「おばちゃんなんで」と言う人
自分のことをやたら「おばちゃんだから」と言う人がなんとなく苦手なのだけれど、
何故か考えてみたとき、
そこに「負い目」みたいなものを感じるからじゃないかな、と思った。
私の周りで、
自分のことをやたら「おばちゃん」だと言う人って、大体が未婚女性か、
既婚で子供のいない女性であることが多い。
(皆が皆そうじゃないとは思うけど)
自分が、女性として正しい道を歩いてこられなかったと思い込んでいて、それなのに歳を重ねてしまったのよ、という謎の負い目が、
自虐という形で現れているのだろうか、
と思ってしまう。
そして、その様子が大概の場合痛々しいからだ。
(そういう人に限って身なりも老けて見えないように相当気をつけていたりする。)
自分のことを「おばちゃん」という時、
4種類の心理状態があるような気がする。
まず1つ目の心理としては、
「免罪符」代わりに使用するというもの。
おばちゃんだから仕方ないの、
おばちゃんだから大目に見てね、許してね、
といった意味合いで使う感じ。
実際、私も10個下の後輩には、
「もうおばちゃんだからさ」とか言ってしまうこともある。(言ってるんかい)
2つ目は、自分はちゃんと年齢をわきまえていて、
分別ある大人だとアピールしたいとき。
いつまでも若いと思っているイタい女じゃないわよ、私はというアピールだ。
そして3つ目の
他人から「おばさんじゃないですよ」と
言ってもらいたいがために言うというパターン。
稀に4つ目の
おばさんになったことを本当に嘆いているパターンだ。
(驚いたことに、自分で言って泣く人もいる。)
私は使うときは、
免罪符代わりに使うことが多い。
2つ目や3つ目、4つ目の意図で使うことはない。
だって、わきまえるつもりないし、
分別ある立派な大人じゃないし(笑)
私は、同年代の人や歳上の人に
「私おばちゃんだから」
とか
「もう歳だからさ」
とはあんまり言わないようにしている。
仲の良い人には使うこともあるけれど。
言わないことが、
逆にこだわっているとかそういうんじゃなくて、
「言霊」ってやっぱりあると思うから。
自分のこと「おばちゃん、おばちゃん」って言う人って、本当におばちゃんみたいになっていくと思うし、
そうなるのが早そうだし、
周りもそういう目で見てくると思うから。
(それが悪いことではないけどね。
おばちゃんポジションになることで楽になることはいっぱいあると思うし。まさに免罪符。)
特に同年代や歳上の人のに
「おばちゃん」という言葉を使うとき、
強制的に「あなたもね」という圧をかけてしまう気がして私は使わない。
例え相手が気にしてなかったとしても、
やっぱり何となく失礼な気がするからだ。
先に自分で「おばちゃん」と言ってしまうことで、
保険をかける気持ちは分かるし、
ハードルを下げる気持ちも分かる。
他人には他人の価値観があるわけだし、
全然良いんだけど、
やっぱり私はあんまり自分のことを、
「おばちゃんおばちゃん」ってやたら、
アピールする人は苦手だな、
と思う。
わざわざ言う必要もないのに、
逆にこだわっているのかな、
という、いたたまれない気持ちになる。
「ちゃんとおばちゃんになった自分を受け入れてますよ」ってわざわざ声に出してるみたい、と思ってしまう。
おばちゃんって見ればわかるじゃん、
って思う。
見た人がおばちゃんって思ったら、
わざわざ自分で言わなくても、
もうおばちゃんだよ、と思うし、
思ってない人にわざわざ言う必要ある?と思う。
年齢云々じゃなくて。
ただ昨今の、
おじさんとかおじいさんとかが
やたら若い娘に入れ込んで殺しちゃったり、
貢いで、利用されたこと恨んだりしてるのをニュースで見たりすると、
自分の年齢わきまえろよ、とは思う。
最初から無理があるし、
おかしいって気づけよ、と思う。
自分が逆の立場だったらって
考えたらすぐ分かるだろ、って思う。
男女逆のパターンももちろんだけど。