ヒッチハイク旅中、孤独を感じて心が温かくなった話し。
ヒッチハイク旅を始めてみて、最初に感じたことは、人の優しさを感じる時と、冷たさを感じる時の振り幅が激しいという事でした。
人通りの多いところで行き先を書いたスケッチブックを掲げているときは、ほとんどの人が無視や白い目で見てきます。
逆に声を掛けてくれる時や、車に乗せてもらえた時は、思いやりや優しさをとても感じます。
もちろん、無視や白い目で見てくる方達を批判したい訳でもないし、その気持ちが分からなくないです。
ヒッチハイク旅だからこそ、いろんな感情に敏感になり、様々な気付きもありました。
これから、僕がヒッチハイク旅をしていて何故か突然涙が出てきてしまった時の話をします。
ヒッチハイク旅ではまず、人目につきやすくて、車が停車しやすいポイントを地図で選ぶことが重要になってきます。
そのポイントを見つけたら、その場所までひたすら歩きます。実際に7時間程歩いた事もありました。
特に田舎や早朝、夜中など、ひとけのない所をひたすら歩いている時、突然やってくるのが孤独でした。
馴染みのない道をただただひたすら歩くと、心が空っぽになった感覚になり、最終的なこの旅のゴールすら見えないような気持ちになる時があります。
その気持ちに気付くと、これまで無意識のように動かしていた足が、急に重く感じました。
そんな時、1番最初にゴールとして思い浮かんだのは、「家族」と「家」でした。
僕にとってこの2つが、無条件で僕を待ってくれている、「ゴール」だと思いました。
その時、当たり前に思っていたことが、すごく偉大で大切なものなんだと感じて、その安心感と、急に温度の上がった心に、思わず涙がこぼれました。
もちろん、この旅の目的やゴールはある程度設けているけれど、無条件で待っていてくれるのは家族だと思います。
その約1時間後、気仙沼市を歩いていてたまたま見つけたのが、
【気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館】でした。実際に震災の被害にあった学校がそのまま残されており、震災の記憶を実際に目で見ることができる場所でした。
そこは、ある日突然当たり前のように日常にある、すごく大切なものを災害によって奪われてしまった人たちの、感情や記憶に触れられる場所でした。
伝承館の見学を通して、被災された方々の強さや、団結力を感じました。
うまく言葉で言えないけど、当時、何度ニュースで震災の情報を目にしても、ここまでの感情にはならなかった。実際にその場所へ行ってみて、身体で感じることの大切さも、改めて感じました。