ご案内する―片浜駅
沼津駅と原駅の間に片浜駅が請願駅として国鉄分割民営化直前に開業して35年以上経った。開業した時にその事を知っていたが、利用するのは今回初めてである。複線の線路を挟んでその両脇に上下線別々のプラットフォームを置き、出改札口は跨線橋を介して線路の上に置かれる、いわゆる橋上駅である。
車椅子利用者等階段の昇降に困難を感じる者に対するエレベータが15年前に設置されたがそれ以前はスロープを介しての利用だったという。エレベータの構造が特殊でしかも後付けのものだから駅全体としての構造は独特の印象になっている。
橋上駅舎の北口は、エレベータシャフトを兼ねているが、大昔にグランドナポレオン百科辞典で見たウィルス侵入の模式図に似ていて不思議な印象である。駅前広場はないもののパチンコ店とその広大な駐車場、また駅前に相応しくない農地がそのままあって違和を感じる。立体式駐車場は塗装の褪せや錆が目立つから駅開業と同時に出来たのだろうか。
石材商のフクロウが小首を傾げている。
踏切を渡って南口に出ると駅前広場があるがこちらはこちらで駅前にあるべきものが無く退屈であった。
片浜駅のバリアフリー化は既存のスロープを活かさずにエレベータ利用としたことにある。
しかしこれは良くない。
なぜならもし仮に改良工事が鉄道会社の負担で無かったとしてもその運用コストは永続的に架かるし、2011年の時のように節電要請があればエレベータへの電力供給は制約を受けるだろう。スロープ式であれば設置コストはきわめて小さく運用コストは無視できるほど小さい。片浜駅の場合駅員を常駐させるコストを過大視してエレベータ運用コストを無視してしまったから将来的に不安である。
元々この駅は沼津町と原町の中間にあった片浜村住民の願望が遅ればせながら実現したので、駅員を置くことに鉄道企業が難色を示すならば沼津市役所の職員を派遣するか、鉄道企業の次に利益を得るであろう介護タクシーの運転手の手を借りるという手もあったのでは? と考えるのです。
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