「蟻の味」に取り憑かれた夏
何故、こんなことをしたのか。
連日の酷暑と、台風の影響による気圧変化に耐えられず、がむしゃらに猫田雲丹氏の「蟻の味」のイメージ画像をCanvaで作成しました。それが上記の画像です。
↓ 小説はこちらです ↓
↑書き出しからラストまで圧巻の猫田節↑
豆島は虫が嫌いです。足がダメです。
海老と蟹ですら、見た目が嫌で目を瞑ってむしゃむしゃいただくほどダメです。毛蟹なんて絶対に触れません。絶対に食べますが。
ですので、なぜ自分でもこんなことをしたのか意味不明です。
蟻をひたすらコピ、コピ、コピーして、キモッキモッと呟きながら作成しました。
誰かに頼まれた訳ではありません。
もちろん脅された訳でもありません。
猫田氏に至っては「そこまでして作っていただかなくても…」と完全に引いてしまう始末。
でも、それほど「蟻の味」の話に取り憑かれていたのです。
台風で落ちてしまった庭の無花果に夥しい数の蟻が群がるのを目にしたからかもしれません。ぱっくりと割れて、まだ少し酸っぱいはずの赤いつぶつぶをひとつずつ次から次へと運ぶ蟻たちは、何処から湧き出てくるのか。庭の雑草を掻き分けても、仏壇に缶チューハイを供えたついでに訊ねてみても、その巣穴は見つかりません。
私は蟻の退治を諦めると、再びパソコンの前に座り、おもむろに文庫本カバーを作り始めました。
誰か私をとめてください。
そうです。印刷すれば本当に文庫本のブックカバーにできます。
自分の筆名で自分の作品のカバーを作れば、作家デビューした気分になれるのに、なぜ「豆島文庫」の第一作目が猫田雲丹師匠の、しかも「蟻の味」なのか。
本当に意味が分かりません。
本棚に飾るとこんな感じです。
単なるコピー紙なので色も悪いしヨレヨレしてます。なぜ節約モードで印刷したのか、こんな時にもケチを存分に発揮する自分が悲しいです。
お隣が太宰の「人間失格」なのに他意はありません。ええ。もちろん。
ここまでして、やっと憑き物が落ちました。
庭にいた蟻の大群は、いつのまにか跡形もなく消えていました。
取り残されてしまったのか、ふと足元にいた一匹の蟻を左手の人差し指でぷちんと潰すと、どこか懐かしい無花果の匂いがしました。
*
最初は全て手書きしようと思いました。
この画像の左上に「手」がありますが、「ポケットから都こんぶが顔を覗かせている、しゃがんだ子供が蟻をつまもうとする構図」をイメージしていました。「しゃがんだ子」は斜め上から。頭頂部が見えて顔が見えない角度。表紙が頭蓋骨で裏表紙が子供、の繋がりで。
予想以上に自分には画力がなかったと2分で気づき、Canvaの無料画像での編集に走りました。
都こんぶ風の画像もせっかく作ったので、ブックカバーの折り返しのところに入れました。
何故に 都こんぶ?
と思われた方は、本編をお読みください。
この画像作成に取り憑かれていた約2日間は、物語を「書く」ことは全く考えられませんでしたが、とても充足感がありました。物語を考えるだけではなく、このような創作も楽しいな〜、好きなんだな~とあらためて実感することができました。
列をなして南下していった、あの蟻の大群は今頃どこにいるのでしょう。
そちらのお庭の雑草を少し掻き分けてみてください。
***
猫田雲丹さんのご厚意で、このブックカバーのPDFファイルをダウンロードをしてもいいよ~となりました(*‘∀‘)
ありがとうございます! おかげさまで成仏できそうです!
期間限定(期間未定)で、「猫田雲丹さんのショートショート集が書籍化された気分を味わいたい」というかた、是非いかがでしょうか。下段の注意事項をよくお読みになり、最下部の「ダウンロード」をポチってください。
厚さ1cm(300頁)程度の文庫本のブックカバーに丁度よいです。
ですが、折り目の位置は目安程度に。
「人生、目分量」がモットーの豆島が作ったトンボを鵜呑みにせず、ご自身の感覚を信じてください。
上下を折り曲げてから、左右を折り曲げるとカバーになりますよ。
では、心に余裕のある方、こちらからどうぞ。↓
※ よく考えたら、うちの庭に無花果なんてなかったし、そういや仏壇もなかったわ。 蟻を指で潰す? そんな小学生男子みたいなことしないって。
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