親に芸人になれと言われた私の話
ずっと何かを考えてる父親に「どうしたの」と問いかける
「いやお前がなるべきなのは、芸人にかも知れんなあ」
22歳、内定先決定済み、親に芸人になれと言われる
ただいま実家!
3年ぶりに福岡の実家に住むことになった
千葉の大学に行くために4年前一人暮らしを始めたのだが、大学卒業、そして内定先を10月入社することから一時的に実家に戻ることになった
まあ、夏休みや春休みは毎回実家に3週間ほど帰省していたので今更感情を昂らせることはないのだが、なんせ実家には私が愛してやまない犬がいる
帰省が終わるたびに愛犬とお別れするのが何より辛かった私は、当分愛犬と暮らせることが何より嬉しかった
友達と遊びに行き帰ってくると「ただいま」があり、寝る時は「おやすみ」があり、お風呂が沸いた時は「先入るね〜」と言われるそんな小さな幸せを噛み締めていた
10月入社のワケ
上に書いた通り私は10月入社となっている
理由はたくさんあるが、大きいのは留学に行くからだ
期間は1ヶ月半、行く場所はセブ島
聞く人によっては「なにそれ旅行?」となるのだが、言わせておけばいい
これはれっきとした留学である
元々親が留学経験者でお薦めされてたこともあり興味があったのだが、改めて行くという決心がなかなか付かず気づいたら社会人一歩手前になってしまった
そんな時、私の内定先は入社月をずらしてやり残したことをやってもいいというスタンスでいてくれていた
そんな有難い話はない、私は早速親に話しをして、留学をすることが決定した
(それが決まるまでに一悶着あったのだが、長くなるので割愛)
なので私は10月入社という選択肢を取ることにした
またやらかした私
そして、チケットも取れて、服も買って、勉強もちょっとして、着実に留学の日付が迫っていたその時だった
「待ってパスポートないかも」
最初は母にも探すのを手伝ってもらおうという軽い気持ちで少し大きめな声で言った
まあどうせどこかにあるんだろう、引越しの荷物が多いから混ざっちゃったんだ
あーごめんあったあった😄という準備をしながら探していたのだが、
20分後、本当にない。
焦り出す私。
実は私はパスポートを引越しの段ボールに入れて実家に送るのではなく、手持ちのカバンに入れていたのだ、しかもそのカバンでユニバーサルスタジオに寄ってそのまま実家に戻るルートを取っていた
父親も仕事から帰って来て大怒り
弟に「またお姉ちゃんがやらかしてるわ」という冷たい目線を投げかけられた
私またやらかしてるなあという気持ちを拭うことなくがむしゃらに探したが見つかることはなかった
父からの指示で、もう諦めてパスポートセンターで取り直せまだ間に合うかも、という助言をいただき家から40分のパスポートセンターにギリギリで駆け込んだが、届くのは予定出発日時の4日後だった
背中を丸めて帰宅
帰路は今までで1番気持ちが落ち込んでいた
怒られるの確定+お金大量発生+マジで申し訳ない+留学行けないかも
基本ポジティブな私でも背筋を伸ばすことができず、丸まった背中で帰宅した
リビングに入ると両親が机に向かい合って座っていた、二人とも当たり前だが深刻な顔をしている
特に父親は腕を組み怪訝そうな顔をして考え事をしていた
私の小さな幸せであった「おかえり」ももちろん返ってくることはなく、ついに親から相当嫌われてしまった、箱に入れて捨てられるかもと言う覚悟を決めた時だった
「なあお前さあ」
父親から急に呼びかけられた
「どうしたの」と背中を丸めた私が答えると
「いやお前がなるべきなのは芸人かも知れんなあ」
そう言った父は笑ってた
そして
その後なんとか留学センターの人が頑張ってくれて、行けることになった
これはまだ旅立つ前に書いているので無事行けるのかはわからないが、もし行けたら留学での話も書きたいと思う
そして、芸人にもしなったらそれも必ず書く
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