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伏せ越し横丁―沼津駅
不思議なのは地下通路階段袖壁の意匠である。3番ホームの意匠はやや清潔感があるだけでなく,袖壁端部が古い橋の親柱のように丸くなるが他はすとんとした壁端。しかし袖壁基壇は後のホームのかさ上げに合わせて全て現在のホーム面より低く,埋め込まれてしまった。
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地下通路の幅は一定しない。3番ホームから1番ホームにかけて1間あるかないかの幅員だが1番ホームから駅本屋に至る幅はその1.5倍位あるだけでなく1番線下は伏せ越しのように数段の階差をもって低くなっている。これは1番線が戦後新たに増設された時に同時に地下通路を延長することになったため。地下通路の狭さが問題だったのか改良時に既設通路より広く取ったが,通路の上は線路橋のような案配になるため土被りを大きく取る必要があったのだろう。さらに1番ホームと2番ホームの間を見ると地下通路直上の線路には緑色で塗られた鋼材で出来た枠が線路に嵌められているのが見えるが,これはトラフガーダーという橋桁で,こちらも構造上問題があったのか後付けで施工されたものと思われる。
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通路と階段の当たり部分は角を取っているのがいかにも昔の設計センスを感じる。
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南口への地下通路はなかった
伏せ越し:主に下水道などで用いられる用語で,埋設管を通す時に同じ高さに既設の埋設管や水路がある時にそれを避けるために一段低く管を下げることを言うようで,逆サイフォンとも言う。
参考:鈴木宏『合流式下水道と伏越し』公共投資ジャーナル社
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