【社会人留学】 Week10~Wait for the ball~
こんにちは。いよいよ大学院の授業も終盤です・・・。この約3か月間は、過ぎてみればあっという間だった気もしますが、新鮮な経験を積み重ねてきた濃密な日々がこの3か月間にぎゅっと詰まっていると思うと、経験に対して時間が短すぎる、と感じる気持ちが強くあります。
今週は、以前に触れた「ドキュメンタリーフィルム」の撮影がありました。テニスを切り口にしたココのストーリーということで、タイトルは今回の投稿のタイトルでもある、”Wait for the ball” です。テニスは、自分なりのきっかけや理由はあるものの、基本的にはノリと勢いで、1年ほど前に習い始めました。それが、少なくとも製作チームの皆さんに刺さるような物語のピースになっているのが今でも不思議ですw
数分の作品を作るのに、約10時間にも及ぶ時間をかける熱量を見せてくれている製作チーム(メディア専攻の修士の方々です)のプロフェッショナリズムには心底感心します。2時間超の初回インタビューでは、事前に想定質問をいくつか聞いていたものの、大部分は対話の中から生まれる、インタビューワー(私にフィルムの話を提案してくれた友人です)の疑問・質問に答えていく形式でした。ここで、言語の壁にぶちあたります。というもの、私は内観オタク的な気質が強いものの、内省はすべて日本語です。英語で内省をしたことがなかったので、日本語→英語のプロセスをたどる必要があったのですが、内省に使うような微妙な言語を、ニュアンス含めて瞬時に英語に変換することは難しく、かなり大きな認知負荷がかかりました。結果、目の前にはカメラ・インタビュワー含むチームという非日常的な空間で、日本語で内省しているときほど深く自分にアクセスできない、適当な英語表現が思いつかないという悔しい思いをしました。いくつかの質問への答えがどうもしっくり来ず、日本語でじっくり考えたところ、これだという答えにすぐにたどりついたので、再インタビューを依頼する運びとなりました。チームに迷惑がかかると思い心配でしたが、次のようなメッセージをくれました。
"I feel so touched to this message because you make me feel like we are really playing an infinite game rather than just completing a task. Thank you for making all of these happen~ I’ve read your revised responses just now, and I really really like those answers. They are really insightful and thought-provoking, and at the same time, I feel like they are even more in line with what we want to convey through this documentary. (機械翻訳:私がこのメッセージにとても感動したのは、単にタスクを完了するのではなく、実際にInfinite Game(Simon Sinek著)をしているような気分にさせてくれるからです。これらすべてを実現してくれてありがとう〜。今、あなたの修正された回答を読みましたが、それらの回答は本当に本当に気に入っています。本当に示唆に富んでいて、考えさせられるものであり、同時に、このドキュメンタリーを通して私たちが伝えたいこととさらに一致しているように感じます。)"
チームの本気の姿勢にこたえたいですし、私にとっても一生に一度あるかないかの貴重な経験なので、本気で取り組みたいと思います。
英語に関する話に戻りますが、親友と散歩しながら、メルボルンに来て感じたギャップについて語らうなかで、「(英語になると)自分の4割くらいしか表現できていない」というフラストレーションを共有しました。具体的には、上述したインタビューでもそうですし、友人から深い悩みや葛藤を打ち明けてもらったときに、まず自分の頭に浮かぶ言語は日本語なのです。それを英語に変換しようとすると伝えられる言葉が4割程度になってしまい落ち込んでいるというものです。(私は、学部留学含め英語圏に滞在した経験が複数あり、キャリアにおいても、新卒1年目からグローバル、国際と名がつくフィールドで英語を使い、時には外国人上司とともに仕事をしてきました。客観的な指標でいうと、英検1級、TOEICほぼ満点、Versant67、IELTS7.5(受験一回のみ)を取得しており、特に近年では英語の壁を感じることは殆どありませんでした。)親友は、私のフラストレーションを受け止めてくれた上で、「そもそも英語にない、日本語特有の表現を英語に変換しようとしていることが、フラストレーションの原因なのかもしれないね。」と大切な気づきをくれました。彼女は、話の内容に関わらず、英語であれば完全に英語で思考しているそうで、特にフラストレーションはないとのこと。それは英語の堪能な親友だからこそできるだとあきらめずに、私も話の内容に関わらず、英語で思考し、そのままアウトプットすることに少しずつ、挑戦していきたいと思いました。
"You can have brilliant ideas, but if you can’t get them across, your ideas won’t get you anywhere.(素晴らしいアイデアを持っていても、それが伝わらなければ、アイデアはどこへも行きません。) "
M、いつも大事な気づきをくれてありがとう。
Week10の授業について、マネジメントコンピテンシーでのエッセンスを取り上げてご紹介したいと思います。
テーマは「Change」でした。ある、マネジメントを対象にした調査によると、変革の約7割は失敗しているとのこと。それほど、変革に必要なテクニック、プロセスは複雑で難度が高いという事を示しています。変革に際してチェンジ・マネジャーに求められる役割は当然ながら多岐にわたり、(賛同を得るための)salesperson、networker、diplopmatから、anthoropologist (現状の背景にある文化、価値観、行動様式等を洞察する)organizational architect(制度などハード面を再構築する)などが含まれます。その他のポイントを、箇条書きで記します。
・Opportunity to change, Ability to change, Motivation to change が揃って上手く変革を起こすための準備が整う
- Opportunity to change: 変革のメリットに加え、現状とのギャップを示す
- Ability to change: 変革の味方になりうるもの(環境、ステークホルダーなど)と変革の障害になるものを見極める
-Motivation to change: 現状と理想(Aspiration-level performance)のギャップをどうとらえるか次第。競合と比較する?(Social Competition)過去と比較する?(Historical Competition)
・組織・人のAspirationレベルは変革に取り組みだしたときが最高潮。変革の実行に近づくにつれて少しずつ下降(これが意外でした!)。変革後はさらに下降していく
・ジョン・コッターの8プロセス;変革は8段階を要する。"Skipping stages creates only the illusion of speed and never produces a satisfying result.(機械翻訳:ステージをスキップすると、スピードが上がったように錯覚するだけで、満足のいく結果は得られません。)"
最後に、Nokiaの事例をもとにディスカッションを行いました。これが大変アイオープニングでした!
Apple/iPhoneの台頭で窮地に立たされたNokiaの社長(当時)が全従業員に送ったメールを読み、その効果性について議論しました。特に印象的だったのは、変革のファーストステップとして「Create urgency/変革への緊急性」を表現するにあたり、「このままではまずいよ!」とネガティブな感情に訴え危機感を煽るか、「こんないいことがあるよ!」と変革後の理想形を共有するか、そのバランスを上手く取るということです。私のジェットコースターキャリアの中で、様々な変革を経験してきましたが、マネジメントがどちらの方法を取るのかには常に関心がありました。個人的には、ポジティブな感情に働きかける後者が好みではありますが、それでは動かない人達がいることも理解しています。。この授業を通して学んできたことは、絶対的な正解はなくいかにうまくバランスを取るか、という事です。文章にすると至極当然なのですが、様々な経験を経て、この視点を学べたことは大変有用でした。
それでは、引き続きよい一日を~♡