#319 残酷な世界で夢や希望を抱く
最初に少し身も蓋もない話をします。
現代社会は「知識社会」です。知っているか知らないか,知識があるかどうか,ということが貧富の格差に直結します。
「知識のないおれたちも助けてくれ」と言うのはいいですが,「知識社会」という大きな壁が立ちはだかります。生活保護を受給しようとしても,申請書を書いたり,内容も理解できないようでは,申請が通りません。
そもそも,「権利」や「お金」という概念を理解しなきゃいけないのも「知識社会」の「壁」の1つです。こういった抽象的な概念を理解できない人をシャットアウトしてしまうのが,知識社会です。
だから,この社会は残酷なんです。知識社会はめちゃくちゃに残酷です。
知っているか知らないか,知る能力が高いか低いか,理解できるかどうか。そんなことで,社会での地位や生活が変わってきます。
そして,残酷さを何よりも際立たせるのは,こういった知識社会に必要とされる能力の高低が遺伝に左右されることです。つまり,遺伝によって,社会で活躍できるかどうかが決まってくるわけです。
ただ,このことは知識社会に限った話ではありません。これまでの人類の歴史の中でも,社会の状況に応じて,必要とされる能力は変化し,そして,その能力の高い・低いは遺伝に左右されていたのです。
例えば,筋力や持久力が必要とされ,筋力と持久力のある人が羨望のまなざしをうけていた時代もあったでしょう。
筋力や持久力に遺伝が影響するのは,誰しも認めるところですから,この時代は,遺伝によって社会で活躍できるかどうかが左右されていました。
他にも,視力が良い人が重用される時代もあったでしょう。遠くの獲物をいち早く見つけることができれば,食料を確保するのに役立ちますから。そして,視力の良い・悪いも,当然遺伝に左右されますから,この時代もやはり,遺伝によって社会で活躍できるかどうかが左右されていたことになります。
こういった,筋力や持久力,そして,視力が重視された時代は,僕みたいに,視力が悪く,筋力も持久力もない人は,自分が社会で活躍できず,無価値であるという現実に耐えるしかありませんでした。多数派に迎合し,なんとかメスを見つけ,子孫を残してきたのです。
でも,今は知識社会です。僕は,遺伝によって,たまたま知識を身につける能力や理解力が高かったので,他の人よりも(少しだけ)優位に立つことができ,弁護士という,社会的に価値があるとされる職業にまで登り詰めることができました。
もちろん努力もしましたが,それは,遺伝的に優位だったからこそです。遺伝的に優位でもないのに努力を続けることができるほど,僕はまじめで強い人間ではありません。
こんな感じで,この世界はめちゃくちゃに残酷です。
すべて「知識社会」のせいです。知っているか知らないか,物事を理解する能力があるかどうか。そんなことで,立場が変わり,優劣が決まってしまうんです。
そして,こういった知識社会で優位に立つために必要な能力は,筋力や持久力,視力と同じように,大きく遺伝に左右されます。これは,「行動遺伝学」という学問が長年の研究で導いた,科学的な結論です。
このことから何が言えるかというと,「やればできる」が科学的に間違っていることです。
でも,「やればできる」が間違っていることは,この知識社会ではタブーになっています。なぜなら,「やればできる」が正しくないと,この残酷な知識社会で成功していることが正当化されないからです。
「やればできる」が正しくないと,「自分は努力したから成功した」と言えなくなってしまうんです。自分の成功が「遺伝のおかげ」なんて誰も思いたくありません。
それと,成功者が成功していない人に対して,「あなたが成功したのは努力していないからよ」「あなたも努力すれば僕と同じように成功できる」「だから,僕とあなたは平等で,憎んだり恨んだりするのはおかしい」という論法が使えなくなってしまうのも不都合なんです。
だから,この知識社会では,成功が「遺伝」が大きく影響を与えているという真実は非常に都合が悪いのです。自分の成功が「遺伝」という偶然に左右されてしまうという「不都合な真実」は,タブーにしたほうが手っ取り早い。
知識が貧富の格差,社会での優劣に直結する社会では,知識の格差は「遺伝」じゃなくて「努力」がもたらさなきゃいけないのです。
でも,知識格差は遺伝のせいなんです。これは,科学的な真実です。
だから,僕は「やればできる」を否定したい。「やってもできない」を正面から認めることが,この残酷な世界では絶対に必要だと僕は思っています。
なぜなら,世界の残酷さに気づかず,「やればできる」の幻想を信じ続け,苦しみ続ける人を見たくないからです。
「やってもできない」し,「世界は残酷」なんです。その世界で,何に希望を持ち,何を楽しみに生きるか。何に喜びを感じるか。それを考える方向にシフトしたほうがいい。
知識格差が貧富の格差に直結し,なおかつ,敗者がいるからこそ勝者が生まれる(#全員が成功するのはあり得ない)という残酷な世界を,残酷であることを前提に生きていたいと思うのです。
こんなことを書くと,夢も希望もないと思われかねません。でも,残酷であることを知らずに夢や希望を抱き,「やればできる」という信念を盲目的に信じ続けて身を亡ぼすよりも,残酷であることを知った上で夢や希望を抱き,「やってもできない」ことがあることを踏まえ,夢や希望を追い求める(納得できるまで努力して,「やってもできない」にぶち当たったら,はらりと夢や希望を変える)ほうがいいと思っています。
「やってもできない」という残酷さを認めたうえで,じゃあ,僕がどんな夢や希望を抱いているか。
「夢や希望」って,ただでさえ今の日本社会では抱きにくくなっていますが,そんななか,さらに「世界は残酷だ」という真実を知ってしまった僕が,どうやって夢や希望を抱いているのか。
今の僕の希望は,うつ病の回復ですね。
去年の今頃は,文字通り「地獄の日々」を送っていたわけですが(寝つきが悪くて一歩も外出できない日があったり,眠ろうとすると身体が熱を持つので夏のパジャマで冬も寝ていたり,眠れないまま夜中の2時にベッドから起きあがり「この苦しみから逃れるために自殺するのも理解できる」と思ったり),1年かけて,毎日出勤練習できるまで回復が進みました。
どうやら,どん底まで落ちると,回復する自分に夢や希望を抱けるようになるらしいです。僕が経験した「どん底」なんて,それほど大きな「どん底」ではなかったかもしれませんが,少なくとも苦しかったのは間違いありません。
どん底から這い上がり,夢中で這い上がっている際は結果が出ていることに気づかなかったものの,後で過去を振り返ると,他でもない自分が結果を積み上げてきたことに気づく瞬間があります。
そんな「気づき」が,夢や希望になるらしいです。
まあ,僕の場合,そんなに大きな夢でも希望でもありません。「回復の兆し」と表現したほうがいいのかもしれません。
しかしながら,「夢や希望」と(曲がりなりにも)思う対象が,うつ病のおかげで作れました。
この点は,うつ病に感謝してます。
でも,もう少し苦しみは減らしてほしいなぁ( ^ω^)・・・
【今日のうつ病】(うつ病経過まとめ:こちら)
今日までに経過した期間↓
・うつ病発症(2019年7月10日~):464日(1年3か月と6日)
・実家療養後の1人暮らし(2019年9月27日~):385日(1年と19日)
・午前中の散歩(2019年11月7日~):344日(11か月と9日)
・毎日ブログ(2019年12月3日~):318日(10か月と13日)
・出勤練習(2020年3月30日~):200日(6か月と16日)
今日で,出勤練習を始めて6か月と16日目になります。新型コロナウイルスの影響で,4月13日~5月11日までの約1か月間,一時中断されていましたが,それを差し引いても,5か月以上出勤練習を積み重ねてきました。
今日は出勤し,午前9時~午後6時(定時)まで滞在予定です。
そんな今日の「SleepCycle」を見ると(睡眠記録アプリ「SleepCycle」についてはこちら),昨晩は午後11時29分に布団に入りました。一昨日の晩は寝つきが悪かったですが,昨晩はすぐに寝つけました。早朝に目が覚めたような気がしますが,いつの間にか再び眠っていて,朝7時35分のアラームで目を覚ましました。睡眠時間は約8時間,SleepCycle独自の睡眠品質も82%/100%と良好です。
(なお,僕のうつ病は,主な症状が不眠(①寝つきが悪い②中途覚醒③朝早く目が覚めてしまい二度寝もできない)で,この不眠症状の有無が,その日の調子の良し悪しや,回復の進み具合を左右します。そのため,毎日の睡眠時間や睡眠の質について,睡眠記録アプリ「SleepCycle」に記録されているデータをもとに逐一書き出すことにしています。)
今朝は,アラームで目を覚ました後もめちゃくちゃ眠かったです。最近ちょくちょく,アラームが鳴る前に自然と目が覚めていましたが,どうやら,きちんと良好な睡眠がとれていれば,8時間睡眠でも足りていないようです(#あくまで僕の場合)。きちんと疲労の回復させる(前日の疲労をひと晩の睡眠で全部きれいさっぱり回復させる)には,ぐっすり9時間は眠る必要がある気がします。
でも,9時間も睡眠にあててしまうと,人生の時間が減りすぎてしまうのでイヤなんですよねぇ(笑)。
平日は8時間の睡眠時間を確保して,休日に昼寝の時間を確保することで帳尻を合わせようと思います。
まあ,今のところ休息が追いついているようで,出勤練習は順調です。
今日もブログ書けてよかった!
それではまた明日!→こちら
昨日のブログ→こちら
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