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【ワイン備忘録】SYN ROUGE スパークリング(南オーストラリア州)

今週は
南オーストラリアのワイナリー【リチャードハミルトンワイングループ】の【シン ルージュ スパークリング】をいただきました

どことなくフルボディ感が漂うラベルですが
こちらはフルボディの赤ではなく、赤のスパークリングワインです

普段私は白かロゼのスパークリングを飲んでおり
赤のスパークリングを飲むのは今回が初めてでした

全く味の想像ができなくて面白かったです

注ぐのに失敗してちょっと泡だった赤ワインにしか見えない

スパークリングだから軽めの口当たりなのかなと思いましたがそんなことはなく
飲んだ直後は重めの辛口後味はブドウの甘味が強いという
私の好きなタイプの味でした

後に残ったブドウの甘味が、炭酸によって良い具合に緩和されたのがさらに良かったです
一緒に飲んだ母がおつまみとして選んでくれたモッツァレラチーズとの相性もバッチリでした


さてここからは

「シン ルージュ」の生産者(リチャードハミルトンワイングループ)と生産地(南オーストラリア・クナワラ)について理解を深めていこうと思います

生産者:リチャードハミルトンワイングループ

ワイナリーの創設者であるリチャード・ハミルトンは
1837年にイギリスから移住し、南オーストラリア州にワイナリーを設立しました。

1830年代のイギリスといえば
世界の工場」と呼ばれ、大量生産した工業製品を世界各地に輸出し
各地の物産を購入することで、世界全体をイギリス中心の経済システムに組み込むという世界の覇権を握っていた全盛期の時代。

リチャードハミルトンが移住した当時の南オーストラリアも
イギリスの経済システムに組み込まれた植民地のひとつでした。

リチャードもそんなイギリス本土の工業化の波に乗り
大量生産と流通を目的としたワイナリー経営をするかと思いきや
彼が行なったのは、馬や斧を用いた手作業での葡萄畑作り

あえて工業化をせず手作業にこだわったのか
工業化できない理由があり、手作業を選ばざるを得なかったのか
真相がどちらなのかはわかりませんが

息子のヘンリーによって畑が拡大され
孫のフランクによって辛口白ワインの生産が開始され

フランクの息子シドニーによって
葡萄の早積みや、オーク・タンクでの発酵、低温発酵技術が取り入れられ
オーストラリアワインの基礎を築かれるなど
しっかりとした経営の土台ができ、発展に舵を切り始めた状況であっても

フランクの四男であるバートンは
剪定から収穫まで手作業にこだわることでワイナリーの地位を確固たるものにするなど
「手作業」に対する情熱が感じられます

このことから
選ばざるを得なかったのではなく
あえて手作業を選んだんじゃないかな、と思いました


ハミルトン家のワイナリーはその後

バートンの息子リチャードが
同じ南オーストラリアに位置するマクラーレン・ベール地区に小さなワイナリーをつくり、1970年代に数々の受賞ワインを製造

1974年には
シドニーがクラシックなカベルネ・ソーヴィニヨンを造るべく
南オーストラリア・クナワラ地区に独自でレコンフィールドというワイナリーを設立

このレコンフィールドは
1981年に直系5代目の子孫であるリチャードが買収し
レコンフィールド&リチャード・ハミルトン・ワインズとなり現在に至ります

「手作業」にこだわり数世代にわたって発展し続け
気候変動による環境変化の激しい現在も進化を続け、ワイン産業で確固たる地位を築いているハミルトン家のワイナリー。

なんとも情報量が多く整理するのが大変ではありますが
ドキュメンタリー的な面白さがあり、想像力が刺激されるワイナリーという印象を受けました


生産地:クナワラ

今回飲んだシン ルージュは
ハミルトン家のワイン生産地であるマクラーレン・ヴェイル地区クナワラ地区のうち、クナワラ地区で生産されたものです

赤い印の場所がクナワラ地区
ワイナリーがいっぱいありました

使われている葡萄の品種は【シラーズ
クナワラ地区はオーストラリアで最も洗練された赤ワインを生み出す産地として知られており

ワイン用の葡萄栽培には理想的とされている冷涼な気候石灰岩を下地とした豊かな赤土を持っているそうです

なんて、いかにも知っている風に書いてしまいましたが
正直土壌や気候の違いによる味の変化に目を向けたことがないのでなんとも言えません。

とはいえ、土壌・気温・日照などの自然条件もワインの味を決める重要な要素とされているので
これを機に、土地の気候や自然条件にも少しずつ目を向けていこうと思います


なにはともあれ、最高の赤ワインスパークリング初体験でした
今後も飲んだワインを記録に残していこうと思います

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