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顎関節症という歯科医療被害3-19 画像診断について(10) 腫瘍・腫瘍類似疾患について(5)
(52P)
私が先の項で解説した「二重造影」CT像として提示しているはずなのに「下関節腔は単一造影」だとして担当著者の意味不明な説明文を添えられた[図18]は矢状断CT像であるが、[図19]では同一症例が前頭断CT像で示されている。前頭断は身体を正面方向から観察した様な状態であるが、次はその「顎関節腔二重造影CT像[図19]」の説明文である。
「図15 bと同症例の修正前頭断像。(中略)
顎関節症という歯科医療被害 3-17 画像診断について(9) 腫瘍・腫瘍類似疾患について(4)前編 造影CTの原理
(52P)
滑膜性骨軟骨腫症の非典型例としてこれまでに説明されてきた[図15 b]の症例患者を次に彼らは二重造影CT像で観察している。[図15]のパノラマX線でも[図17]のMR像でも、これまでに著者らが示してきた診断画像では滑膜性骨軟骨腫症の断定に必要な石灰化物がどこにあるのか示されておらず、説明文にも明記されていない。
ここで気になるのが彼らの画像検査順序である。42Pに示された「各
顎関節症という歯科医療被害 3-15 画像診断について(7) 腫瘍・腫瘍類似疾患について(2)
(51P)
知ったかぶりの言葉には道理が無い。「○○は✕✕である。」という説明が通じるには、 話す相手が「○○」と「✕✕」の意味を知っていて、それぞれを関連付ける事象を共通認識して理解していなければならない。 相手の理解を求めず、一方的に矛盾した自分の話をするだけでは他人からすればはた迷惑な自己満足である。話す相手の状況を考え理解度に合わせて噛み砕いた説明が出来ないならば、それは説明者自身が
顎関節症という歯科医療被害 3-14 画像診断について(6) 腫瘍・腫瘍類似疾患について(1)
(50P)
次は「腫瘍および腫瘍類似疾患について[図15-19]」の説明文である。
「顎関節において
最も頻度の高い腫瘍類似疾患は、
滑膜性骨軟骨腫症である。
以下、手術の適応される症例で、
石灰化物のある例と無い例を示す。」
この項では何の前置きも無く「腫瘍類似疾患」とあるのだが、そもそも類似しているという「腫瘍」とは何なのだろうか。終始にわたり脈絡も無
顎関節症という歯科医療被害 3-13 画像診断について(6)乳突蜂巣の認識の誤り
(49P)
[図14]の解説では外科処置に先立って、顎関節周辺骨格の状況をCT像で把握する際の注意点が記されている。
「c、dでは乳突蜂巣(MAC)の
含気部が下顎窩上方から、
関節隆起(E)まで及んでいる。」
先ず、「乳突蜂巣」とは何なのかと言えば、側頭骨の一部である乳様突起という骨の中が蜂の巣のように空洞になっている骨格構造を示す言葉である。乳様突起は首の筋肉が付着
顎関節症という歯科医療被害 3-12 骨変化[図13]の画像診断について(5)なぜ嚢胞が発生したのか
(49P)
「転位」とは正常な位置からずれてしまうことである。関節円板転位の状況の違いとして顎関節症専門医である彼らは碌な説明も無いままに復位性顎関節円板転位と非復位性顎関節円板転位があるものとし、それぞれを略して復位性・非復位性の顎関節円板転位として顎関節円板障害(顎関節症Ⅲ型)の話を一方的に展開している。だが、現実には円板軟骨の前方転位に復位性も非復位性もなく、それらが画像診断の誤診に基づ
顎関節症という歯科医療被害 3-10 顎関節空洗浄療法とパンピングマニピュレーションについて
(48P)
顎関節腔洗浄療法
「非復位性顎関節円板転位と
変形性顎関節症の併発症状によっては、
パンピングマニピュレーションや
顎関節腔洗浄療法、手術の適応になる。
外側部は、表面不正のため骨変化が
さらに継続的に生じる可能性が高い。」
[図11]の説明文にもあるように顎関節腔洗浄療法という不可思議な外科処置が何度も決まり文句のようにこの歯学書の随所で現れるの
顎関節症という歯科医療被害 3-8 変形性顎関節症MR像の誤診について
(47P)
先の解説でこの著者が復位性・非復位性顎関節円板転位であるとする症例のMR像[図7,8,9]では円板軟骨など何処にも映っていなかったのだが、変形性顎関節症として提示されている次の症例のMR像[図10]では円板軟骨が映っている。ただし、いつものことながらこの著者は暗く映る関節腔内の関節液を矢印で指し示し、それを円板軟骨であると間違えて誤診している。
[図10]の症例は18歳女性である
顎関節症という歯科医療被害 3-7 非復位性円板軟骨の嘘について
(47P)
先にあったMR像[図7,8]の誤診から円板軟骨の前方転位に「復位性」があるなどとても疑わしいことを示したが、[図9]にはこの著者が「非復位性」であるとする1症例のMR像が提示されている。
[図9]aは顎を閉じて噛んだ状態のMR像であるが、ここでもこの著者はMRの原理と常識を無視して暗い像を矢印で指し示し、それが前方転位した円板軟骨であるとしている。先にも説明したが水分量の多い円板
顎関節症という歯科医療被害 3-6 復位性顎関節円板転位など存在しない理由
(46〜47P)
円板軟骨の前方転位に復位性も非復位性もないということを裏付けるため、46〜47Pに示された専門医によるMR像の誤診について私がMR像の構図を一枚ずつ示す形で解説していくことにする。
顎関節症専門医が復位性顎関節円板転位であると主張する1症例のMR像が[図7]と[図8]に示されている。
[図7]aでこの著者は(iz)を円板軟骨の中央狭窄部、(pb)を円板軟骨の後方肥厚部で
顎関節症という歯科医療被害 3-5 画像診断について(3)
(46~47P)
[図7・8]には復位性、[図9]には非復位性の顎関節円板転位の症例がMR画像で示してあり、[図10-12]では変形性顎関節症の症例が提示している。この著者はそれぞれを典型的な例として解説しているのだが、提示される写真はどれも「矢印祭」状態であり、MR像の構図についてまともな説明文が全くない。
先にも解説したように円板軟骨の前方転位に「復位性」などなければ「非復位性」もないの