世の中迷惑をかけてお互い様という意識がゼロです。

これは勤務校の傾向ですが、
被害児童の保護者は、「子どもは親がきちんとしつければ、親の思い通りになるし、悪いことは絶対にしない」と盲目的に信じています。自身の子どもはおとなしく従順なタイプな子どもです。
そのため、怒りの矛先が「子どものしつけをきちんとしていない」相手児童の保護者に向くのです。

(ちなみに、「きちんとしつける」ためには、怒鳴る・叩くなどによって、子どもを怖がらせる必要があると信じている方が大半です。)

こうした保護者は「ゼロ・100思考」でメタ認知が乏しく、
自分自身の思い込みを疑ってみることをしません。
担任の話も聴きません。
「子どもは完璧にしつけられる」「子どものいたずらはゼロにできる」と信じて疑いません。


4)自分が学校で怒鳴るという「男らしい」行動をとることによって、
母親(妻)に対し、自分の子育てへの貢献をアピールしている。
これは、本当に「あるある」です 笑。
普段、仕事が忙しいのを理由に子育てにあまり携われていないことに後ろめたさがあるのでしょう。ここぞというときに学校に乗り込んで、「男親らしい行動」をとって奥さんにアピールしているのです。


5)男は女に怒鳴ってもよいと考えている。
学級担任が女性だと、父親は怒鳴りやすいです。
これは、男性の皆さんは認めたくないでしょうが、明らかな傾向です。
社会は男女差別が暗黙の前提となって回っているのです。


そして、これは推測になりますが、
6)実は、父親自身が仕事でストレスがたまっている。
自分が完全に正義の立場に立って、思いっきり鉄拳を振り下ろしたい、という欲求がみてとれます。


* * *

保護者のストレス解消のためのサンドバッグにされる学級担任は、本当に割の合わない仕事だと思います。
全国的に教員不足になるのは、当たり前です。
労働条件が悪すぎますもん。

学級担任個人が「体の力を抜いて」とか、そういう問題ではありません。

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