見出し画像

顎関節症という歯科医療被害 2-11 閉創と術後処置について

(34P)

 散々な外科処置により患者の顎関節が破壊された後で意気揚々だった○○医師達がどのように後始末をするのか、空白だらけな34Pの半分程度に写真も図も矢印も無く文字だけでおざなりに記されている。
 その内容はといえばごく単純なことだ。開いた顎関節を魔法のような「商品名®」で閉じ、初めに切開した皮膚までを糸で縫合するだけ。まるで作った折り紙を開き直して、紙切れに戻すだけであるかのような書かれ方である。

閉創と術後処置(34P)

 だが、彼らはその外科処置の前処理として複雑に重なる靭帯をメスで切り開いて付着する骨から引きはがし、単に見えやすいからという自分の都合で骨までも切り割っているのである。切開していじくり回した患者の顎関節を元通りに戻せている訳が無いのだ。  事の重大さを知る私としては彼らの犯した傷害行為の自慢話を読めば読むほどに心中穏やかでなくなってしまうのだが、この書に登場する症例は現実にひとりの人間として存在している(していた)患者達である。 患者達はおかしな外科処置を受けたその後で無事に生活を送ることが出来ているのだろうか。耐え難い苦痛を抱えたまま医療不信に陥ってしまい、訴える術も無く泣き寝入りしているのではあるまいか。正当な理由も科学的根拠も無く不当に身体を傷つけられたなら、相手が専門医であろうとヤブ医者であろうとそれは傷害行為である。功名心から外科ごっこをひけらかしてデタラメな医療行為を正当化するために歯学書内で患者を実験体のように晒すのは患者の尊厳までも傷つける非道な行いである。私は元歯科医療従事者として大切な患者の尊厳を悪党共から守りたい。 

 変形性顎関節症と関節円板切除術後の処置として次の項目がある。
「術後の咬合状態の観察と、
  開口リハビリテーション期間には
   咬合変化がないよう注意を払い、
    必要に応じて
      スプリントによる管理を行う。」 
 
はじめから口腔外科医師達に咬合状態を把握できる能が無いことは知れているのだが、そもそも彼らはスプリントに何を期待してその製作を歯科技工士に指示するのだろうか。 
 歯科技工士は法律上、患者に触れる事が許されない。そうである以上は患者の状態を見極めるのは担当医の任務であり、そうでもなければ彼らが歯科技工士の取り分を技工料金から不当な割合でピンハネしてよい道理など何処にも無い。実のところ立場にものをいわせて技工料金を歯科医師がピンハネすると最も割りを食うのは何も知らない患者であるが、既に日本の歯科医療が崩壊している現実についてここでは割愛する。
 スプリントとは上下の歯列全体に被せるプラスチック製の板のような物の総称であり、知ったかぶりがスプリントとひとまとめに言っても、その使用目的が違えば製作方法も期待できる効果も全く異なるものである。
 後のインチキ診断チャートの中で、スプリントが効くか否かで病状を特定しようとする内容がある。逆にいえば顎関節症専門医は効くかどうかも分からないまま、使用目的も効能も不明なスプリントをとりあえず患者に装着させているのである。あくまでもスプリントは治療器具であって診断装置ではない。この歯学書の著者である日本顎関節学会所属の口腔外科医師達はやっていることが点でデタラメなのだ。

 変形性顎関節症(習慣性顎関節脱臼症)の外科処置後、患者の咬合(歯だけの噛み合わせ)に変化が現れるのは考えてみればごく当たり前な現象である。咬合の土台である顎関節の骨格が外科処置によって削られてしまうと、側頭骨関節面と下顎頭の隙間が術前よりも開いてしまう。そうなれば噛む力が働いて上下の歯が接した時、顎関節で上下に隙間が空いていれば顎関節動作の支点が浮いたまま歯だけで噛む力を支えることになる。
 何週間なのかは知らないが「開口リハビリテーション期間」で咬合変化せずにやり過ごしたところで、退院後に長く続く日常生活の中で患者の歯は変摩耗して上下歯列の接触関係が変化することは目に見えている。術後の咬合変化は顎関節の機械的な仕組みの異常が「節穴の目」にも見える程あからさまに現れた結果でしかないのだ。
 歯科医師は顎関節に全く無理解で患者の口の中しか見えていないが、それに対して顎関節症専門医を自称する日本顎関節学会所属の口腔外科医師達は患者の顎関節を偏執狂的に観察するばかりで咬合に無頓着であり、歯科医師も口腔外科医師も顎関節と歯の相互関係を全く理解していないのである。











いいなと思ったら応援しよう!