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『なぜ鏡は左右だけ反転させるのか』イベントレポート&書評掲載のお知らせ

7月23日(火)ジュンク堂書店池袋本店にて加地大介著『なぜ鏡は左右だけ反転させるのか』の刊行記念トークイベントを開催しました。

登壇されたのは著者・加地さんと、哲学者の清水将吾さん。
今回、清水さんをお呼びしたのは、同時期に『左右を哲学する』(ぷねうま舎)を上梓されたから。

偶然にも「左右する哲学」本が、同じタイミングで出版されたということで、同テーマでトークが展開されました。

<イベント内容紹介>
なぜ鏡は左右だけ逆転させるのか?――マーティン・ガードナーの『自然界における左と右』はこんな問いからはじまります。“鏡像反転”は生物学的、あるいは数学的な、それとも言語学的な問題なのか? たくさんの人の興味を引く内容ではないでしょうか。

今春、この「左右の問題」に取り組んだ2冊の書籍が刊行されました。清水将吾さんの『左右を哲学する』(ぷねうま舎)加地大介さん『なぜ鏡は左右だけ反転させるのか』(教育評論社)です。偶然にもテーマを同じくした書籍を同じタイミングで上梓した、哲学者お二人の対談が実現! 身近な謎を「哲学してみる」ことからお話をしていただきます。お二人の論点の共通性や相違性から、「左右の問題」の解の可能性が開けるかもしれません。


清水将吾さん(左)と加地大介さん(右)

読者の皆さんは「左右」という言葉をどう説明しますか?
私が子どもの頃は、お箸を持つ手の方が右、などと教えられました
(そしてずっと左右が覚えられなかった……)。
辞典には「この本を開いて偶数ページのある方」が右などと記載があったりしますね。
このように、左右というのは上下・前後とは異なっていて
「モノに頼る言葉」と言えます。
最初は左右という言葉について、話が展開されました。

そこに鏡像反転の謎が加わります。
鏡は"なにを”反転させているのか。議論は続きます。
加地さんの生存としての「回転」概念や、清水さんの「超越的な左右」を、
図や身体をもってダイナミックに説明していただき
本だけでは理解しづらかった点がクリアになりました(イベントの醍醐味ですね)。

最後は来場者の方からの質問タイムです。

・(自分の子どもの頃も同様でしたが)左右認知の難しさ
・高齢者ドライバーをめぐるアクセルの踏み間違え問題
・なぜ舞台では客席からみて右側が上手かみて、左側が下手しもてと呼ばれ、
年表の記載は左が過去を、右が未来を表すという時間の流れになるのか。

など、私たちの生活に潜む「左右の謎」に迫る素晴らしい質問。

物理法則では説明しきれない「合理性」を哲学をもちいて考えていくという、今回のテーマにぴったりな質問が投げかけられ、
本を読んだ方も、まだ読んでいない方も楽しめる内容だったと思います。

当日お越しいただいた皆様、暑い中でご来場ありがとうございました!

(イベントレポート終わり)


そして、この本の書評が8月3日(土)の朝日新聞朝刊・読書面に掲載予定です。→(8月4日更新)下記より、書評内容がお読みいただけます。
評者は野矢茂樹さん(哲学者、論理学者/東京大学名誉教授。立正大学文学部哲学科教授)です。

まだ本を読んでいない方に、noteでは試し読みを配信しています。

ぜひご一読ください。



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