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顎関節症という歯科医療被害 3-15 画像診断について(7)  腫瘍・腫瘍類似疾患について(2)

(51P)

  知ったかぶりの言葉には道理が無い。「○○は✕✕である。」という説明が通じるには、 話す相手が「○○」と「✕✕」の意味を知っていて、それぞれを関連付ける事象を共通認識して理解していなければならない。 相手の理解を求めず、一方的に矛盾した自分の話をするだけでは他人からすればはた迷惑な自己満足である。話す相手の状況を考え理解度に合わせて噛み砕いた説明が出来ないならば、それは説明者自身が物事の原理を理解していないからだろう。
 同じ専門家同士で専門用語を効率よく使用するのは良いとしても、脈絡も無く不要に専門用語を並べ続けているだけならば、原理から物事を理解している本物の科学者の前では必ず知ったかぶりだと見破られるものだ。私は何よりも物事の道理を重んじて生きる人間である。社会の理不尽を前にしてもそれは変わらない。
 「正直者は馬鹿を見る」とはよく言うが、いつの時代からか何処かの名も知れぬひとりだけではない先人が口にしたその言葉はどのような思いから生まれたのだろうか。その響きが現代人の心まで生き続けている理由は何だろう。子供の頃から曲がった事が大嫌いだった私だが、この歯学書の中に顎関節症専門医の馬鹿な行いを目に余るほど見ている。患者がいることを思うとこの歯学書の著者に限らず歯科医師免許持ちは銭ゲバのヤブ医者だらけであるが、私は肩書で患者を騙すヤブ医者共に怒りを覚え、無力な自分に悔しさを味わい毎日がもどかしい。

 先の「腫瘍・腫瘍類似疾患について(1)」で詳しく触れたのは、パノラマX線で石灰化物が映し出される滑膜性骨軟骨腫症の「典型例」とされる症例だったが、次に説明するのはこの著者らが「非典型例」とする症例についてである。超常現象専門家のように画像診断の誤診から病を捏造する顎関節症専門医達が滑膜性骨軟骨腫症と呼ぶものが何なのかを示すのは、あやふやで実体のない「お化け」の定義を言い当てるようなものである。
 そもそも典型例・非典型例という仕分けも現象原理と原因状況を把握できないヤブ医者達が専門医としての威厳を保つためであり、無意味な外科ごっこの大義を得るために勝手な都合で創り出した言葉である。先にあった[図15,16]の説明文から典型例・非典型例の違いを改めて確認しておくと次のようになる。

○典型例・・・パノラマX線またはCT画像検査によって石灰化物が検出されるもの

○非典型例・・・パノラマX線とCT画像検査では石灰化物が検出されないもの

 また、[図15]の説明文から顎関節の滑膜性骨軟骨腫症には次の事が絶対条件であると推察できる。彼らの記す日本語が間違っていなければの話であるが、なんせ理系丸暗記馬鹿エリートのことである。

○滑膜性骨軟骨腫症・・・顎関節周囲に石灰化物が生じた状態

 とにかく滑膜性骨軟骨腫症と診断するには石灰化物の検出が肝なのだ。典型例の条件である明確な石灰化物の存在は、[図15,16]に示された内容から放射線を透過しにくいその性質を利用してX線・CT像によって骨の状態を観察するのと同じように顎関節周囲でも確認が出来るようである。 
 専門医によって滑膜性骨軟骨腫症と診断された典型例の患者で石灰化物が顎関節周囲に生じた原理は先の項で私が説明した通りである。削れた関節面の骨が関節液中に溶けて濃度が高まっていき、関節液の流れが小さい関節包の側方部分で顎関節包靭帯に染み込んだ骨の成分が結晶化することで石灰化物として画像診断で検出されるのだ。「典型例」の病理は把握できた訳だが、更に彼らが[図17]で示す画像診断資料から「非典型例」とする状態が何であるかを考えたい。

 次は「非典型的所見を呈した滑膜性骨軟骨腫症のMR像[図17]」の説明文である。

[図17]非典型的所見を呈した
滑膜性骨軟骨腫症のMR像

「T2強調像では、
  外側部では上関節腔全体が
    拡張し高信号を示しており、
      内部に低信号の点状部がある。
 やや内側部では上関節腔前方の
  拡張と高信号像があり、
    関節隆起最下点部に
      点状の突起状低信号像がある。」

 彼らはこの書の説明の中でさも当たり前のようにMR像を多用しているが、読み手にMRの原理を説明する内容は一切なく「画像では○○だ。」といった短絡的な記述しかなされていない。だが、あくまでもMR像は状況判断する為の1つの情報に過ぎず、MR像だけで明確な診断が出来る訳ではない。MR像だけでなくCT像も状況を補足する為の検査資料であり、実際の患者の症状と併せて総合的に判断し、矛盾が無ければそこで初めて明確な診断が可能になる。
 しかし、それには大前提がある。それは画像診断する人間が専門とする部位の解剖学構造を自分の頭の中で3次元的に把握できる事と、使用する設備の撮影原理や撮影時の状況と、得られる情報の限界をわきまえている事である。単純に画像診断能力の有無である。MR設備は何億円するものなのか存じないが、ただ使用するだけで万能な精密検査がお手軽に出来る訳ではない。機械設備自体が嘘をつくはずもないが、自分の実力を過信したエリートな人間がその歪んだ眼差しで画像を見たものならば誤診に至るのは想像に難くない。そして、現にこの歯学書に提示された診断画像の説明文は矛盾だらけであり、顎関節症専門医の画像診断が誤診だらけであることを物語っている。

[図17]a下顎頭外側部のMR像
顎関節前後の明るい像を黃矢印で指し示して
この著者は拡大した上関節腔であるとしている。
また、下顎頭前方の黒い像を白矢印で指し示して
円板軟骨(D)であるとしているが、
水素原子がプロトンであるこのMR像では
水分量の多い軟骨組織は高信号で白く明るく映る。
そのため黒い像が円板軟骨であるわけもなく、
(D)で示す黒い像はただの関節腔と関節液であり、
いつもと同じくこのMR画像診断も誤診である。
[図17]aの構図を私が解説したもの
黄矢印で指し示した明るい像は
前方が円板軟骨の後方肥厚部であり、
後方が円板後部結合組織に繋がる後方靭帯である。
水分量の多い円板軟骨と後方靭帯の一部が
高信号で白く明るく映っているからといって
上関節腔全体が拡張していることにはならず、
この著者の説明文は誤診に基づく妄想に過ぎない。
[図17]b下顎頭中央からやや内側部
「上関節腔前方の拡張と高信号像」があり、
「関節隆起最下点部に点状の突起状低信号像」
があると黄矢印箇所を説明文で記している。
「点状」なのか「突起状」なのか、
どっちやねんとツッコミをいれたくなるほど
なんとも間抜けでいかにもインテリぶった
理系丸暗記馬鹿エリート的文章である。
[図17]bの構図を私が解説したもの
顎関節前方の白く明るい高信号像は円板軟骨であり
「点状の突起状低信号像」は丸い関節隆起と
円板軟骨中央狭窄部の間に生じた隙間であり、
黄矢印で示した暗い像はただの関節腔と関節液だ。
本当に間抜けな話であるが、
残念なことに最初から最後まで
この歯学書の画像診断は誤診ばかりである。
MRやCTの原理を理解せず、
解剖学構造も理解せず、
機械仕掛けも理解せず、
そんな顎関節症専門医達に
初めから画像診断が出来るわけもない。

 一言にMR像といっても検査の目的によって画像の映り具合を調整して撮影されているようだ。疑う病態特有の変化が撮影像としてより明確に反映されるよう、経験則から割り出した調整のバランスを目的ごとに合わせてチャンネルの様に割り振り、それぞれに「MR(○○)像」といった具合で撮影状況が分かるように呼んでいるのである。この書で度々現れる「T2強調像」、「T2*像」、「T1像」、というのがそれである。
 だが、元々MRは顎関節に使われて発展したものではなく、脳や内臓、膝など身体の至る所で身体の状況把握に使用されて他の医療分野で大きく発展して来たものである。また、MR像の画素数が変わらないのであれば同じ関節であっても肘や膝と顎関節では観察部位のスケールが違い過ぎる。日本では医師と歯科医師は全く別の資格であり、「医科」と「歯科」の間にはエリート同士の見えない壁がある。医師になれず偏差値で劣等感を抱えたままプライドの高い口腔外科・歯科医師達は医科の分野で発展したMR画像診断技術から素直に学ぶ事が出来ず、後れを取って孤立しているのではあるまいか。だから、見様見真似してデタラメな画像診断を繰り返し、誰に採点される事も無く自分の実力を過信してしまい、恥も外聞もなく自らの画像診断誤診の証拠をドヤ顔で掲載してこのようにお粗末な歯学書を高値で出版しているのである。

 顎関節を観察するため特別にMR設備が作られた訳ではなく、顎関節の病態把握にMRIを応用しているつもりの口腔外科医師達は過去問題も参考書も無く、医師が立ち入ることの出来ない未開拓領域に自分の旗を立てて喜んでいるお山の大将のように目も当てられない悲惨な状況なのだ。そして、ここまでにも私が示してきたように、顎関節専門家の口腔外科医師達には顎関節にかかる病の病理など把握することは全く出来ておらず、画像診断する為の補足情報となる顎関節動作の機械仕掛けの理解すら全く無いような状況である。御立派な肩書の顎関節専門医達はMRもCTも原理を理解せずに他の分野で行う医師達の検査方法をただ猿真似しているだけに過ぎないのだ。

 脳の分野では脳内出血や脳梗塞の迅速な検査の為にMRIが使用されるようだが、何故MRIが病態把握に有効かと言うと、血液が脳内で出血すれば出血箇所では血液が滞留して血流が局所的に無くなるし、血管が詰まってもその箇所では血流が遅くなる。そこで水分量の多い血液に焦点をあてて患者のMR像を得れば、問題なく流れの早い部分では血液があっても像として定まらずに像は低信号となり、脳内に出血があれば出血箇所に滞留する血液の形跡が高信号として像に現れる。また、脳梗塞で血液の流れが遅くなっている血管部位では完全に血液の流れが止まっていなくても他の血管部位よりも比較的高信号として像に反映されるのだ。カメラのシャッタースピードを遅くした際に、被写体が動けば像にブレが生じて消えてしまい、尾を引くように間延びした像になるのと似ている。
 同時に撮影した同じ血液であっても状況によってはMR像で全く映り方が違うという事である。また、出血等によって変化する微量な成分の違いによって、同じ血液でも低信号・高信号箇所が生じるという事があるようだ。MR像はいくつもの原理が同時に作用してそれらの兼ね合いによって明暗が示されている。それ故に微細な状況の違いまでも像に反映する事で異常を捉えるきっかけに出来るのだろうが、画像診断する人間が馬鹿の一つ覚えに

「高信号だから○○だ」
「低信号だから✕✕だ」

などと短絡的に思い込んでしまえば、この歯学書の様に盛大な誤診を連発するのである。

 MR像は何を基準にして検査情報を得るかによって像の明暗は簡単に反転してしまう。白く映っていたはずの同じ骨が、撮影基準が異なる別の像では黒い影のように映る事もある。カラーテレビを自分で画像調整し、色合いを変えて異色な画像にしても、モノクロ画像にしても、そこにある像の本質は変わらない。それを見る人間の経験則がそこに映される画像状況を推測するだけである。だが、学歴エリートであろうとも、専門的に学んで国家資格を得た放射線技師でもないのに片手間で学んで像に違いが出る細かな条件を厳密に理解することは無理であろう。
 MR撮影で得た信号を情報変換するバランスも他の分野で培われた経験則である。どのような条件であれ、患部と周囲の状況を照らして像の映り具合に矛盾が無いかを自分で確認しなければならない。そうでなければマニュアルとする畑違いの経験則に従って、顎関節という未開拓領域を口腔外科医師は盲目的に画像診断している事になる。だからこそ、全体像を把握する為には顎関節局所ではなく、頭骨全体の解剖学が重要なのだ。勿論、そこには歯科技工士の専門領域である「歯」と「咬合」も含まれている。

・画像診断であらぬ妄想にふけり
 現実と願望を混同して顎骨と顎関節を
 ひたすらにいじり倒す口腔外科医師
・顎関節の違和感を訴える患者を前にして、  
 口の中しか見ずに歯を削り倒す歯科医師
・石膏模型上で物を作る事しか許されず
 患者に指一本触れられない歯科技工士
・患者にとってどうでもいいプライドを守り  
 スケベ根性をあやしながら生活のために
 歯科医師をおだてなければならない
 歯科衛生士、歯科助手、受付嬢、
 玉の輿狙いで化粧のケバい女性スタッフ

 日本の歯科医療従事者で歯科医学を総合的に考えられる人材は皆無である。腐敗した歯科医療従事者の頭には金稼ぎしかなく、純粋に切実な思いで治療を望む患者の立場になって物事を考えられる人間もいない。 ここまでを記してきたのは不当な待遇で歯科技工士として生活できなかった無職で生活保護の私である。






















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