流流草花

学校心理士。ㅤㅤ いまのところ、小学校教員をしています。

流流草花

学校心理士。ㅤㅤ いまのところ、小学校教員をしています。

最近の記事

「さんすうセット」もう1丁

「さんすうセットは、おはじきでも数え棒でも、ちょっとした隙間時間に使ってたくさん遊ばせればいいのよ。」 と、これまでベテランの先生方に言われてきました。 たしかに、20年くらい前は、それができました。 でも、最近は、できません。 なぜか。 1)1年生に「隙間時間」がない。 昔とくらべて、やんなくちゃいけないことが多すぎて、さんすうセットで遊んでいるひまがない。GIGA端末(タブレットPC)にパスワードを入力するだけで、1年生はものすごい時間がかかる。 2)児童の学力が

    • 「さんすうセット」問題

      みなさんの小学校では、「さんすうセット」はどうしていますか? 入学時に個人で購入していますか? それとも、学校に備品として準備されていますか? わたし自身の体験では、今までの勤務校すべてで、個人で購入してもらっていました。 今年も、来年度のさんすうセットをどうするか、業者とやりとりをして準備する時期になりました。 そして、こう思いました。 さんすうセット、ほぼ1年生でしか使わないのに、3600円は高すぎる! ていうか、今年度の1年生は、モトがとれるほどは授業で使ってない

      • 登校しぶりの子はしっかり休ませるべき?

        「登校をしぶる子は、無理に登校させないで、おうちでしっかり休ませてあげればいいんですよ!」 ある会合で、こんな意見を聞きました。 わたしは、こう答えました。 「たしかに家で休むのが必要な子もいますが、そう簡単な話でもなくて。 勤務校では、自分の家の子供部屋の居心地がよすぎて学校に来たがらない子がかなりいるんです。自分の部屋にいれば、学校のようにタイムスケジュールに追われることもなく、苦手な勉強や苦手な友達と向き合う必要もなく、ママにちやほやされながら、好きなだけYoutub

        • 学校で怒鳴る父親の心理

          児童同士のトラブルがあった際、放課後、学校に来て怒鳴る父親がいます。 怒りの矛先は、「相手児童の保護者」です。 それなのに、学級担任に対して怒鳴るのです。 こうした父親の思考と心理を分析してみます。 1)自分が正義ならば、怒鳴ってもよいと考えている。 怒鳴るのは暴力ですから、本当はいくら正しくても怒鳴ってはいけないのです。 ですが、百万歩譲って、「正しかったら怒鳴ってもいい」として、 でも学級担任に怒鳴るのはちがうでしょう。 それなのに怒鳴るのです。 ただ「怒鳴りたい」んで

          ファミレスで見た小1プロブレムの本質

          先日、ファミレスに行きました。 普段わたしはファミレスに滅多に行かないので、新鮮でした。 ◯イヤルホストというファミレスで、ファミレスとしては「高級」ランクだそうです。 日曜日の昼過ぎで店内は賑わっており、ほとんどが小さい子を含む家族連れ、その大半が「幼児一人・パパ・ママ」または「幼児一人・ママ・パパ・祖父・祖母」でした。 幼児はどの子も、店員さんにチャイルドシートを準備してもらい、一人一つもらえるおもちゃ満載のかごを受け取ってご満悦でした。そしてパパ・ママ・祖父・祖母か

          ファミレスで見た小1プロブレムの本質

          「習熟度別」やるなら国語でしょ!

          (もうずっと前から思っているのですが・・・。) 小学校で「習熟度別学習」を行う教科としては、「算数」が圧倒的大多数だと思います。 でも、子どもの学力差が著しく大きいのは、じつは「国語」です。 すべての教科の学力の根本は国語(とりわけ読解)でしょう。 それなのに、管見のかぎり、国語の授業で2クラスを習熟度別に3つに分けるような授業を行なっている公立小学校はほとんどありません。 算数・数学の学力なんて、中学卒業後は計算機もスマホもあるし、生活していく上でほとんど問題にならな

          「習熟度別」やるなら国語でしょ!

          不登校児童の保護者は「中庸」であれかし

          注:本稿は、勤務校のケースについての個人的感想です。 日本全国の不登校がすべてこうだと申し上げているわけではありません。 *  *  * 最近の不登校のケースで、保護者の受けとめ方のタイプは大きく2つに分かれます。 A)学校には絶対に行くべき。休んでほしくない。 まさかうちの子が学校を休むなんて、信じられない。 B)学校なんて、行っても行かなくてもいい。 本人が行きたいなら行けばいいし、行きたくないなら無理に行かなくてもいい。 Aタイプについて。 全国でこんなにも「

          不登校児童の保護者は「中庸」であれかし

          ふまんがあります

          ふまんがあります。 児童理解・教育相談・不登校支援・特別支援に関する教員向けの研修(講義)の内容についてです。 こうした内容の研修の講師は、ほとんどがカウンセラーなど臨床心理士系の方です。   <特徴> 1)内容の大半が、 ①障害・発達に関する知見  ②UDに関する知見 で、もちろんそれぞれ大切ですが、学級担任にとっては必ずしも実践に結びつかない場合があります。かえって「じゃあどうすればいいの」と、途方にくれてしまう場合もあります。 2)児童個人に対してどう対応するか、と

          ふまんがあります

          提言:「通常級」「普通級」でなく「一般級」と呼ぼう

          今年度の1学期は、自分史上最多回数、保護者面談に同席しました。 勤務校の特徴かもしれないのですが、大半が、いわゆる「適正就学」の問題がネックの面談でした。保護者が子どもの「支援級」への転級を望まないのです。そして、保護者が子どもの実態を受容できていないというよりは、「通常級」「普通級」へのこだわりを払拭できない、という家庭がほとんどでした。「通常級」で「みんなについていけるように」、放課後デイサービスやオンラインの塾を利用して子どもに宿題以外にも勉強をさせ、家庭でも「おうち学

          提言:「通常級」「普通級」でなく「一般級」と呼ぼう

          都政へのニーズ

          代休で都内(迎賓館赤坂離宮の見学)に出かけたんですけど、観光客だけでなく、観光客っぽくない「有閑マダム」っぽい人々が思いのほかたくさんいたので驚いた。月曜の真っ昼間に、こんなに優雅にすごしている人がたくさんいるんですね・・・。 ㅤㅤ 15時を過ぎると、学習院の初等部が下校時間になったようで、大量のアノ制服のお子様たちが賑やかに、ど〜〜っと四谷駅に向かって歩いていった。その波から外れてくるわが子を迎える、紺ワンピまたは紺セットアップ(制服なのか?)のママ。かいがいしく、保冷

          都政へのニーズ

          子どもにクーラー不要論

          昨日は、クーラーのない体育館、室温30度で、1時間半にわたって救命救急講習を受講しました。水筒がからっぽになり、まじでつらかったです。汗 以前は、クーラーなんてぜいたくな!と思っていました。 自宅では、夜6時以降になるまでクーラーはつけないという家訓?がありました。 当時はそれでもなんとか凌げたのですが、最近の猛暑では、クーラーなしではやっていけません。 今朝、目覚めると、すでに室温26.8度です。 すぐにクーラーをつけてしまいました・・・。 他方で、 勤務校の子ど

          子どもにクーラー不要論

          成功の決め手は、実は「親」ー『生きのびるための事務』感想

          この本(漫画)を読んで、進路に迷う若者が 「しがない僕も、事務=お金管理とスケジュール管理をしっかりやれば、夢がかなうかも!」 と期待してしまうことでしょう。 しかし、残念ながら、ほとんどの若者は、そううまくはいかないと思います。 主人公が成功したのは、事務=お金管理とスケジュール管理のおかげ、というのが主たる理由ではありません。 主たる理由は 1「本人がハイスペック」 2「親が金持ち」 この2つです。 1「本人がハイスペック」 1)なんと言っても、「やりたい」とい

          成功の決め手は、実は「親」ー『生きのびるための事務』感想

          どいつもこいつも「ママ」が足りてない

          勤務校の問題児、どいつもこいつも「ママ」が足りてない。 勤務校だけじゃないと思うけど、不登校の子はほぼ全員「母子分離不安」。 これだけの少子化、これだけ便利快適な飽食の時代にあって、なぜ子どもは「母親」「母性」が足りてないのか。 仮説その1。 ママ本人の「ママ度」が足りてない。 仮説その2。 ママが、子ども本人が構えているキャッチャーミットにめがけて投げてない。 ストライクゾーンから外れた、てんでばらばらな方向に投げている。 子どもたち本人を「愛着障がい」って診断名・

          どいつもこいつも「ママ」が足りてない

          1年生のトラブル対応

          男子トイレでトラブルがあり。 その場を目撃したという児童が一人だけいて、隣のクラスの男児〇〇くんが疑わしいことがわかりました。 担任のA先生が尋ねたが、「やってないって強く否定するんです」とのこと。 そこで、〇〇くんと目撃した児童の二人を呼んで、A先生と一緒に話を聞きました。 <中略> ・・・というわけで、最終的に〇〇くんは自分がやったことを認めてくれました。 わたしは、「〇〇くん、本当のことを教えてくれて、ありがとう!きみは、正直で、りっぱだね。ありがとう!」と

          1年生のトラブル対応

          「泣く子ども」にどう対応するか(2)

          あとで、SSSの先生と学年の先生方とお話をしました。 うちのクラスでは、子どもが失敗して泣いたとき、こんなふうにします。 ・「泣きたい気持ち」は否定しない。  給食をひっくり返しちゃったら、そりゃショックですもの。泣いていいです。  悲しいときにちゃんと泣けるのは大事です。  特に子どもにとっては、泣くのは生きるエネルギーの現れだから。 ・ただ、「泣けば大人がなんとかしてくれる」という間違った学習はさせたくない。「泣いて伝える」という方法は、受け取らない。 とい

          「泣く子ども」にどう対応するか(2)

          「泣く子ども」にどう対応するか(1)

          1年生。 毎日、まだまだ、「びぇ〜〜ん!!」と赤ちゃんみたいに泣く子がいます(汗)。 先週のことです。 給食のメニューは、運動会前日でしたので「カツ(勝つ)カレー」でした。子どもたちはおなかがぺこぺこで、みんなわくわくしていました。ところが、配膳中に、〇〇くんが自分の給食をおぼんごとひっくり返してしまいました。 わたし自身は盛り付けの作業中だったので、けががないことを目視したうえで、盛り付けを続けながら、その子がどうするかな〜と見ていました。すると、〇〇くんは1分間ほどち

          「泣く子ども」にどう対応するか(1)