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顎関節症という歯科医療被害 3-10 顎関節空洗浄療法とパンピングマニピュレーションについて

(48P)

顎関節腔洗浄療法


「非復位性顎関節円板転位と
  変形性顎関節症の併発症状によっては、    
 パンピングマニピュレーションや
  顎関節腔洗浄療法、手術の適応になる。  
 外側部は、表面不正のため骨変化が
   さらに継続的に生じる可能性が高い。」

 [図11]の説明文にもあるように顎関節腔洗浄療法という不可思議な外科処置が何度も決まり文句のようにこの歯学書の随所で現れるのだが、それがどのように作用して顎関節の症状改善に有効なのか、洗浄療法の有効性について肝心な医学的根拠は何も記されていない。どんな難症例の患者を前にしても自信満々に何度でも繰り出すことが出来る彼らの必殺技「顎関節腔洗浄療法」の方法を簡単に説明すると次のようになる。

 患者を寝かせるか座らせるかして顎関節に太い注射針を2本刺し、点滴の要領で上側の針から人工関節液等を顎関節に流し込み、下側に刺したもう一方の針から溢れる関節液を排液して、それを適当に繰り返す。

顎関節腔洗浄療法
全くもって無意味な処置であるが、
これが後に続く凄惨な外科ごっこの始まりである

 ただ単純に顎関節腔内を満たしている患者本来の関節液を抜き出して偽物の人工関節液を注入して洗い流す、というのが彼らの洗浄療法の手技であるが、それがどう作用して患者が楽になるのだろうか。少しでも考えれば分かることだが、偉そうに白衣を纏いカエルの尻に注射針を刺して膨らませるような悪趣味なイタズラをしたところで、機械仕掛けの不具合から生じた物理的損傷にそんな処置が効く道理は何処にも無く、患者個別にある歯科原因状況が改善されるはずもないのだ。
 必要も無く水風船のように外から人工関節液を無理矢理注入して中から排液するとしても、注入された人工関節液で顎関節には本来よりも高い内圧が掛かることになる。洗浄療法直後、患者は顎関節に強い違和感を覚えるはずだが、それが治療の効き目なのか専門家の悪質なイタズラなのか患者には分かるはずも無い。症状が改善されたのかどうかも、違和感が消えた後にならなければ施術前と比較のしようも無い。
 そのような状況では洗浄療法が奏功せずに病状が悪化したとして患者が司法に訴えても悪魔の証明のように確たる証拠など何処にもあるはずも無く
「顎関節は患者固有のものであり、
  治療が奏功するか否かは
  個人の問題なので施術者に責任は無い」
などと不当極まりない判決が下され、顎関節症に係る歯科医療裁判ではことごとく原告である患者側が全て敗訴している訳である。救われるどころか、関節症専門家に助けを求めた患者達は司法にも切実な思いを裏切られ、深く傷つけられているのだ。

マニピュレーション

 ちなみにマニピュレーションとは施術者が患者の顎を手でつかんで無理やり動かす処置であるが、パンピングマニピュレーションは先の洗浄療法で穿刺(パンピング)して顎関節を人工関節液で膨らませた状態で同じように無理やり他人の手で患者の顎を動かす処置である。

マニピュレーション
百害あって一利無しの傷害行為であり、
そもそも非復位性円板転位など
専門家がでっち上げた実体のない架空の病である。

 マニピュレーションは円板軟骨が下顎頭前方で引っ掛かって大開口動作が出来なくなった場合(俗に言う急性ロック状態)でよく行われる処置であるが、百害あって一利無しのキチガイ地味た傷害行為である。なぜならば医療従事者が顎関節構造を理解していれば患者に指一本触れることもなく急性ロックを解くことが可能だからである。
 中途半端であっても円板軟骨が前方へずれるほど円板軟骨は下顎頭の正面ではなく、内側へ位置することになる。そのため無理やり患者の下顎を手で前に引っ張ってから下顎等を円板軟骨の縁に引っ掛けて後へ押し込もうとしても、前方転位で下顎頭の内側にずれた円板軟骨を元の位置の後方外側へ押し戻すことは不可能なのである。
 また、円板軟骨を後方へ引き寄せる筋肉は存在しないし、顎関節は口腔内から触診出来る範囲には無いので円板軟骨の位置を後方へ戻すには重力を利用する以外に方法はない。実際の処置の写真を見る限りマニピュレーションは患者を座らせて状態を起こした姿勢で行うようであるが、それでは円板軟骨を後方戻すことなど不可能なのである。
 マニピュレーションで患者の顎を無理やり引っ張ると、まだ正常に戻せたはずの円板軟骨が下顎頭によって押し出されて完全に前方転位して抜けることになり、それと同時に円板軟骨を後方へ繋ぎ止める後方靭帯が引き伸ばされてしまう。筋肉とは異なり靭帯には自ら収縮する力は無いので無理に引っ張られた後方靭帯の張力は元に戻らず、仮にその後で円板軟骨を整復したとしても円板軟骨を後方へ留める作用は正常に機能しなくなってしまうのである。
 何よりも欲にまみれたヤブ医者の手を口に突っ込まれなくとも患者自身で円板軟骨を整復して開口動作の引っ掛かりを解くことは十分に可能であり、洗浄療法もマニピュレーションも行う必要性は何処にもない。
 実のところ円板軟骨の整復に特別な器具など必要もなく、のし棒1本あるだけで下顎頭前方で引っ掛かっていた円板軟骨を後方へ戻し、後方靭帯を傷つけることなく開口障害を解消する事ができる。下に記すのは私が考案した自力で円板軟骨を整復するYou Tube動画のリンクである。

円板軟骨を確実に整復する方法https://youtu.be/5OrXm2AXS8A

 歯科治療に伴う円板軟骨の前方転位は顎関節を患うきっかけとなる大きな変化であるが、患者自身が身体の異変に気づいて早く処置を行えば著しく顎関節骨格を損傷することはないし、ヤブ医者の外科ごっこで身体を傷つけられることもないのだ。
 この歯学書では歯科医療従事者の無知と怠慢と私利私欲のために多くの患者が悲劇に見舞われている。一度変形した骨は二度と元の状態に戻せず、予防こそが医療の真髄である。歯科医療の知識など無くても私が動画に示した簡単な方法で円板軟骨を整復できる現実を知れば、顎関節症専門医がどれだけデタラメを働いていることか多少なりとも勘づくことだろう。顎関節をブラックボックス扱いしてきた悲惨な歯科医療と歯科医学の不都合な真実が多くの人々へ広がることを私は願って止まない。





















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