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②−3【対談企画】NPOとしてミュージカルをやる効果


 こんばんは。『クローズアップNPO法人 〜現場の声から〜』の時間です。

初めてコモンビートを知る人が団体に対して持つイメージで最も多いのは、「なんか楽しそう」という言葉。
でも、ただ楽しいだけじゃないんです。
企画の現場にいつだってある“楽しんで学んでもらうための仕掛け“は、NPO法人として「社会貢献活動」を実現させる一つの手段でもあります。
では一体、その仕掛けは誰がどう作っているのか、企画がどう社会貢献に繋がっていくのか。
コモンビートを運営するメンバーの皆さんに伺います。

今回のシリーズからは、理事長である安達亮(以下、りょうさん)さんと現在国際交流チームの短期インターンメンバーである髙橋真二郎さん(以下、しんじろー)の対談が始まります。

取材担当:広報インターン ジュン




⒈NPOという形の選択

ーーミュージカルをやる組織としても色々な形があって、例えばプロデュース会社や文化財団などがあります。
その数ある組織形態の中で、コモンビートにとってNPOという形を選択したのにはどういう重要性があるのでしょうか。

1−1 「市民活動」という世界観とマッチ

【りょう】まず、コモンビートの発起人の初代の理事長は起業家で営利の活動をたくさんやってる人だったんけど、それと同時に社会にインパクトを持つ社会起業みたいなことにもすごく興味があったから、営利でやっていたことが非営利でもできるのかなと色々試したかったらしく、本屋でNPOという文字を見つけて「これ面白そう」と思ってNPOになった、という感じだった。2004年当時はそんなにNPO法人もなかったんで、これ面白そうだからやってみようと。

僕はNPOで良かったなと思っていて。それはなぜかというと、こんだけ人を巻き込めるのはNPOであるからこそと思っていて、法人格関係なくミュージカルってやればできるとは思うけど、市民活動としてやるというNPO独特な理由がマッチしているというか。いろんな人が参加していって一緒に作るみたいなすごいシンプルな構造が働きやすい。
これが株式会社とかだったら全然組織としても成長しなかったかもなんて思ったり。そうしたら、しんじろーやジュンとも出会ってないんだというふうに思うとなんか不思議だよね。NPOは多様な人を巻き込んで、いろんな人と一緒に運営していく団体なので、そのためにも活動そのものをオープンにしなくちゃいけない法人格であるNPOっていうのはすごくいいと思う。
それにミュージカルっていう、どちらかというとプロフェッショナルな人が取り扱うものだと思い込まれているようなものでも、「市民活動としてやっているからやりたい人は来てください」みたいなことが言えるのもNPOの世界観が合っているなと。

【しんじろー】偶然が重なったけど結果は良かったよねって話が、ミュージカルの仕組みしかり、このNPOの形態をとったにしかりあったから、そういうのを力に変えることができる組織なのかなって個人的に思いました。ありがとうございます。

【りょう】元々独学で運営していったっていうのは最初に言ったけれども、例えば特定非営利活動促進法という根拠法は当たり前だけど熟読したし、いろんなNPOさんがどうやって運営されているのかだったり、市民活動って何なんだろうなとか、公益性、共益性ってなんだろうなって自分で調べたりする中で、そんな別にNPOがやりたかったわけじゃなかった僕自身もこの非営利の世界観への共感度が偶然にもマッチしたのも今自分がここまで続けられている理由かなと思う。

1−2 人の可能性を信じる


【りょう】人の可能性を信じていたいモードが自分の中にあって。それって、会社に入っている誰々さんとか、肩書きがある誰々さんっていうよりかは、肩書きのない市民としての〇〇っていう人たちの力が合わさったときに、国を超える肩書きにとらわれない力が生まれるっていうのはすごく好きな世界なんだよね。
元々映画が好きだったりして、色んな映画の感動するシーンって大体そういうことが起こっています。そういう世界観がすごい好きだったりするからそれを市民活動に見出しているところもあるし、一人一人がしっかりしていれば大丈夫だと思っているところもある。

そういう世界観がこのNPOの中には存在していて、それがすごいピュアで好きなんだよね。それを独学ながら学んで、コモンビートにも参加者が主体的に活動できるような仕組みを入れてあるし、やりたいって思わなければやらなくていい仕組みになってる。市民活動のピュアさみたいなものをコモンビートの中にたくさん持ち込んでいる感じ。だからコモンビートは人のことを信頼しているし、寛容だと思いますね。

【しんじろー】そうですね。僕もなんでこういう世界が好きなんだろうなっていうのを改めて言うとすると、さっきりょうさんが仰られた人の可能性を信じたいって言葉がなるほどなと思って。

ちょっと話が飛ぶんですけど。
自分がある方と喋っていたときに、例えばどこかの道で酒飲んでいるおじいちゃんは社会的に見たら「何やってんだ」と思われるかもしれないけど、実はスッゴイ笑わせる才能があるとか、この人の隣にいると落ち着くみたいな世界があるかもねって話が出て。
そういう人を信じるっていう世界がここにはあるんだと思うと、良いなこの世界って思ってます。

【りょう】それをコモンビートの中だけじゃなくて、社会にもそういうモードを作っていけるといいなあと。会社の中ではそれが難しかったりするし、世の中には排除が増えてたり、差別偏見があったり、信じれば信じるほど裏切られることもある。でも人を信じる考え方を持って活動することは悪いことじゃない。苦しいところはあるけれども、やり抜きたいところだよね

僕自身はどんなに歌が下手な人が来ても、踊りが下手なの人が来ても、コミュニケーションが下手な人が来ても「できる」って信じて迎え入れてあげるっていう力をコモンビートが提供していかないと結局社会は変わっていかないなと思ってる。やりたかったら誰でもやったらいいし、やりたくなかったらやらなくていい。そこがポイント。だから本人の主体性はすごく大事。市民活動としても、主体的にやるという点はすごくこだわってる。


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