言葉の記憶

場所が物事を記憶すると言う人もいるが、私は事はそれ自体も自然に語り出す力を持っていると思う。
各地の方言、独特の言い回し、そして大切なあの人が笑顔とともに口にした言葉たち。
古代日本人は、言葉それ時代に魂があると信じ、そこから言霊と言う言葉が生まれた。
言葉は時に、力を持ち、人々の間をものすごいスピードで動き、そして私たちを激しく突き動かす。
ときには、何気ないたったひとことの言葉が私たちに希望を与え、枯れかかったかかった心に再び命を与える。
言葉はコトノハ。若葉のように一斉に飛び出し、一陣の迷いもなく勢いよく伸びていく。上へ上へと。前へ前へと。
願わくば、私のこの言葉が、過去に発した言葉や、これから発する言葉が、誰かの記憶に残り、翼をつけてどこまでも果てしなく飛んでいくことを、祈らずにはいられない。

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三条(菊川)露路
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