顎関節症という歯科医療被害 2-10 関節円板切除術について
(32~33P)
私がこれまでに示してきた中では関節円板という軟骨の名前が説明の随所に現れ、その重要性が多少なりとも読者には感じて頂けていることかと思う。関節円板が無くなってしまえば脱臼防止機構の要を失い、患者の顎関節を正常に戻すことは不可能になってしまうのだが、顎関節症専門家のヤブ医者達は後述する口実により患者の関節円板を切り取ってゴミに捨ててしまう。外科ごっこで散々いじり倒してどうにもならなくなった患者の顎関節から手前勝手に遊び散らかした証拠を隠滅することも、専門家を自称する彼らが自分達で新しく病をでっち上げてしまえば簡単に可能だという事でなのである。
機械仕掛けの理解には能動的に考えることが必要であり、言葉に固執した読解力や丸暗記が通じない。顎関節に異常が発生した本当の原因と発生原理をいくら解説しようとも、ヤブ医者と同じく学歴エリートの司法に携わる人間が「私達は専門家ではないからわからないし、専門医がそう言うならばきっとそうなのだろう。」と、権威主義的に突っぱねたらそれまでの話である。
円板軟骨を切除したことで症状が悪化したとしても、術後には円板軟骨がある状態と比較することができないので術後に現れた症状と切除された円板軟骨の因果関係を示せず、犯行を訴える決定的な証拠が1つ無くなってしまう。誰も自分の受けた手術が失敗だったなどとは考えたくないはずだが、 手術の傷が癒えても異常な症状が収まらないと自覚した頃には既に患者の顎関節構造はヒトのものから外れてしまった後である。
私はこの歯科医学書に対する批判文を示す直前に公益通報者一斉相談窓口というものを利用して歯科医療の不正を告発しようと大阪の弁護士に相談したことがあった。その際に対応してくれた弁護士から聞いた話では
「顎関節は患者個人が持って生まれた
固有のものであり、治療行為が
奏功するか否かは個人差の問題である。」
と、裁判官が顎関節症専門家を自称するヤブ医者の専門用語に巻かれ、治療行為に効果があるかどうかは運任せだよと言わんばかりの滅茶苦茶な判決を下し、顎関節症に関わるこれまでの歯科医療裁判はすべて原告側(患者)が敗訴しているというのが歯科医療裁判の現状であることを知った。
しかし、持って生まれた患者固有の顎関節を医学的根拠も無い外科処置によって破壊したのはこの著者ら日本顎関節学会所属の口腔外科医師である。そして、連中のしでかした悪行の証拠は1つだけではない。次の文は彼らが患者の関節円板を切り取る口実である。
「進行した変形性顎関節症や
腫瘍性病変では、
関節円板の切除が適応となる。
術前の臨床症状と画像診断の解析が
重要である(図12,13)。」
仮の話だが膝の不調で精密検査をして膝関節の軟骨に突起が出来てしまっていたとする。その症状を改善するとしたら専門外科医はどうするだろうか。干渉している軟骨の突起を削って、その周囲に合わせてなだらかにすることは処置として考えられるだろう。しかし、何の合理的な理由も説明も無く膝の関節軟骨を両断し、腱や靭帯から切り取って軟骨を全部摘出してしまうとなればどうだろうか。それと同じようにこの関節円板切除術というものはただ事ではないキチガイな外科処置であるが、ここに記されているのは紛れも無くただ事ではない馬鹿の傷害罪である。
関節円板切除術の適応症として「進行した変形性顎関節症・・・」とあるが、別の章では自分の身に異変を感じた15歳の少女が彼らの専門外来を訪れMRIによるインチキ画像診断を受けて異常なしとされ、それから僅か3年の間に顎関節の骨が手も付けられないほどに著しく変形している。それは患者の訴える痛みの原因を特定しないまま○○医師が消炎鎮痛剤を処方したがために患者は骨が潰れる痛みを本来の激痛とは感じなくなり、自分自身の状況も分からぬまま顎を使い続けた結果として重篤な変形性顎関節症となってしまったのだ。あくまでも 「進行した変形性顎関節症」とやらはいきあたりばったりでずさんな歯科医師と顎関節症専門家たる口腔外科医師のデタラメな歯科医療行為が作り出した歯科医原病なのである。
仮に自分達の行いに非があると知っていたとしても、学歴エリートな彼らは自分に不利益な証言をするはずも無い。もし仮に骨が変形する前に患者が自身で専門外来へ行ったとしても、彼らは患者の異常に対してそ知らぬふりをするかも知れない。芽が出た難病の木を育ててお金の実が収穫出来る日を待ちわびているとは思いたくないが、この書にある彼らの外科処置には何の合理性も無いもばかりで、むしろ症状を悪化させるものすらある。彼ら専門家が何故そのような危険極まりない人体実験行為に及ぶのかと考えれば、私には他に解せる理由が無いのだ。不合理な外科処置の数々がわざとでなければ本当に専門医達の目はそろいもそろって節穴だらけで考える頭のない馬鹿なヤブ医者という事になる。おそらくその両方だろう。
外科処置を行うその動議として「術前の臨床症状・・・」とあるが、これはとても曖昧な表現である。患者の主観的な症状なのか、あるいは後に出てくる「Wilkesの分類」とやらを示しているのか・・・。目の前の患者主訴をないがしろにしておいて、チャートに従うだけの彼らが何を示して臨床という言葉を使うのか、私には全く分からない。失敗から学べないのは臨床家として失格であるし、間違いを間違いと認められず分からないことを知ったかぶりするエリート意識は臨床家に不要な資質である。
提唱したWilkesの意図は何だったのか、その人が何処の誰だかも私は存じないが、Wilkesの分類に表されている内容は健常な状態から関節円板が転位した後で患者に現れる症状や顎関節の変化をその経過状況によって5段階に分類したものであり、その分類はいずれも矛盾無く説明がつくものである。
だが、分類はあくまで観察者都合の仕分けであり、それに当てはめれば患者個別の原因状況を特定出来るというものではない。症状から逆算して患者のおかれた状況をある程度把握することは出来るだろうが、それが可能なのは病理を理解していてこそである。
しかし、現実にはわざわざ専門外来を訪れるほどの患者が普通ではない痛みや違和感を訴えたところで、顎関節症専門医達はチャートや分類表にならって「○○性顎関節症」と診断してはみても症例ごとの原因状況を特定して外科処置をしている訳ではない。重要であるとする「画像診断の解析」とやらも、後に私が証明していく事になるが誤診だらけである。
[図12]には関節円板切除の手術写真が示されている。それに続く注意事項の説明では次のようにある。
「本法では、円板後部結合組織の
慢性炎症病態の解消が、
術後痛の残存にかかわるため、
術中によく観察して
切離部位を決定すること。」
「円板後部結合組織の慢性炎症・・・」とあるが、円板後部結合組織は関節円板の後方で2つに分かれて上下の骨格に繋ぎ止める靭帯へ移行する軟骨と靭帯の間の組織であり、後部結合組織には血管と神経が集中している。その為、円板軟骨が前方転位すると後ろに繋がる円板後部結合組織も前に引き出され、顎関節動作に伴って側頭骨と下顎骨の間で後部結合組織が圧迫されてしまうと顎関節に痛みが生じることがあるわけだ。円板後部結合組織は軟骨の様に骨と骨の間を円滑に支える為にあるのではなく、圧迫されれば微細な血管が潰れて炎症を起こすだろうし、上下を骨に挟まれた状態で腫れてしまえば逃げ場も無く、患者は顎の動作をしなくても慢性的に痛みを感じるようになることは十分に考えられる。
「術後痛の残存にかかわる・・・」とあるが、患者の顎関節に痛みが生じるのは何故かを考えられるならば、患者の顎関節がどのような状態にあるのかも手術前に分かるはずである。ヤブ医者が自分の見識の無さを棚に上げて診断チャートに従い心因性の痛みであるなどと決めつけて、顎関節の痛みを患者自身の気の迷いだとするのは論外である。本当に気が狂っているのは誰だろうか。現実を不自然に湾曲して認知している顎関節症専門家のヤブ医者達である。
「術中によく観察して切離部位を決定すること。」と続いているが、[図12]の手術写真にあるように手術中はドレーピングをして、切り開いた顎関節が局所的に見えるだけの状態である。術前に患者の状態が把握出来ていないのであれば、太いワイヤーを2本も骨に突きさして開創器具で顎関節を無理矢理こじ開けて観察してみたところでそれ以上に何も分かるはずがない。
「切離部位」は一体何を判断基準にして決定するのか、何の参考にもならない無意味な説明文句である。後にも触れる恐ろしい話だが、この歯学書の中で彼らは関節円板軟骨だと決めつけて全く違う骨軟骨を切り取って全部摘出し、その手術写真の説明文で自供している。外科ごっこ自慢したいが為に傷害行為の証拠を自ら歯学書に提示するなど、馬鹿が墓穴を掘るようなとんでもなく間抜けな話である。
関節円板切除術の手順が[図12]の説明にあるが、止血して電気メスで関節円板が全部切り取られて片側の付着位置が何処にも無くなってしまった円板後部結合組織と外側翼突筋はその後どのように処置され、術後に患者の身体がどう変化していくものなのか一切の説明が無い。連中はここでもお片付けの大事さも知らずに患者の身体を外科ごっこでもてあそび、散らかしたまま無責任にヤリ逃げしているのである。
関節円板切除術を具体的に示す為なのか、「検体標本による関節円板切除の観察[図13 a ,b]」として、生身ではない人体を提示している。[図13a]の説明文には次のように記されている。
「矢状断標本(右側顎関節)での
関節円板前後の切離線。
板が前後的に圧迫され
念珠状に変形している例では、
前後径はもっと短くなっている。」
[図13a]には手術の指標として参考の切離線が点線で記されているのだが、これまでの説明文と照らせばとても不自然な図である。
先ず、図の中でこの著者は何処から何処までが関節円板だとして前後径を比較しているものなのだろうか。関節円板は下顎窩から関節隆起の山と谷の間をクネクネ形を変えて上り下りしながら、前後に大きく移動する可動性の軟骨である。その動作が可能なのは円板軟骨の中央が狭窄して薄く柔軟な為である。そのため円板軟骨が転位して顎関節内で動作から外れてしまえば前方の外側翼突筋に押し戻され、円板軟骨は簡単に前後的に折りたたまるように変形して見える事だろう。それが果たして説明文にある「念珠状に変形」という表現で適切なのであろうか。
実のところ転位してしまった円板軟骨を整復すれば前後から押し付ける力が働かず、円板軟骨は元の形状に戻ることが可能である。中央狭窄部から円板軟骨が折りたたまるとしてもそれは塑性変形しているわけではないし、円板軟骨が念珠上に変形するというのはインチキでたらめな顎関節症専門医の嘘ということなのである。
また、関節円板切除前方の切離線として示している点線が横切るのはいったい関節円板軟骨の何処に当たるのだろうか。それ以前に円板軟骨に繋がる前後の組織やそれぞれの付着位置がこの歯学書には何も示されていないのに、切断面がどのような構図なのかすら碌な解説もないまま、ひとりよがりにただ解剖写真を提示するのみである。
外側翼突筋が死後硬直の例外でないのであれば解剖写真で提示されている検体の関節円板が死後硬直した外側翼突筋によって、生前の元の状態よりも前方に位置してしまうということも十分あり得るだろう。故人が解剖標本となるまでにどのような経緯があるのか私は存じないが、顎関節円板軟骨に付着する筋肉は前方のみである。
死後に顎関節で円板軟骨が前方に移動してしまうと誰かが意図して検体を動かさない限りは円板軟骨が少なからず正常な位置よりも前進した状態で解剖されることになるはずだ。生きている患者と死んでいる検体では顎関節の位置関係が一致するとは限らないし、検体の顎関節を観察する場合には死後硬直が起きた後の状態であるという前提を忘れてはならない。
説明文はまるで違いを知る人であるかのような言い草であるが、顎関節円板軟骨の前後径などはじめかあってないようなものである。なぜならば円板後部結合組織に移行していく境目のない円板軟骨をどこで区切るかは観察者のさじ加減だからだ。仮に関節円板に前後径があるとして、それは患者固有の骨格に合わせた大きさであり、そもそも他人と比較できるものではない。前方転位したことで「念珠状」に変形して「縮んでいる」ようにみえる関節円板の前後径も、元通りに軟骨を整復するか引っ張るかしてえんばんなんこつぜんたい折りたたまっていない元の状態に戻してから比較して初めて分かるものだろう。 また、円板軟骨は前方に転位して顎関節の動作から外れてしまうと外側翼突筋によって内側前方へ抵抗もなくただ引っ張られるだけである。顎関節骨格に挟まれて本来の作用をする訳でもなければ、押しつぶされるように変形する力も加わるはずがない。なぜなら円板軟骨は滑りがよくて前方へ抜ける逃げ場がいくらでもあるからだ。
[図13 b]では「手術切除した関節円板を、下方からみた所見(変形が少ない検体例)。」と説明があり、ヤブ医者のキチガイな外科手術によって無残にも切り取られた綺麗な関節円板の写真が提示してある。ここで疑問なのが、何故これほど綺麗な関節円板が患者の顎関節から切り取られなければなかったのかということである。
関節円板切除術の適応症として冒頭には変形性顎関節症だけではなく「腫瘍性病変」ともあるのだが、この綺麗な円板軟骨の何処に腫瘍性の異常があるのだろうか。「変形が少ない」どころか、この円板軟骨は初めから変形などしていないのではないか。変形していると主張するのであれば元あるべき関節円板の解剖学的構造を明示してから、患者の関節円板が元の形状とどう違うのか解説して頂きたいものである。先述したように一度前方転位した関節円板はそれ以上力が加わることもないので潰れようにも潰れようがないのだ。
また、[図13 b]に拡大写真で示されている円板軟骨が右側・左側のどちらであるとも記されてはおらず、「内側・外側・前方・後方」とあるのだが、読み手にはとても紛らわしい不可解な説明図である。 彼ら顎関節症専門医にはこの歯学書で読み手の理解を得ようとする意図は初めから無いのであろう。本当に見掛け倒しで学ぶ価値の無いくだらない歯学書であるが、顎関節症専門医の悪行の証拠として、また歯科医学の黒歴史として保管する価値はある。
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