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博物館レポート②◇弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館 博物館レポート①の続きです。

入り口右手にある受付で展覧会のチケットを購入し、いざ入場です。

チケットはシール。これを見えるところに貼り付けて入場です。(美術館の建物への入館、ライブラリーの利用は無料)

汗だくになったのでクールダウンのため、ロッカーに荷物を預けお手洗いでゆっくりしよう・・・とやっている間にも、そこかしこに見たいものが出てきてぜんぜん落ち着けません。

さりげなく作品がある。
スタジオ
(トイレ内なので自粛ということで手洗い場のみチラ見せ)水が跳ねない手洗い場。シャープなデザインだけど煉瓦素材の温かみがある。


私が訪れた時期は蜷川実花さんの展覧会の最中でした。

入って左手の壁面。右手が受付になっています。
左の見切れているのが展示室への入り口でした。が、気が付かずに階段のほうへ行く私。いかに建物だけしか見ていなかったかわかります。
上ばかり見て歩いていて2階へ行こうとすると、受付の方に展示はコッチですと連れ戻される私。スミマセン・・・
ジャン=ミシェル・オトニエル《エデンの結び目》2020年(同館所蔵)弘前のりんごからインスピレーションを受けた作品。
展示室になかなか入らない怪しい客。
ようやく展示場内へ。展示室1。(1Fに展示室1,2,3、2Fに展示室4,5という構成)。変なところにある柱は建物の記憶。
展示室2から展示室1の眺め。壁面の違いがわかる。
展示室2-1(今回の展示は展示室2を2つに区切ってありました)
壁がカッコいい。
貯蔵室だったコールタールの壁面を展示室の壁に活用。この壁自体がアートのよう。
展示室3
桜のインスタレーション
中にも入れます。
2階から見た感じ。
壁に映る影。
とにかく壁がいい(展示をみなさいよ)。
展示室2-2
2階へ上がる階段を見下ろす。角の丸が良い。
手すりが円柱と角柱状⁉︎
フランスのポロンソー・システムに よる鉄骨トラスの屋根構造。
最後の展示「弘前の春」


ここからは「弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考(しらかみのぞきみこう)」」を見ながら、ライブラリーへと向かいます。

03 弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」HIROSAKI EXCHANGE #06 Bearing Witness to Shirakami 永沢碧衣《共鳴》2023年
永沢碧衣《共鳴(部分)》2023年
永沢碧衣さんは《山衣をほどく》でVOCA展2023年でグランプリを受賞した作家さん https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/2023/  《山衣をほどく》はカンヴァスにアクリルガッシュ・岩絵具・熊膠・墨汁など使って描かれるそうですが、熊の膠(色材の接着剤みたいなもの)を自ら作って使っていると知って衝撃を受けました(よく使われるのは鹿。牛、魚なんかもあるらしい)。その実物が展示されてました!
狩野哲郎によるスケッチやリサーチにまつわる資料。小鳥がかわいい。
08 弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」HIROSAKI EXCHANGE #06 Bearing Witness to Shirakami 狩野哲郎《魔術的な道》2024年
和田礼治郎《AMBER WINDOW(HIROSAKI)》2022年(同館所蔵)
1階の階段を上がるとここに出ます。
イギリス、クィーンポスト・トラスによる構造を補強し再活用
ライブラリー。誰でも閲覧できます。
ライブラリーから見えるシールドゴールドのチタン菱葺
時間帯によって色が変わるそうです。


今回は美術館建築を目的としていたので、床とか壁ばかり見ていて展覧会の内容には一切触れませんでした。

蜷川実花さんといえば極彩色の写真で有名ですが、この美術館の持つ建築の深みみたいなものがいい具合にキラキラ感を中和していたように感じました。いわゆるホワイトキューブと言われる作品ありきの展示室では出せない味だなぁと思います。
もちろん、博物館が所蔵する作品や展示品の温湿度管理など素材や性質によるものであることも大きな要因はあります。

弘前れんが美術館のような美術館は「場所」「建築」「作品」と、美術館の活動を総合的に感じることができ、博物館体験としてとてもいいなと思いました。
そして改めて建築が意識的にも無意識的にも人に与えるものって大きいんだなと感じ、そういった建築が自分の住む地域にあることはとても豊かなことだと感じました。

博物館建築のレポートは今回で終わりです。
しつこいようですが、最後に夕方の外の様子を再びご覧ください。

それでは次回は、いよいよ?最終回。ゆるめの弘前建築レポートをお届けします。

夕陽に照らされ、ゴールドの深みが増している屋根
美術館創設のために応援寄附をした人の名前が刻まれるミュージアムロード
製造初期のシールドの瓶とグラス。おしゃれ。
またね。

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