第70回勝田全国マラソンへの挑戦(2)
スタート〜20km
号砲が鳴った。Hグループという最後尾からのスタートは、スタートラインにたどり着くまで7分もかかる位置だったが、周囲のペースが自分に合っていたので安心だった。それにしても、人、人、人。普段1人でランニングしている自分からすると信じられない光景である。最初はキロ6分で行こうと思っていたが、人の波に阻まれ、最初の1キロくらいはキロ7分くらいになってしまった。大通りに出てからは少しペースを上げられたので、3キロ地点あたりで遅れを取り戻し、予定通りの6キロ、と思ったが、少し下りが入っていたので、5:50/kmくらいのイーブンペースで前半20キロは推移した。
先が長いので、なるべく淡々と走るようにしていた。様々なキャラクターの仮装をしている人が走っている人がいる。あんな格好で暑くないのだろうかと疑問のような感心のような心持ちになったり、談笑しながら走っている方々を見ては少し羨ましい気持ちになったりした。心配していた給水所では、無事止まらず給水できたが、紙コップを捨てるのにウロウロして他のランナーの方に迷惑をかけてしまった。しばらく走っていると、随分先にもゴミ箱があり、焦って捨てることはなかったと反省した。しかし、あれだけゴミ箱の用意もあるのなら、道路の中央にやたら紙コップが捨てられていたが、あそこまで散乱させなくても、他の方の邪魔をせず捨てられたのではないか、ボランティアの方も好意でやってくれているのだから・・・と憤慨した。東海村に入ると、道が片側一車線になり狭くなったが、その分沿道の応援の声が増し、私設エイドが増えた。そこまでの補給は不要だったが、応援の気持ちが嬉しく、バナナやらチョコレートやら、色々頂いて大規模大会の醍醐味を味わった。このように、淡々と走るようにはしていても、感じることひとつひとつが新鮮で、飽きることなく走ることができ、20キロを走り終わる頃には達成感でいっぱいだった。ここで終わればちょうど良い距離だとしみじみ感じた。
20〜30km
ペースは維持できていたが、前半のような意識はなくなり、長い・・・長い・・・と先の長さだけが頭を巡った。加えて、お腹が痛くなり、トイレに寄ることに・・・。給水所の水が冷たかったからだろうか。出発前にトイレは済ませたはずだが、ここで2分ほどロスしてしまった。
30km〜38km
いよいよペースが落ち始め、キロ6分30秒くらいになってしまった。Garmin Connectの「予測値」では6:15/kmと出ていたが、5:50のペースから徐々に落ちていき、予測値に近づいていく。やっぱり機械は正確だ、などと自分を甘やかした挙句、遂にキロ7分にまでペースが落ちたのは35km前後である。38km地点あたりは異様な光景だった。噂に違わず歩いている人の数が一人、二人と増えていく。気づけば6割くらいの人が歩いているではないか。ここまで歩いている人が増えると、自分も落ちたペースで妥協してもしょうがないか、という気持ちにさえなってきた。心拍は160前後で、個人的には普段の「いっぱいいっぱい」の一歩手前ゾーンをキープしていた。
38km〜40km
わざわざ茨城まで歩きにきたんじゃない! と自分を奮いたたせ、あと5kmなんだからいつも楽に走っている距離をしっかり走り切ろうと言い聞かせた。するとアドレナリンが出たのか、キロ5:30ペースに戻ったのである。やればできるじゃないか!自分自身に感心したのも束の間、たった5分で元に戻ってしまった。やはりいつものペースは無理か。でもこのままでは4時間半はキツイのではないか?ところで4時間半てキロ何分ペースだっけ?肝心なところは調べていなかった。
40km〜フィニッシュ
いよいよ最終局面である。大通りに戻ったはいいものの、既に時遅く信号で待たされるレベル(一部交通規制解除)となってしまった。これは仕方ない。残りの時間を逆算し、6:50/kmで踏ん張ればなんとか4時間半を切れるのではないか、という想像で走った。計算が間違っていてもいい、とにかく完走以外に目標があってよかった。タイムを気にするからラストで踏ん張れる。40kmまで7分20秒を過ぎていたラップタイムが、ラスト2キロでは6:50まで上がる。あと少しだ。そして最後の直線ラインに入る前、私の時計で42.195を終えた。あれ?もう過ぎちゃったけど? スタート位置を間違えたのか。あるいは少しずつ斜めに走れば直線より距離が長くなるから、その分か。それにしてもあと500メートルはあるぞ。などと余計なことを気にしながらフィニッシュした。結果は4時間30分43秒。サブ4.5はならず、オン4.5
となった。最後ゴチャゴチャ考えないでしっかり走っていたら間に合ったんじゃないのか? 達成感と反省が入り混じったフィニッシュだった。
次回で反省と今後の目標を記します。