根に持ってること、その2
昔付き合っていた彼氏に、心の傷の説明をしていたときのこと。
何でそういう話になったのか覚えていないけれど、彼にとって子供の頃の記憶は幸せなものだと教えてくれた。私にとって子供の頃の記憶は寂しさと悔しさが同時に込み上げてくるものだった。
傷をグリグリえぐられて血塗れになる感じがすると伝えたら、彼は、刺されたこともないのに何で分かるねん。と呆れ顔で言った。
私は何も言い返せなかった。
心が痛くて痛くて堪らないことを説明したかったんだけどね、伝わらなかった。
後に、心のかたちやイメージがわりとリアルに見えるのは全員じゃないんだって知った。