なぜ特別支援学校で交際禁止7割?視点を変えることの重要性
2023年7月、共同通信から「特別支援学校高等部の7割が交際禁止や制限」という記事が出ました。知的障害のある人の人生に踏み込んだ事件がきっかけで、次々と出たので、この記事にある「交際禁止7割」について障害のある子の親として、一人の人間としても考えてみたいと思います。
特別支援学校はトラブル防止のため交際禁止!
特別支援学校高等部で7割が交際禁止というニュース。
娘が通っていた支援学校では、過去に妊娠した生徒の話しが保護者の間で話題になっていました。なので「(交際禁止と)これくらいハッキリしていた方がいいのかな」と、親としては思っていました。
ただ、記事を読むと大人たちが、当事者の思い、気持ちを大事にしていないことに気付きます。どうして禁止なのか?を説明できた親や教師はいたのでしょうか?
腑に落ちない二人の思いを聞くと、「どうしてなのか?」を説明できていない背景が見えて残念でなりません。
腑に落ちれば、あっさりしているASDっ子たち
知的障害とASDのある娘は、腑に落ちれば実にあっさりしています。けれど有無を言わさない命令や言い方には、反発と抵抗、こだわりが強く親を悩ませます。
でも、納得できないことを強いられた時、反発するのが人間じゃないでしょうか?それは障害の有無は関係ない。親としても一人の人間としてもそう思います。
ルールを守れ!だけでは納得できない。では、どうするか?なのですが、一歩踏み込んだ対応が出来なければ、当事者たちと親、先生は平行線のままでは?と思います。
ロックな娘に向き合う!
抵抗、反発を繰り返す娘、実はRockなんじゃないか?と思えたら、私は楽になりました。
「ごめん、それ説明不足だったよね?」という場面を何度も繰り返し、その中で、腑に落ちるとあっさり!を発見しました。
「私だったか~」とわが身を振り返った瞬間、私自身が腑に落ちました(笑)
ルール(約束)と心を育むは大人の仕事
納得できない二人の生徒の気持ちに一歩踏み込んだ大人がいたら、インタビューの内容も少し変わったのではないでしょうか。
約束だよ、ルールだからね!
ついつい発してしまう言葉なのですが、そう言われて「OK」と言われるためには、本人の納得が条件なのだと思います。
臨床心理士の愛甲修子さんの本は、「ルールを守れるにはどうすればいいのか」を丁寧に解説しています。私も本を読んだからこそ、娘と敵対せずに済みました。
「健常者の人たちはこんなことを言われない。どうして私たちだけ言われるのか。何か問題を起こしたわけでもないのに」と記事にあるような差別意識だけを生んでしまわないよう、知的障害のある生徒との関係性を考えながら、保護者も一緒になって学んでいければいいなと思います。
その為にも学校が規制する場ではなく、人間が育まれる場所になってほしいですね。