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お酒と文学と蛇腹楽器の音色と

衝動が理性を突き破る瞬間とでも表現してみましょうか。

恍惚こうこつと歓喜が、らせん状に折り重なるかのごとく、体内から湧き出てくるのです。

仕事でクタクタになった肉体から、私の魂を解放する儀式がはじまりました。

ここは、ネオン街の一角に位置するBARのカウンター席。

カクテル片手にただひとり酔いしれています。

かたわらには、夏目漱石「坊ちゃん」。
久しぶりに読んでみたくなり、本屋さんで文庫本を購入してきました。

もう、かれこれ1時間は経つでしょうか。
アルコールが体内を駆けずり回っています。

夏目漱石の作品は、その独特の文体に象徴されています。浪漫ロマンとか、沢山たくさんとか、当たり前に使っている言葉は、なんと漱石の造語らしいてす。

一説によれば、「肩り」という言葉も漱石が作ったのだとか。学術的な見解には目をつぶるとしても、漱石が「門」という作品で「肩がる」という表現を用いて、世間に広めたのは事実です。

名作はなんとも奥が深いものです。


ここのBARは、古い南米の音楽をレコードで流すのが特徴的なんです。

あの、レコードならではのノイズがたまらない😍

以前別の記事で紹介しましたヘラルド・マトス・ロドリゲスの代表作「ラ・クンパルシータ」。

この曲は私のお気に入りで、よくマスターにリクエストして流してもらってます。

ちなみにここのマスターのおすすめは、アストル・ピアソラ。「リベル・タンゴ」を代表作としています。

マスターにピアソラを語らせると、もう大変。
あっという間に夜が明けちゃうでしょうね😄

ロドリゲスもピアソラも、いろいろな楽器で演奏されますが、私はアコーディオンかバンドネオンかの二択になりますね。

蛇腹楽器の醸し出すあの哀愁あいしゅうがたまらないんです。あの音色じゃないと、私の情熱は刺激されないのです。

ピアノやバイオリンではダメですね。
あまりにも上品すぎるといいますか。
貴族的な音色なんです。

蛇腹楽器の醸し出すあの感覚ですね。
郷愁感ノスタルジーとでもいいましょうか。
庶民に広がる喜怒哀楽、人生の憂うつを代弁したかのような、あのなんとも言えない感覚に思わずうっとりとしてしますのです。

今日は、20歳くらいの若い女の子が、マスターの補佐に入ってます。バーテンダーの制服って、よっぽどスタイルがよくないと着こなせないですよね。

若いっていいなぁ☺️



お酒と文学と蛇腹楽器の音色と。

私の体内から魂が抜け出す瞬間です。

この瞬間をどう、文章で表現するべきか。

ひとり、カウンター席に腰かけながら、スマホで文章を練る私。

文章修業の試練はまだまだ続きそうです😖

世間はお盆休み。

私は週明けから仕事になりますが、みなさん、よいお盆をお過ごしくださいませ✨

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