![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155937317/rectangle_large_type_2_3bd6b2415853ad0653be72df173fbbab.jpeg?width=1200)
考えさせられたこと
小学生の頃、
登校班が一緒だった女の子が、
登校の途中にいたダウン症の男の人を見て、
「お母さんが、ああいう人には近づいてはいけないって言ってた。」
と言って、露骨に避けているのを見て、
その当時、違和感を感じたことがあった。
確かに、小学生の女児を母親が心配するのは、
もっともだし、そのお母さんの気持ちも理解できる。
私の母は、どんな人も差別してはいけないという考えの人だったので、余計にその子に対して違和感を感じたのかもしれない。
自分が大人になって、
様々なニュースを観たり、
実際に自分自身も痴漢にあったりして、
誰にでも不用意に近づくことのリスクも知った。
私も明らかに危なそうな人には近づかないことにしている。
だから、私もその女の子もその母親も批判することは、できない。
ただ、最近になって、
そのダウン症の男の人が、
白髪交じりの頭で、年老いた母親と歩いているところを見かけた。
その人は、母親の大きな荷物を持ってあげていた。
危ない人には見えなかった。
ただただ、一生懸命ここまで親子で生きてきたのだろうな、と思った。
どんな人にも、母親がいる。
そして、本人の力では仕方ないこともある。
そういうことを思った。
ここで簡単に善悪を述べることはできないけれど、
「生きていく」ということの難しさみたいなものを、ふと感じた瞬間だった。