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【生成AI】ChatGPTとClaudeの違いまとめ(活用事例含む)
はじめに
今回はChatGPTとClaudeの主な違いと活用事例についてご紹介します。
本当は、ChatGPTとClaudeの比較検証を行う前に投稿すべきだった内容。
どちらもAPIではなく個人利用を前提とした情報となっておりますので、ご参考になれば幸いです。
※本記事の内容は全て、2024年9月時点の情報に基づいております。
※記事が超絶長くなってしまったので、目次を活用して頂ければ。
目次ですら長ぇじゃねぇか・・・。
早見表
ざっくり、主な違いについてまとめています。 詳細については記事の各セクションで記載しています。
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2024/9/15追記
なんか、ChatGPTのモデルが増えてますね!
どうやら、2024/9/12にo1という新モデルがリリースされた模様。本記事の調査時点では存在しなかったので、しばらく気が付きませんでした。
科学や医学などの難解な専門分野に特化したモデル、とのことです。
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通常の4oの出力よりも専門的な内容になる傾向があります。
本記事では詳細は触れませんが、ある程度触ったらまたご紹介しようかと思います。
では、追記は以上として、以下、本編に戻ります。
開発元
OpenAIの方がAnthropicより歴史は長く、CEOが突如と解任されては復帰したり、マイクロソフトに続き、AppleやNVIDIAが出資を発表したりと、何かと注目を浴びている印象です。Anthropicは日本ではまだ知名度があまり高くない印象ですが、GoogleやAmazonが巨額の出資をしていたりと、AIスタートアップ企業として注目を浴びております。
ChatGPT(OpenAI)
サンフランシスコに本社を置く、AI研究開発を行う非営利、営利のハイブリット企業。
2015年、サム・アルトマン、イーロン・マスクらが非営利団体として設立
2018年、LLM(大規模言語モデル)の先駆け、「GPT」を発表
2019年、方針転換、営利企業OpenAI Global, LLCを設立
2020年-2021年、GPT3、DaLLE(画像生成モデル)を発表
2022年、GPT3.5をベースとしたChatBot、ChatGPTをリリース
2023年、GPT4を発表、Microsoftが100億ドルの資本提供を発表
Claude(Anthropic)
サンフランシスコに本社を置く、AI研究開発を行うスタートアップ企業。
2021年にOpenAIの元社員、 ダニエラ・アモデイと ダリオ・アモデイらによって設立。
2023年9月、Amazonがパートナーシップを発表。
2024年3月、Amazonの資金提供が約40億ドルに到達
余談
資本提供の観点から、OpenAIはマイクロソフト、Anthropicはアマゾンがバックに付いていることが分かります。
マイクロソフトの検索エンジンBingにはGPTがされていますし、先日アマゾンのAlexaがAIのモデルをClaudeに切り替えるというニュースがありました。 その他の大手AIモデルとして、グーグルはGeminiを、メタはオープンソースでLlamaを提供しています。
AI業界における、米国のテックジャイアント同士の競争が目に見えていますね。日本でもNTTやサイバーエージェントがLLMを商用に開発していたりしますが、米国と比べるとまだまだ規模が小さい印象です。
モデル
以下は、ChatGPTで現在使用可能なモデルの特徴になります。
ChatGPT
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参考:https://platform.openai.com/docs/models
Claude
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参考:https://docs.anthropic.com/en/docs/about-claude/models
Claudeの方が一度に認識できるコンテクストのトークン数が上ですが、そもそもここまで多くの文章量をインプットすることは稀かと思います。学習データはClaude 3.5が一番新しい情報を持っているようですが、ChatGPTはインターネット検索が可能なので、実質常に最新断面の情報を得ることが可能です。
課金
ChatGPT、Claudeどちらも月額20ドルのサブスクプランがあります。日本だとドルを円換算して支払いなので、円安だと面白いようにお金が飛びます。 ChatGPTはChatGPT Plus、ClaudeはClaude Professionalという名称。有料会員と無料会員の違いは以下の通り。
ChatGPT
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最新モデルのGPT-4oがほぼ制限なしに利用が可能。チャット回数の上限値は公開されていないため不明。無料会員でもGPT-4oは使用可能だが、しばらく使っていると、制限がかかって使用できなくなる。
1世代前のモデル、GPT-4が有料会員限定となっている。
画像生成DaLLEの利用において、無料会員は1日2枚、有料会員は生成枚数の制限がない。
有料会員であれば、利用者数が多い時間帯においても、混雑を回避して利用することが可能。
GPTsの作成が有料会員限定。※機能の詳細は後述
その他、優先的なカスタマーサポート、ベータ版機能の利用などが有料会員限定。
Claude
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無料会員はClaude 3.5 Sonnetのみ、有料会員はClaude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuが利用可能(参考)
無料会員と比較し、有料会員は”5倍”の利用量。無料会員は1日約40応答で制限がかかる。(参考)
有料会員の場合、プロンプト・生成テキスト量が短ければ、5時間毎に45応答が可能。(参考)
Projects機能が有料会員限定で使用可能。※機能の詳細は後述
有料会員は新規機能への限定的なアクセスが可能
最大コンテクスト量
最大コンテクスト量(Context Window)とは、一度にAIが処理できる文脈の量です。数値はトークン数で表されます。
この数値が大きければ大きいほど、AIが長い会話や大量のテキストを一度に理解し、それに基づいて応答できることを意味しています。AIの記憶量というイメージで良いかもしれません。
トークン(Token)は、テキストを AIモデルが処理できる単位に分割したものです。 モデルによって異なりますが、英語の場合、1トークン約4文字です。文字数とイコールではありません。単語によってもばらつきがあるようです。
※画像、図表などファイルを読み込ませた場合もトークンを消費するので注意。
以下、OpenAIが提供するトークン数チェックツールで入力文章に対応するトークン数をチェックできます。
https://platform.openai.com/tokenizer
ChatGPT
日本語だと、大体1トークンあたり0.7~0.8文字だと思われます。
最大128,000トークン。 日本語でおおよそ96,000〜102,400文字に相当。単行本1ページ400文字詰めで想定すると、240~256ページ。
Claude
最大200,000トークン。日本語の場合、ChatGPTよりも1トークンあたりの文字数が若干多いという説があります。1万字以上で要約若干の誤差が出る程度なので、ほぼChatGPTと同じ計算と考えて良いでしょう。
日本語でおおよそ125,000〜150,000文字に相当。
単行本1ページ400文字詰めで想定すると、250~375ページ。
学習データ断面
ChatGPT
公式によると、2023年10月までのデータを学習しているようです。
ただし、ChatGPTにはBingによるインターネット検索が可能なので、実質的に常時最新のデータを入手することが可能です。以下、GPT4oに確認してみます。
最新のGPT-4oモデルの学習データは、2023年10月時点までの情報を含んでいます。つまり、2023年10月までに公表されたデータが学習されており、それ以降の出来事や情報は含まれていません。
2023年10月の代表的なトピック
この時期に話題となったトピックの一つは、ロザリン・カーター氏の訃報です。GPT-4oは10月までのデータを基にしていますが、Webブラウジング機能が統合されていることで、訓練データの制限を超えて、例えば2023年11月の出来事にも対応する可能性があります
出力中にWebブラウジングしたようで、2023年11月のCNN記事の内容が出てきました。 回答の通り、Web検索で学習データの断面を超えた情報の取得が可能となります。
近い将来、AI搭載の検索エンジンが普及して、キーワード検索する習慣がなくなる日が来るかもしれません。
Claude
公式ドキュメントでは、Claude 3.5 Sonnetは2024年4月断面のデータまで学習しているようです。実際のところどうなのか、3.5 Sonnetに聞いてみましょう。
Claude 3.5 Sonnetの学習データの最新断面は2024年4月です。
この時期の代表的なトピックの一つとして、2024年3月に行われたアメリカ合衆国大統領選挙の結果とその影響が挙げられます。
この選挙は非常に注目を集め、アメリカ国内だけでなく世界中に大きな影響を与えました。選挙結果や新政権の政策方針、国際関係への影響などが広く議論されていました。
ただし、私の知識はこの時点で止まっているため、選挙後の具体的な展開や長期的な影響については情報を持ち合わせていません。また、この選挙に関する詳細な情報や分析を提供する際は、私の知識が限定的であることをご留意いただければと思います。
最新の正確な情報については、信頼できるニュースソースや公式発表を確認することをお勧めします。
大統領選挙2024年11月のはずでは・・・?もしかして、予備選挙のことですかね。 AIが生成する回答は必ずしも正しくはないので、重要な内容は事実確認をするようにしましょう。
インターネット検索
ChatGPTのみ
ChatGPTにはインターネット検索機能があります。 例えば、最新の情報を取得したい場合、以下のようにチャット中で指示することができます。
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Microsoftの検索エンジンBingを使用することで、リアルタイムに欲しい情報を取得することが可能です。
マルチモーダル
生成AIにおいては、複数のモダリティ(データ種類)を入力情報として対応していることを意味しています。つまり、マルチモーダルのAIは、テキストだけでなく、音声、画像などの異なる形式のデータをAIが学習することが可能となります。
ChatGPT
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Claude
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リバースエンジニアリングともいう。
以上の例のように、ファイル形式を問わず、アップロードしたファイルの内容を正確に分析することができます。
ChatGPTのGPT4で最初にこれが実装された時、色々読み込ませて遊んでいた記憶があります。すごい時代になってきたなと感心。
因みに、コンテンツフィルターは読み込むファイルの内容にも適用されるので、内容がNG判定された場合はちゃんと断られます。
画像生成
ChatGPT のみ (DaLL-E)
OpenAIの画像学習モデルDaLL-E3を使用し、画像の生成を行います。
Claudeでは実装されておらず(画像生成モデルを開発していない模様)、現状はChatGPTのみが対応しています。
最近、無料会員にも開放されたので、使用したことがある方は多いと思われます。
StableDiffusionほど自由には生成できませんが、マシンスペック不要で、お手軽に高品質な画像が作れます。
※未検証ですが、GPTによるプロンプト解釈処理を介しているので、StableDiffusion初心者がよく生成する意味不明・阿鼻叫喚な画像を作ることは困難かも?
ChatGPTの画像生成機能について興味がある方は、以下の記事もご参照ください。
対応言語
最近の大手生成AIは基本的に、世界各国の言語に対応しています。LLMの学習データにはインターネットや本の情報が含まれるため、英語はもちろん、日本語や中国語などの言語はほぼ問題なく出力可能です。
その言語に特化させるには、LLMのファインチューニング(学習済みモデルに新たな学習データを追加し、調整を行う)が必要となります。
日本でも、研究機関や企業などが、GPTやLlamaなどのLLMをベースとして、日本語特化なモデルにファインチューニングしているようです。
ChatGPT
Jina langu ni Luden. Mimi ni msanii na ninafurahia sana kuunda michoro na hadithi za kuvutia. Ninapenda kuchora wahusika wa kufikirika na napenda sana kufanya kazi na hadithi za kufikirika.
Claude
שלום! שמי קלוד. אני עוזר מלאכותי. נעים מאוד להכיר אותך.
その他機能
ChatGPTとClaudeのチャット以外の機能をご紹介いたします。
詳しく書くとそれだけで1本の記事が出来上がるぐらいの内容なので、概要程度に収めたいと思います。
ChatGPT
GPTsとは
目的や用途に合わせ、ChatGPTのモデルをカスタムできる機能です。例えば、大量の論文を読み込ませて、特定の専門分野に特化したAIアシスタントを作成したり、出力する文章形式、あるいは性格を与えて、自分好みのチャットボットにするなど、様々な用途が考えられます。
私がよく使うのは、公式提供の画像生成特化の”DaLLE”、StableDiffusionのプロンプトを補助する「Stable Diffusion Prompter」などです。
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有料会員
2024年9月現在、GPTの作成は有料会員のみが可能となります。GPTsの画面右上に作成ボタンがあり、そこから作成することが可能です。細かなプロンプトで指示を与え、ファイル取り込みによって出力コンテンツを学習させることが可能です。作成したGPTsは公開設定が可能で、これにより収益を得ることも可能です。無料会員
公式から提供されているもの、他のユーザが公開されているGPTsであれば使用可能です。自分でカスタムすることはできません。
【事例紹介】GPTsでキャラクターの人格を持ったチャットボットを作る
一旦は軽い紹介まで。
※需要があれば、作り方や会話例について別途記事にします。
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アイコン画像、最初の質問例は任意に設定が可能。
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キャラの人格を保ったチャットボットとしてちゃんと会話が成り立っている。
結構奥が深いので、有料会員の方はぜひ試してみてください。
メモリ機能
特定の内容を記憶させることで、複数のチャットを跨いで参照することが可能です。チャットの内容について、記憶して欲しいと指示を与えると、勝手に記憶してくれます。記憶した内容はその内容を参照するワードや指示を与えると、別のチャットでも記憶を参照して生成コンテンツに反映します。
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カスタム出力機能
正式名称がわかりませんでした。機能というより、オプション設定の内容になります。
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出力の傾向、粒度を調整することができます。
例えば、自分の趣味が絵を描くことで、創造力豊かな出力をして欲しい旨を登録した状態でチャットすると、ChatGPTが具体的で創造的なアイデアを提供してくれるようになります。
別の例だと、自分の職業を登録しておけば、ChatGPTに何かを提案してもらう際、その職業に沿った内容になります。
設定内容はオン、オフの切り替えが可能で、使い勝手が割と良いです。
Claude
Artifacts
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Claudeではチャットとは別で生成する、独立したコンテンツを意味しています。Web版ではこのように、画面分割されて、右側にAIが生成したコードが表示されています。
チャットに指示を与えることで、このコードを改修したり、コードを指定した形式でダウンロードしたり、あるいは公開したりすることができます。使いこなせれば、大変有益な機能となります。
具体的な使用方法は省略しますが、無料会員にも開放されたようなので、興味ある方はぜひ試してみてください。
Projects
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私自身まだあまり使ったことがない機能ですが、ナレッジベースと呼ばれる、ファイル取り込みによる学習が可能です。
チャット、Artifactsと組み合わせてコンテンツを生成する機能となります。ChatGPTのGPTsに近い機能なのかもしれません。
使用例を調べてみたのですが、一例だと、特定の分野における論文を複数読み込ませ、新たに関連分野で論文を作成したりしているようです。
コンテンツフィルター
生成AIでは、倫理的で安全な対話を確保し、有害なコンテンツを生成するのを防止するフィルター機能が働いています。有害なコンテンツとは、以下のような例があります。
暴力、ヘイトスピーチ、過激な政治的内容
違法行為や危険な活動の支援や奨励
プライバシーや第三者の個人情報
露骨な性的内容や過度に暴力的な描写
著作権で保護されたコンテンツ
ChatGPT
一昔前はかなり制限があったような印象ですが、最近は緩和されている模様? 特に、AIが創作であることを認識している場合、「ギリギリを攻めている紳士向けコンテンツ」に対する制限が、非常に緩くなっている印象を受けます。
また、英語と日本語だと、コンテンツフィルターに引っかかる基準がやや異なる印象もあります。 文脈の解釈の違いもあるかもしれませんが、日本語の方が紳士向けコンテンツに対する表現規制が緩いような気がしてなりません。 「ギリギリを攻めている淑女向けコンテンツ」は知見がないため、未検証。
Claude
全体的に、ChatGPTよりも厳しい印象を受けます。 反社会的コンテンツ、著作権保護、プライバシー系のコンテンツは問答無用でフィルタリングされる印象を受けます。 ただし、創作前提とAIが認識すれば、やはり表現規制は緩くなる傾向があります。
特に、日本語で出力する場合、「どう考えてもアウトな紳士向けコンテンツ」がそのまま出力される事例を確認しております。
まとめ
長くなってしまいましたが、ChatGPTとClaudeについて主な違いをまとめてきました。
私は現在、ChatGPTとClaudeの二刀流使いとなっております。
二刀流使いのNoteにおける活用実例に興味がある方は、以下の記事をご参照ください。
私はClaudeの自然な文章生成に魅力を感じております。
創作系ではすぐに利用上限に達するため、課金。
これが1ヶ月でサブスクを止めるはずが、気づいたら既に3ヶ月経ってしまっております。
Noteの記事を見ても、Claudeの知名度はまだまだな印象です。 もっと流行って欲しいですねぇ。
また、一度の出力文章量の多さ、画像生成、GPTsなどではChatGPTが優位に立つため、頻繁に使用しております。仕事でも使うし、GPT4oが優秀すぎるので、課金。
クレジットカード引き落としなので、支払ったという実感があまり湧かない。サブスクというビジネスモデル、最初に思いついた人は天才ですね。
単純な機能面であればChatGPTの方が多いですが、比重をどこに置くか次第でどちらを使うのかを決めるのが良いと思います。
それぞれに利点があり、タスクの効率化や、つまらない日常をより豊かにしてくれるのではないでしょうか。
もし生成AIあまり使ったことない方がいらっしゃいましたら、無料の範囲で色々使ってみると新たな発見があるかもしれません。
余談、GeminiがChatGPT、Claudeに劣らず、非常に優れていることに気がついたので、新たな比較検証を行うべきか・・・。
総集編的な位置付けになった本記事ですが、今後とも、ChatGPTとClaudeの比較検証は続けていきたいと思いますので、興味ある方はぜひご覧いただけますと幸いです。
次回、『新たなる刺客、Gemini参上!』(気が向いたら書く)