#270 うつ病発症190日目・発症後415日目 ~恨みの感情が回復の邪魔になる~
昨日,この動画を懐かしくて見ていました。
この動画に出ている本人が,最近,同じ曲を同じ振り付けで踊ってみた動画をYouTubeやニコ動にアップしていて,元の動画も見てみようと思い,見てみました。
久しぶりに見てみると,画質も荒く,マスクもしているし,最近のYouTube動画群に比べたら非常にクオリティは低いです。
今思うと,ニコ動は,コメント機能で一体感を醸し出すところに,いちばんのセールスポイントがあったのかもしれません。動画自体のクオリティを,一体感でカバーするという,ニコ動にしか生み出せない空気感が,ニコ動流行の源だったのかもしれません。
でも,今現在流行しているYouTubeには,コメントによる一体感はありません。動画にコメントをかぶせることはできず,コメント欄が別途設けられ,その結果,コメントに頼ることなく,動画自体のクオリティが求められるようになっています。
そして,現在は,多くの芸能人がYouTubeに参戦してきて,YouTubeに携わる人材や機材が飛躍的に向上しています。こんな質の高い動画を毎日見ていたら,かつて「バズった」ニコ動の動画であっても,そのクオリティの低さは目も当てられません。
僕は,平成2年生まれで,2009年~2012年にかけて大学生活を送っており,まごうことなきニコ動世代です。この頃は,YouTubeなんて目もくれていませんでした。ニコ動が動画共有サイトでトップだった時代が,間違いなくありました。
でも,今は違います。シンプルに動画のクオリティが求められていて,動画のクオリティ向上のためにお金を投下することが求められています。
↑の動画のような撮影機材と照明機材では,誰も見てくれないでしょう。2009年当時にニコ動でめちゃくちゃバズった動画でも,今の時代に出されたら,クオリティが低すぎて,サムネイルの時点で誰も再生してくれないかもしれません(笑)。
このように,動画による発信は,現在,かなりのクオリティの高さが求められるようになっています。その結果,そもそも,撮影機材や編集技術によって,大学受験でいうところの「足切り」が起きていると思います。
撮影機材や編集技術が,ある一定以上に達していないと,1秒も見てくれないということです。
これに対し,文章による発信は,見た目のクオリティが求められることは,動画ほど極端じゃないと思います。見た目で「足切り」になることはあんまりありません。
もちろん,目次をつけたり,画像を貼り付けたりと,読みやすい工夫をしたりすればキリがありませんが,とはいえ,少なくとも文章を閲覧されている方は「読もう」と思ってくださっているわけですから,何よりもいちばん大事なのは内容です。
だから,スラスラと読める内容となっていることがいちばん大事で,動画のような技術的な観点からの「足きり」度合いはかなり低い。
動画での発信がどんどんレッドオーシャンとなっている現状において,文章での発信は,ぱっと見でクオリティに差が出にくい点で,勝負を仕掛けやすいのかなあと思います。
さて,前置きはこれくらいにして,今日も,スマホのGPS記録をもとに,うつ病の経過を記録していきます。(第1回目はこちら。第2回目も大事なのでこちらからどうぞ)
【過去のこと・思い出したこと(発症190日目)】
こちらでこれまでの経緯を結構きれいにまとめられたと思っているので,ご覧くださるとうれしいです。
さて,昨日からの続きです。
・1月15日㈯:この日で,うつ病発症から190日目,実家療養を終えて一人暮らしを再スタートさせてからは111日目です(2019年9月27日~)。一人暮らし再スタートから111日が経過し,ひとりでの暮らしにもだいぶ慣れてきています。2019年11月7日から「午前中の散歩」を始めていて,これがうつ病の回復を大きく後押ししています。(こちら)
そして,2019年12月3日から毎日ブログを始めています。(こちら)
この日(2020年1月15日)で,ブログを始めて44日目ということになります。この日のブログはこちら
さて,この日の「SleepCycle」を見ると(「SleepCycle」についてはこちら),午前1時5分に布団に入り,前日とは異なり,すぐに寝つけています。何度も繰り返してきた,調子悪い→調子良いのループです。
就寝時刻が遅めですが,朝は7時21分に目が覚めています。睡眠時間は6時間ほどで短いです。とはいえ,睡眠点数は71点/100点で,まずまずです。しかし,その後8時30分頃まで二度寝しているようで,結果的に結構眠れています(笑)。
「眠れてない!」なんて思っているのは自分だけで,実は結構眠れているという事態は,「あるある」です。この「眠れてない!」という感情は,本当に勘弁してほしいです(;^_^A。最近は自分で自制して「眠れてない!」「寝つけない!」という感情を抑えられるようになりましたが,抑えられるようになったのは,回復したからでしょうね。
「眠れてない!」「寝つけない!」という不安・恐怖が浮かんでくるのを自制できるかどうかは,やっぱり回復度合いに左右されると思います。回復がまだ進んでいない段階で,不安・恐怖が浮かんでくるのを,「自制できないせいだ」なんて指摘するのは非常に残酷です。
自分で自分のことを制御することができるほど,元気がないのです。疲れ果ててしまったせいで,浮かんでくる不安や恐怖に対抗するすべがなく,なすがままに任せるしかない。これは本当につらく,苦しいです。
お願いだから,「自分のせい」「自分で制御できていないせい」だなんて,今この瞬間に苦しんでいるうつ病患者さんは思わないでください。うつ病患者の周りの方も,「自分のせいだ」「自分で制御できていなせいだ」と,患者さんに思わせないでください。
確かに,うつ病を発症したのは患者自身にいちばんの責任があります。僕はそう思っています。自分が原因で発症したと思えるからこそ,「自分で治せる」と決意することができ,最終的な回復に達することができると思います。
そもそも,精神疾患を発症するきっかけとなる出来事が,患者さんそれぞれにあったはずで,自分以外に主たる原因がある場合もたくさんあるでしょう。
とはいえ,精神疾患は自分で治すしかないのです。誰かのせいにして,いつまでも恨んでいたとしても,そこから回復することはない。
もちろん,「自分で治す」「自分に原因があった」と思ったとしても,精神疾患に追い込んだ加害者本人の責任がなくなるわけじゃありません。「自分に原因があった」「自分で治す」と患者さんが思い,恨みの感情から解き放たれたからといって,精神疾患を引き起こした加害者に対する法的責任がなくなるわけじゃない。法的に,精神疾患を引き起こしたと認められるのであれば,損害賠償を請求し,なおかつ刑事告訴までやって,思いっきり懲らしめていい。
ただ,懲らしめたところで,自分の精神疾患が治るかはわからないし,多くの場合は治らない。うつ病体験を通じて,僕は,「恨み」という感情が,精神疾患を治療する上で大きな障害になると思うようになりました。
法的責任はきちんと請求する。お金は払ってもらうし,刑事告訴だってやってやる。
ただ,いちばん大事なのは,自分が精神疾患を心から克服することです。
加害者を許し,恨みの感情を捨て去ることは,加害者への法的責任を諦めることではありません。適切に法的責任をとってもらう必要があるのは当たり前です。
でも,自分が精神疾患を患ったという事実は変わらない。この過去は絶対に変わらない。
「あいつさえいなければ・・・!」という気持ちは痛いほどわかる。でも,「あいつ」は存在してしまったし,自分に危害を加えてしまった。そのせいで,かけがえのないこの自分自身が大きく傷つけられてしまった。
この現実を直視するのは本当につらい。苦しい。僕もまだ直視できていません。「かけがえのない,こんなかわいい自分が,あんな外道に大きく傷つけられてしまった」というのは,認めたくない(涙)。思いっきり殴りつけてやりたい。殺してやりたい。痛めつけてやりたい。人を傷つけ,その結果被害者から恨まれたらどんな目に遭うか,「痛み」でわからせてやりたい。
こんな気持ちが出てきます。
こういった「恨み」の気持ちが,本当に邪魔なんです。
合理的に考えれば,変えられない過去を見るよりも,変えられる未来を見据えて,回復を進めていった方がいい。自分は自分で精神疾患から回復して,その後,法的責任を追及したいなら,追及すりゃいい。訴訟を提起して,刑事告訴すりゃいい。それが合理的なんです。
でも,こういった合理的行動がとれない。どうしても拭えない「恨み」の気持ちが,こういった合理的な行動を邪魔してくるんです。
たぶん,この「恨み」の気持ちは,遺伝子にインプットされています。不可避的に浮かんでくる「感情」は,だいたいの場合,遺伝子にインプットされていて,この長い人類の進化の過程で生き残るために必要だった要素です。
自分を傷つけた相手に恨みの感情を持てば,その相手を排除しよう(殺そう)と思い立ち,その相手を実際に殺せば,自分は安寧に暮らすことができて,自分の子孫を残すのに役立ちます。
この「恨み」の感情は,「好き」という気持ちの裏側ですよね。「自分を好き」と思うからこそ,自分が傷つけられたときに「恨み」の感情が出てきてしまうわけです。「自分を好き」という気持ちも,進化の過程で必須です。自分をないがしろにして命をすぐに投げ出してしまう人は生き残れなかったでしょうから。
恨みの感情とどう折り合いをつけるか。これは本当に難しい。
僕の場合は,相手,そして自分の行動を分析してみることが,役に立ったような気がします。
僕は上司を恨んでいましたが,上司視点にたってみて,行動を分析してみたんです。
高度成長期に子供時代を過ごし,お金や物質的な豊かさが幸せのカタチだった時代をずっと過ごし,自分が責任を回避することでのし上がるという,この日本の時代を何十年も生きてきて,次はだれが責任を負うのか,毎日ビビりまくっている。
そんな上司がいるところに,僕みたいなビビりが入ってきたわけで,そりゃ,使い勝手が良かったでしょう。僕は仕事もできましたからね(笑)。
こんなことを考えていると,「恨み」という感情はなくなっていきます。知識を得て,歴史に基づいて,相手の人格形成の経緯を紐解いていくと,何も特別なことはなく,どこにでもいるような「日本人像」が浮かび上がってきます。
やはり,知識は強さです。知識を得ると,視野がぐっと広がります。同じ世界を見ても,見え方が変わってくる。知識というのは,自分自身を強くしてくれます。
さてさて,かなりまどろっこしくなりましたが,まとめると,「知識を得て強くなって恨みから解放されよう!」です(笑)。
法的責任の追及は,僕ら弁護士に任せてください(笑)。最高裁だろうが,どこまでもやってやります。最高裁も最高検も,弁護士は全然こわくありません。弁護士は,どちらの人たちとも同じ試験に合格していますからね(笑)。上も下もありません。対等です。
でも,精神疾患を治せるのは,患者さんだけです。精神科医やカウンセラーは手助けしかできません。知識を得て恨みから解脱(げだつ)し,「自分に原因があった」「だから自分で治せる」と思って,さっさと治しちゃいましょう。
ま,治っても焦る必要はありません。治ったまま,休んでいりゃいいんです。
僕も!
まだ!
全然!
治っていませんから!
もう少し!
ゆっくりします!
さて,この日の話ですが,朝は9時33分から散歩に出かけ,9時51分に自宅に戻り,午後1時8分から4.9㎞も離れたラーメン屋へ行ってランチを食べ,午後2時26分に帰宅し,夜は近くの中華料理屋へ食べに行き,その後,2㎞だけウォーキングしています。活動量も多く調子良さそうです。
→今日はここまで
【今日経験したこと・経験して考えたこと(発症415日目)】
・今日できた仕事・勉強
今日は出勤しました。午前9時~午後6時(定時)まで滞在予定です。今日は,昨日から読んでいる『ハル回顧録』を読んでいました。
「ハル」とは,対米開戦のきっかけとなった「ハルノート」を日本政府に突き付けた当時のアメリカ国務長官の名前ですが,今日ちょうど「ハルノート」を突き付けるシーンを読みました。しかし,全然「突き付けた」という感じには書かれておらず,「軍国主義の権化」的な日本が,冷静な外交交渉をしてくず,一方的に交渉を破棄して開戦に突き進んだという感じで書かれています。しかし,僕の理解では,ドイツが対ソ戦を開始したことで潮目が変わり,アメリカが日本に対して強硬になったはずです。
「中国大陸から全面撤退せよ」という内容のハルノートを「冷静な外交」と評価するのはちょっと違いますよね(笑)。まあ,真珠湾攻撃前に最後通告がなかったことは日本側の完全なミスで,それは非難を免れませんが(とはいえ,真珠湾攻撃は完全にアメリカに傍受されていましたが),到底日本が受け入れられない内容で交渉を打ち切ったのはアメリカ側です。それを棚に上げて(しかも,ハルノートを起草したホワイトがソ連のスパイだということにも気づかないまま),日本側が一方的に悪いと断じるのは,納得できません。
この本は,ハル本人が著者であることもあり,自身の外交を正当化しようとしている箇所が至る所に見受けられます。「平和」という美辞麗句を多用していますが,「平和」と言いながら,「枢軸国指導者の絞首刑」をハル本人が強硬に提案していますが,これは矛盾しているでしょう。
この本でも如実に表れているように,過去の戦争は,必ず「戦勝国の」正義で語られてしまいます。そのフィルターを適切に除去しないと,戦争の真相は見えてきません。
ハル本人が,民主党の開戦論者で,対日開戦に向かって外交していたことは否定できないでしょうね。ハルノートの内容が全然出てきませんが,それはきっと,ハルノートの内容が,「平和を愛する」ハルにとって不都合なものだったからでしょう。
・仕事・勉強以外に今日やったこと
特にありません!
【今日のうつ病】
昨晩は午後11時19分に布団に入りました。昨晩も,一昨日に引き続き寝つきが悪かったのですが,首にマッサージ機を当てて耳栓したら午前0時30分頃までには寝つけました。朝は8時3分に目を覚ますまでぐっすり眠れました。一昨日に引き続き,寝つきが悪い日もぐっすり眠れるようになったのは,本当に喜ばしいです。調子も良いです。
今日もブログ書けてよかった!
それではまた明日!
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※うつ病への負担を考慮し、「書き始めてから1時間くらいでアップする」という制限時間を設けています。
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