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ニューバイクを買うにあたっての葛藤

はじめに

 みなさんは、新しい自転車を買うことに葛藤はあるだろうか。実は私自身は大いに葛藤した後にようやく購入を決めて今に至ったのである。もちろん、高価なものを購入するということへの理解や資金面での手配などもあるが、それ以上に「ロードバイク」という機材がメンテナンス次第で永く使えるものだという認識があったのが主な理由である。

 もう10年以上前になるが、あるインターネットの記事で「日本人はモノを使い捨てし過ぎる。日本ではママチャリと言われて流通している1万円程度のシティバイクが『自転車』と言われているが、実は海外で自転車はスポーツの道具として高価だがメンテナンス次第でずっと乗ることができる機材である。日本のように安いものを使い捨てるのが良いか、海外のように高いけれど、丁寧にメンテナンスしてずっと使い続ける方がよいか。」
・・・というようなものを読んだことがあり、その内容に大いに共感したことを覚えている。確かに以前ホームステイで行ったニュージーランドでは、走行距離40万キロくらいの自動車が平気で走っているし、物を簡単に捨てるようなことは滅多にしない。一方日本は消費することで経済を回すのが国のシステムだから、捨てたり買ったりするのは当たり前とはいえ、その昭和的な考え方に嫌気が差している頃だったので「メンテナンスして大事に使う」という方向で今まで過ごしてきた私にとって「スポーツバイク(当時購入したのはクロスバイク)」というものは大変魅力的に見えたのだ。

 そういった経緯もあり、ロードバイクのメンテナンスには随分気を使ってきたつもり(自分ではいじれないので、自転車屋にオーバーホールなどを依頼)だ。

転機

 ところが、である。いざトライアスロンを始め「リアのホイールをカーボンに・・・」と思って探してみると、世のロードバイクはみなリアブレーキではなく、ディスクブレーキと呼ばれるシステムに変更されていて、しかも互換性がないというではないか。しかも、流通しているホイールはほぼディスクブレーキ対応となっていて、リム対応はほとんどない状態である。それだけではない。私が購入したときのコンポーネントは10速が当たり前だったのに、11速、または12速が当たり前の時代となっていて、それもスプロケットだけ交換すればいいのかと思いきや、コンポごと変えないと無理らしい。つまり、メンテナンスして使い続けるのは結構だが、それ以上のアップグレードをするなら新車を買うくらいの覚悟がいりますよ・・・、ということだ。加えて言うならば、今は機械式コンポより電動式コンポが当たり前で、機械式が淘汰されていく可能性すらあるらしい。

 私はこの事実を知り、大変失望した。つまる話は結局商業主義ではないか。私にとって電動コンポなど不要だし、今までずーっとリムブレーキで困ったことは一度もない。ヒルクライムの帰り道のダウンヒルだって、ちゃんと減速していれば問題なかったのだ。それを高価な部品で淘汰し、結局新車を買うように仕向けて行くなど、自動安全システムや自動追従機能が付加されて高価になった自動車と全く同じ道をたどっているではないか・・・。(昔は1000ccの日産マーチが100万で買えた。今は軽自動車でも100万以上する。)

結論

 それで、結局どうするのか?
それは新車購入である。いやいや、今までの流れで言えば、そこは頑張ってメルカリなどでリム対応のホイールを探したりするでしょ・・・、というとこであるが、実際私は45才である。今までの経験上、こういう時は時代の流れに逆らわず、素直に受け入れた方が良いことは知っているのだ*(注)。しかし、買うからにはもう次にニューバイクに投入する予算もないことから、最初から完璧に揃った自転車にして、いちいち追加購入する必要のない完成車を買いたいと考えた。つまり、
・カーボンロードバイク  (アルミロードからのアップグレード)
・12速 (10速からのアップグレード)
・ディスクブレーキ (リムブレーキからのアップグレード?)
・シマノ105 Di2コンポ  (シマノ105機械式からのアップグレード)
・カーボンリムホイール (40mmハイト程度)
以上の条件を満たしたロードバイクを買うのである。

(注)新社会人だったころ、学生時代に買ったWindows98搭載のノートパソコンをずっと使っており、WindowsOSの入れ替えやら、メモリの増設やら散々苦労して使い続けた時期があったが、結局次に買った高性能のMacbookは何一ついじらなくても10年問題なく使えたということがあった。(もっとも、色々いじったことで変な知識は身についたが・・・)

ついに購入に向けて動き出す

 とは言え、先立つものがなければ購入はおぼつかない。せっかく買うなら満足のいく物が望ましいが、予算がなければ仕方がない。(以前話題にしたこともあるが、私は趣味の費用は全て小遣いでまかなっている。)ところが投資で運用していた余裕資金について、エヌビデアという企業の株が急騰し、ものの1か月程度で一気に購入可能域まで到達したのである。生成AIの時代なのだから、絶対行けると思っていたが、まさかこれほどとは・・・。変な宝くじを当てたような気分だが、ここで欲を出すことなく、エヌビデアは全部売却。こうして自転車の予算の目処は立った。ちなみに買う自転車はコスパで有名なGIANTのTCR Advanced Pro1(2025)である。せっかく買うのだから、今度こそは「最後のロード」と言えるよう大事に乗っていきたいものである。


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