神田愛山→神田伯山「相伝の会」@イイノホール(2022/07/26)【講談編#16】
こんばんは。飯山大五郎です。
ちょっと時間が経ってしまいましたが、先日、神田愛山→神田伯山「相伝の会」に行ってきました。会場はお馴染み、イイノホールです。
この会は、次のようなコンセプトで開かれているものです。
会場はあうるすぽっとからイイノホールに変更になってはいますが、コンセプト自体は変わっていません。前回からは、「清水次郎長伝」の連続読みがはじまっています。
「伯山」という名跡と「清水次郎長伝」は、切っても切り離せない関係にあります。それについては、伯山先生のYouTubeチャンネル「神田伯山ティービィー」にアップされている愛山先生との対談動画で触れられていますので、そちらをご覧ください。
さて、今日の演目はこんな感じでした。
○「柳沢昇進録 将軍饗応」神田鯉花
おや、前座さんの出囃子が鳴ってる…と思ったら、この日の影ナレもご担当、鯉花さん登場。初めて聞いた読み物。途中までは硬めな雰囲気で話の内容がうまく掴めず…途中で、柳沢って聞こえた!ああ柳沢昇進録か、と思ったら、そこから妻娘を駆り出してのドロッドロとしたシーン。挑戦的な読み物でした。
○「違袖の音吉」神田伯山
続いて伯山先生登場。鯉花さんの開口一番に将軍饗応をやったことへの弄りから、近年あまりおやりにならなくなったという「違袖の音吉」を。「浪花三侠客」と呼ばれた侠客の一人、違袖の音吉の幼少期の物語。伯山先生がおやりになると、音吉の生意気加減がグンと上がります。直接は登場しないジジババ、最高です。
○「清水次郎長伝 次郎長の生い立ち」神田伯山
いよいよ清水次郎長伝へ。前回愛山先生がおやりになった序開き「次郎長の生い立ち」。酔っ払ったときの(演技なのか素なのかわかりませんが)明るい次郎長と、養母とのやりとりの緊張感あるやりとりをする次郎長との落差は見事。この話では侠客になりきらない次郎長が、どのように大親分となっていくのか、仲入りを挟んで愛山先生へと続きます。
〈お仲入り〉
休憩です笑(10分)
○「清水次郎長伝 心中奈良屋」神田愛山
出囃子「のっと」で愛山先生登場。心なしかご機嫌なご様子の愛山先生。まくらも飛ばしてました。2話目「心中奈良屋」は、次郎長が侠客の世界へと進んでいくきっかけとなる出来事が描かれます。「もしですよ?」と、最初と最後の僧侶と次郎長とのやりとりでの僧侶への扱いの差がめちゃくちゃ面白かった。
○「清水次郎長伝 法印大五郎」神田愛山
舞台袖には下がらず、釈台横に置いてあった湯呑みで水分補給をし、そのまま3話目「法印大五郎」へ。自分の親分の悪口を言う法印大五郎に苛立つ次郎長であったが、その理由を聞くと、次郎長の仇が関係していることがわかり、自分の身内として迎え入れることに。仇が絡んでいると知って急に態度を変えたときの愛山先生の声色と表情が可愛らしい。
というところで時間いっぱい。続きが気になるところですが、次回の「相伝の会」のお楽しみ、といったところでしょうか。いや、実はその前に聴く機会があるのですが、それはまた次の機会にお話いたしましょう。それではまた。