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ある一抹の不安
なんと表現すればいいのでしょうか。
「心の奥底がきゅーっと身悶えするような」とするべきか。
はたまた
「体内がカラカラに干からびて頭のてっぺんから引き裂かれるような」とするべきか。
24時間、常にというわけではありませんが、ふとした拍子にいたたまれない気持ちに苛まれることがあります。なにか得体のしれない感情が、心の奥底でもがき続け、叫び続けているのです。
この感情は、果たして何から逃れようとしてどこに向かおうとしているのか。
しかし、この感情は確かに意思を持っているのです。この感情は、常にわたしの存在について疑義を挟んでくるのです。
「このままでいいのか」
「そこに疑問を持つのはなぜなのか」
「あれは間違いではなかったのか」
「どれが正解だったのだろうか」
出口のない自問自答のスパイラルに陥りながら、わたしの心の中で巨大な地盤沈下を引き起こすのです。さらにそこに生じた空洞に一陣の風が吹き込むのです。そう、たとえるなら、いにしえのモノクロ映画に出てくる荒野のような感じでしょうか。
せつないというか、
なげかわしいというか、
かなしいというか、
はかないというか、
さびしいというか、
むなしいというか、
わびしいというか、
とにかくいろんな形容詞を並べても足りないほどに心が押しつぶされるのです。
無限に広がる虚無の空間。わたしの存在意義は果たしてどこにあるのか。
そんな苦しみの中で、ぽっと灯し出される一筋の光。あれはいつのことだったのだろう。
わたしの疲れ切ったカラダをギュッとふたつの腕で抱きしめてくれたよね。
あなたの指先がわたしのカラダを温めてくれたよね
長いこと孤独にむしばまれたわたしの心をギュッと抱きしめてくれたよね。
あなたのことを時折思い出しながら、暗闇の中でギュッと我が腕の中に沈めこんでいく。セルフハグ。
これから先、わたしはどこに向かっていくのだろうか。
膨大なる空虚を体内にひそめ、それでもなお、現実世界をただよい続ける宿命にあるのかもしれません。