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毒親育ちが、いま親父に思うこと。

とりとめのない話をします。

家の親、振り返ればいわゆる毒親だったと思う。

母は僕が物心ついたときには多分もう精神病の気があって、妄想と幻聴によって、ひどいときには叫び声をあげて近所に迷惑かけたり、家出して警察のお世話になったりしてさんざん家族を巻き込んできました。

小学生の頃、僕が学校ぐるみのいじめを受けてるという妄想から学校に乗り込んできて、先生をひっぱたいたこともあります。

そして父のほうは単純に性格がひどくて、外ではニコニコ愉快な男なんですが家ではちょっと自分の思い通りにいかないとキレる。

ムッとして、俺はムカついてるんだというのを全身で表現する。すぐ怒鳴るわ、玄関のドアをもう壊れるんじゃあないかってくらい勢いよく閉めたりする。車を一瞬法定速度以上に飛ばすわ。ちょっと口ごたえするだけで顔面叩かれて鼻血なんてことは日常。

酒に酔うとまためんどくさい。

なんでもかんでも周りを自分の気分で振り回すタイプの亭主関白でした。

文字にすると大した事ないけど、
30年、本当にしんどかった。



僕は外では基本明るくて、その時その時の友達もたくさん居ましたけどね。

ただ僕にはどうやら精神的な意味での他人への依存というのがほぼ無いため、会うことがなくなれば基本的に連絡とったりはしないで来ました。

結果いま現在、友達と呼べる友達はネットでやりとりする人と、あとは過去の職場で知り合ったおばさんたちしか居ません。年1くらいでLINEで近況報告しあいます。苦笑

身体のこともありますしね。
どうしても他の同年代連中と人生のペースが合わず。



まぁそんな家庭だったんで、表向きふつうに生きてはいられたものの、

いつ怒鳴られるか、殴られるか、人格否定されるか分からないというピリピリ感が常にあったおかげで、自然と身体はおかしくなる。

僕は我が家という空間が居心地いいと思った試しがほとんど無くて、大学時代なんかは遅くまで家に帰ず友達と語り合うなんてザラだった(それはそれで青春の記憶ではあるけど。)

働き出してからも、休日は基本ひとりで遠出して過ごしてたな。なるべく家とかかわらないように。


あれこれ運動したり格闘技に手ぇ出したりして、自分を強くしようとしてましたが、限界はあるもんです。

社会人の皮を被ってからも、身体の異常は悪化するばかり。

もちろん病院じゃハッキリ診断できなかったし、飲むなら安定剤とはいえ、実際に飲んでる母を観てるから、飲み始めたら余計仕事にならなくなるし辞められなく成ると考え敬遠。

(ようやく自分に合う漢方薬が見つかって最近少しずつ改善の兆しですが。)


母のことも、学生までは自分なりに向き合って、ご近所に迷惑をかけたときなんかは謝りにいったり、喧嘩を仲裁しにいってましたが、徐々に疲れちゃった。

父が極力入院させない主義だったので、ご近所には年一くらいのペースで騒音被害を与えていたと思う。申し訳ない話だ。

いつからだったか、母が知人の勧誘にのって宗教にハマってからはひどかった。

母の妄想と奇声,親父の怒鳴り声、ご立派な精神論の説教。

キレ症の弟もベランダに出て叫んだり。

どうなってんだここは
と思いながら生きてた。

一時期、しばらくの間は、僕はもう無理だと思って家の中で完全に気配を消していた。



そんなムードで、なんとか、首の皮一枚でつなげてく感じで毎年やりくりしてたのが少し変わったのは、いまから1年前くらいのことだ。

父がもう母のことを我慢できなくなり、長期入院させた。

それによって自身のイライラが減り、また、会社を畳んだことで何か肩の荷が降りたこと、老化が本格化してエネルギーが無くなったことにより、

簡単に言えば、丸くなった。

その影響もあって弟も昔ほどはキレなくなった。

今は刹那的に穏やかに暮らせているが、複雑だ。

すっかり衰えて大人しくなった父に、ボケ防止のためにスマホの使い方を教えたり、散歩を勧めたりしていると、とても複雑な気持ちになる。

別に親のことを好きになったわけではないし、きっとこの人が死んでも自分は悲しまないだろう。

だけど親父のあの、後期高齢者ぜんとした脳の衰え、笑顔の増加を観て、昔には全くなかったやすらぎのようなものを自分の胸に感じている。

過去の自分の暴力・暴言すら忘れているクソ親父なのに。


最初からこうなら、俺の人生ぜんぜん違っただろうな。
協力して母のことももっとマシにできただろう。

勉強できたし、いろんな人と仲良くできたし、愛のない人間じゃないんだよ。

結婚は興味ないけど、
いわゆる普通の人生のマネはできたかもしれないんだよ。


家族らしい会話、親子の話し合いなんてしたことのない親子。

そんなこと考えても、親父は責任とってくれない。

家を出る気力体力すら奪った親父に、哀れみのほうが勝っているんだ今は。

老い先短い今更になって丸くなられても、困るんだよ。

親が、子供の手本になって、
人生は色々在るけど良いもんだぞって教えなくてどうすんだ。

自分の頭の中で勝手に履修しちゃったよ。


俺はそれを人に伝えることを生き方にしようと思ってるよ。

こんな夢があることを話したら、いまの親父はニコニコ聞くんだろうな。

自分が長年どれだけ家族を苦しめたのかも分からずに。


そんなことをたまに思いながら、
俺は明日も父にコーヒーを淹れるんだな。

自分のお人よしを呪いながら。

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柏木
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