枠をとりはらえ!
先の投稿記事で、人は狭い枠を作って自分を囲い込み、「自」と「他」を分断することにより、バランスを崩している話をしました。
ルードゥス アカデミーの日頃の授業の中では、このすべての「枠」を取り払って、極少人数(2名から5名まで)のクラス編成を徹底しています。
クラスで枠をとりはらうとは。。。。?
学年の枠を取り払って、
学力の枠を取り払って、
そうして、自らの枠をとりはらって!
生徒たちは刺激的な学びをしています。
『関りとつながり』の中で
狭い集団に分断され、統一されている環境に慣れている子どもたちにとってこの枠無しの環境は、はじめのうちは面食らうようです。無理ないことですが、、
この環境下で、塾生たちは講師の誘導により、時には
先輩に教えてもらったり、後輩にアドバイスしたり、
必要ならば、みんなで討論してみたり、
協力して問題を解いたりと、
お互いに学び合い、刺激をしあっています。
足場つくり
人は、人間関係によって自分をより深く認知していきます。子どもや青少年にとっては、教師や他の子どもとのやりとりが知識の増進に非常に大きな影響を持ちます。 これは、ロシアの心理学者の父である、レフ・ヴィゴツキーも説いています。
クラスの中で、講師や他の生徒たちから支えとなるような知識や刺激を得ることで、自分だけでは到達できなかった新しい概念や知識や技能に手が届くようになります。
これを 『足場つくり』といいます。
足場を得て、一つ上のレベルに自力で到達すると、大きな達成感を経験していきます。それが自分自身の自信につながり、『もっとやりたい!』という欲求が出てくるようになります。
こうなったらしめたもの。
大学受験クラス
大学受験クラスになると、学年の枠は取り払えませんが、基本は変わりません。
3人ほどのクラス編成の中で、東大を目指すような進学校トップクラスの生徒と、偏差値なるものと進学率が低めの高校に通う生徒を同じクラスにします。そしておのおのの生徒に合わせた、受験問題のタイムテーブルを作成していきます。
Aくんは、論説的な長文読解が苦手なので、時間配分を少し多めにして集中力が働く、一番最初に解答する。
Bさんは、文法問題が得意なので、まずそれを短めの時間配分で解いてしまい、最後にじっくりと長文を読んでいく。
などなど、各生徒が自分の計画したタイムテーブルに従って過去問題で練習していきます。
その過程で、間違えた箇所は、じっくりと分析します。
なぜ、間違えたのか?
単純にわからなかったのか、 時間が足りなかったのか?
仮に時間が足りなかったとしたら、なぜ時間が足りなかったのか?
緊張して、集中力がかけていたのか、それとも単に勉強不足だったのか?
では、緊張したのはなぜか?
というように、とことん自分を追求して分析していきます。
そのようにひとりひとりの分析をしながら、またクラスメイトの分析も聞きながら、生徒たちは学びます。
東大レベルの自負があっても、自分より成績ははるか下だと思っていた生徒の方が、自分より勝っている部分もあるんじゃん!
自分より絶対格上のあいつより、俺、まだ勝てることあるじゃん!
あれ?今日あいつ、集中力ない? どこか具合でも悪いのかな?
そういう心を寄せ合う相手との切磋琢磨から受ける、心の刺激と成長は、子どもたちにどれだけの大きな影響を与えるか、私たちは心から主張していきたいのです。
いままでの教育というものは、頭と心が全く分断した考え方に基づいてきました。
子どもたちの基礎学力の向上を話すとき、他者への思いやりを感じることのできる心と魂の向上を同時に関連付けることはほとんどありません。
学力の向上に伴う知性の教育というものが、これからの時代にとても重要になってくると思います。
それには、講師の目の前にいる子どもを、断片的に特定の側面だけを見て判断するのではなく、常に全体をとらえてあげて、そのあふれんばかりの才能に関わってあげることだと思ってます。
そうすれば彼らは、枠にはまることなく、限界を作ることなく、自らの力を思う存分に発揮しながら、これからの地球に役に立つ大人になっていくのだと、講師は確信しています。