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先入観を抜きにして読んでほしい絵本

(正源の娘のおすすめ絵本)

心を全部閉じ込めたふりをして
誰にもわかられたくないと強がって。
どこにもいきたくない
何もしたくないとふさぎ込んで。

でもそこにドアがあるのはどうして?

それは、君自身がつけてるドアだよ。
カギ穴なんかなくて、ドアノブも壊して、
釘を打ち込んで、ボロボロになってでも、
そこにドアを取り付けてるのは、
君自身だよ。

君は、特別なんかじゃない。
”僕は”、特別なんかじゃない。
誰よりも弱くて、ひび割れてて、
たとえ息が止まったとしても世界は止まらずに進む。

君も ”僕も”、特別なんかじゃない。
だってさ、
みんな、一人一人の命だから。

みんな、一人一人の世界の色があって
僕らには僕らの世界の色があって
いつのまにか君と、”僕”とだって
見えている色は変わってる。

”僕”がここから見ている間に、
君はたくさんたくさんいろんな色をつけてきたよね。
だから、今の君は、今の色でいいんんだよ。

がんばってがんばって、作り上げてきたよね。
簡単に壊れてしまうけれど。
簡単に汚れてしまうけれど。

それが、君の色だから。
かっこ悪くて、傷ついて、隠していくしかなくて、
涙でよれよれになってるけど、
大切にしてきた、君だから。

大切な、君という本当だから。

君が大切にしなかったとしても、
『僕が大切にするよ』

(一部引用させていただきました。引用元は後に記します。)


君が誰で、僕が誰であるのか、考えてみます。

ジキル博士ととハイド氏という小説があります。
二重人格のそれは同時に二人が現れることはありません。
二人が相求めながらも対立関係にあるからです。
ただ入れ替わる限界状態にいる時に二人がせめぎあって苦しむ間があります。
その状態は近いかもしれません。
違うのは自我が勝らないこと。
優しくて温かいこと。

誰にでも心の中に二人いて、いつ現れるかというと二者択一の場面です。どちらにすればいいのか決めかねる、本当にそれでいいのか、悩みます。
二者択一には選択したら後には引けない苦慮のニュアンスがあるといいます。

登場する彼らの場合はもう少し追い詰められた境地にいるようです。
閉じこもってしまった場所から出たい出たいと強く思う。でも出られない。そんな力が出ない。勇気が出ない。
僕が取り付けてしまったドアは外からも中からも開けられなくて
きっと何度も出ようとして開けては閉めて壊れてしまったドアノブ。やっぱり開けられないように釘を打ち付けてしまった。自分で開けるしかないんだ。

わかっているの。自分一人いなくなったってなにも変わらずに時間は流れていく。自分が思うほど人は見ていない。普通にご飯を食べて、他の人と楽しく笑ってて、自分の知らない話してて、他人にとって自分の存在なんてそんなものなのだと。

わかっているの。一方で自分を大事に大事にしてくれる人、想ってくれる人がいることも。自分を必要だとしてくれる人がいることを。

わかっているの。ちっぽけな自分だけれど、
一人一人の大切な命があるのだということを。
生きてきて見てきたものは一人一人違ってて、
自分を作り上げて来たものが一人一人にあるんだ。

自分で汚したり壊したりすること誰だってあるし、
汚されたり壊されたりもしてきたよね。
平気な顔して、強がって、頑張り過ぎて疲れたよね。

君が生まれて、生きて、培ってきたものは誰にも壊せない。
君は生きてる。存在してる。自分が自分を認めてあげて。

外の世界には、君が元いた世界にはきっと待ってる人がいる。
君は君のままでいいのだから。
そのままで大丈夫だから。
自分を大切にしてあげよう。

僕と君は一人の人間の中にいる心、揺れ動く心。
僕と君は入れ替わりながらこの章が描かれます。
僕も君も自分なのだから。

絵本ですもの。感じるままに受け止めればよいのです。自由なのです。

私の感じたままにお伝えしています。
もしも今自分の心の中や、家の中に閉じこもって出ていけない人、生きづらさを感じている人がいらっしゃって、この絵本と巡り合う奇跡があって欲しいと思っています。
このページを引用させていただきました。
著作権に触れるようならすぐにこの記事を閉じます。
ただこの絵本がどうか広く届きますように。


この絵本の著者さんにとっては、君はたぶん9歳の僕です。
ずっと共にあり続けた君であり僕です。
同時に君と僕の夢です。
一つの長い長い時間一緒だった夢が終わりを迎えます。
それは夢がかなったということなのでしょうか。
わかりません。
不安はつきまとうけれど、夢は新しく続けばいい。
見ていてくれる人が、必要としてくれている人がいる限り。

いつでもそばにいます。私にはこの著者さんが必要だから。
帰れる場所が必要だから。

絵本『GIFT』
文 羽生結弦
絵 CLAMP

有名人と思うかもしれません。
成功者だと思うかもしれません。
「羽生結弦」自身のことが綴られているのかもしれません。
ここには多かれ少なかれ誰もが持ちうるだろう苦悩があります。
現在も苦悩の中に置かれている人なのです。
罪なき人に理不尽な世の中です。
突き詰めれば人は皆孤独です。独りです。
絵が添えられたことで、感じるものがまた違って来るでしょう。
小さな子が見ても可愛くてカッコいい絵です。感じ取るものは歳を重ねる毎に変わって行くでしょう。

絵本にすることを考えて世に送り出したのは羽生結弦さん自身です。
その意図を受け取ってください。
伝えたいことが溢れた絵本『GIFT』おすすめです。


絵本GIFT





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