響かない想いの結末は…。
「アナタが好きすぎて辛い」
そう言って、震える手で持ったカッターナイフを自分の手首に当てて切った。
細い傷口から滲む血を、他人事の様に眺めていた私は薄情でしょうか?
私の気持ちを置き去りに一方的な気持ちを間接的に告げた彼はどうでしょう?
「片想い」「不器用」「純粋」「ヤンデレ」「ストーカー」「無関心」「冷酷」
様々な言葉はきっと彼と私では変わる筈。
線と線は交わることも交差することもありませんでした。
マンションの屋上から吹っ切れた笑顔で、もう私の事は忘れたと告げながら飛び降りた彼は残酷な人だと思うのは…いけない事でしょうか?
彼に対して無関心な私に対する復讐だったのかも知れません。
真実は分からない。
きっと彼が今も生きていたとしても、平行線のままの私には分からない事です。
ただ、心に小さな棘が刺さって抜けないだけ。
それだけの話。
生きる事は背負う事だから、きっとこれからも私は様々なモノを背負いながら生きるのでしょう。